アメリカ原子力規制委員会が初めて設計を認証したアメリカのニュースケール・パワー社の小型モジュール原子炉の建設計画が、11月8日、中止になりました。理由は今後も発電コストが上がるとの予測で電力を売ることができる見通しがないとのことでした。通常プラントは大型化でスケールメリットを追求しますが、原子炉については小型化、モジュール化でスケールメリットが出ると言われてきたが、そうはなりませんでした。
アメリカ政府の補助金を利用しても、発電コストが1キロワット時当たり8.9セント(約13円)になり、従来予想の約1.5倍になるそうです。
岸田文雄総理は小型原子炉を有望とし、エネルギー技術の中核として育てると言っていますが、経済性に疑問があり、有望とは言えないようです。
なお、ニュースケール・パワー社には日本企業(国際協力銀行、中部電力、日揮ホールディングス、IHI)が100億円以上出資し、同社株を8%程度持つ大株主となっているそうです。
ニュースケール・パワー社とアメリカ西部の電力会社などがつくったユタ州自治体電力システムが共同でアイダホ州に、1基出力7.7万キロワットの小型原子炉を6基建設し、2029年からから稼働する計画でした。太陽光発電や風力発電はむらが出るので小型原子炉発電でむらをなくし、完全な脱炭素を実現する予定でした。
なお、ニュースケール・パワー社は、アメリカのウィスコンシン州やポーランド、ルーマニアなどで小型原子炉建設計画があると述べ、小型原子炉開発は続けるそうです。
しかし小型原子炉の経済性を研究しているアメリカの専門家や、電力市場関係者は小型原子炉の実現は無理と見ているようです。
日本の経済産業省・資源エネルギー庁などは小型原子炉を有望としているが、太陽光発電コストや風力発電コストは大幅に下がってきました。再生エネルギ―は安全で最も安いエネルギーになると思います。原発発電コストは反対に上がり続けるでしょう。
岸田総理はエネルギー政策でも大失敗するでしょう。
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