国は行政区、戦争による国土拡大は犯罪です。
ロシアは、ウクライナ国内のロシア系および親ロシア系の人の人権を守るという理由で、軍事力でウクライナに侵攻し、ウクライナの東・南部をとり、軍を配置して新国境を永久化しようとしています。
しかし国連総会はこのロシアの行動を犯罪と決議しました。ところが国連には国連司法を実行する力がありません。その力を担うべき安保理常任理事国の一つがロシアだからです。現在は、常任理事国は、アメリカ・イギリス・フランス対中国・ロシアの対決状態になっており、アメリカなどが軍事力でロシアを制圧するとなると第三次世界大戦になる恐れが高く、常任理事国は対決ができません。
その結果、ロシアが攻撃、ウクライナが防衛という形で戦争が昨年から続き、ウクライナは戦場となり、地獄になっています。これが21世紀かと思うような戦争地獄です。現代人の知恵とはこの程度かと悲しくなる戦争です。
アメリカなどは直接参戦していないが、武器弾薬などをウクライナに支援し、ウクライナの防衛を助けています。現状は、ウクライナが被占領地を奪還しようとする状態になっています。
ロシアは現状で停戦協議に入ることを望んでいます。ウクライナは被占領地全域奪還後に停戦協議に入ることを望んでいます。
国連総会としては基本ウクライナ支持ですが、各国は自国の経済が心配で、ウクライナ支持の継続を躊躇するようになりました。ロシアと経済交流を続ける国がほとんどというひどい状態です。アメリカだって、ロシアと経済交流を続けている企業が数多くある状態です。国連司法実行意欲は弱々しいものです。
したがってアメリカだってウクライナに武器弾薬を提供することに反対する人が増えつつあります。
こうしてロシアとウクライナは、それぞれ単独で戦争する状態に追い込まれつつあります。
しかし、この状態でもロシアは戦争して得したと思えるでしょうか。100%大損です。占領地には平和はありません。ウクライナは奪還を目指してあらゆる戦術を駆使します。テロだって何だってやります。ロシア系・親ロシア系の人に平安はありません。昔より不幸です。ロシア人は、軍人となって戦場に行き、戦死するのは嫌だと言って戦争意欲を失いつつあります。プーチンロシア大統領は世界で孤立するだけでなく、ロシアでも孤立する方向です。心の中では大失敗との思いを深め、自分の悲惨な末路を予感していると思います。
ところで別の地では興味深いことが起こりつつあります。アゼルバイジャンです。
アゼルバイジャンの中には、隣国アルメニアの飛び地のようなナゴルノカラバフというアルメニア系が多い地域があり、係争地になっています。ロシアが平和維持軍を送って係争を防いでいますが、最近係争が再発し、アゼルバイジャン軍の勝利が明確になったようです。背景にアルメニアに対するロシアの支援が弱くなったことがあるようです。
停戦合意が成立し、アルメニア系武装組織の武装解除、アゼルバイジャンによる統合などアゼルバイジャン主導でナゴルノカラバフのアゼルバイジャン化が実行されようとしていますが、和平協議は最終合意に至らず、協議継続になっています。
プーチン大統領は、9月21日、アリエフアゼルバイジャン大統領と電話会談を行い、停戦合意の実行が重要との考えで一致したそうです。この動きでアゼルバイジャンはロシアに対する姿勢を改善する動きです。プーチン大統領は、ウクライナ戦争で精一杯ということでしょう。
中国は、台湾や南シナ海・東シナ海周辺国と争そっていますが、戦争に入ると、仮に負けなくても戦争は泥沼になり、ロシアの運命と同じになるでしょう。「戦争しない」が中国発展持続の鍵になります。中国はよく考えるべきです。
現代、戦争して得する国・人はいません。