現状は産業論なき金融論と私は言っていますが、現実の日本は名目経済に一喜している状態と思います。来年4月名目でも労働対価が上れば物価上昇に労働対価上昇が追う形になり、人々は明るくなるという期待が政界、金融界にあります。
物価上昇に人々が慣れればいいという発想です。1990年頃、不動産バブルが破裂し、現在も続いている長期経済低迷期の原因になったオイルショック後の金融論とよく似ています。
相変わらず産業論がないなというのが私の見方です。世界が日本への投資に動いてくれても日本に確かな産業が育っていないなら、お金はバブルを大きくするだけで、結局、世界の資本家は期待外れになります。
日本の半導体産業は復活するなどと言われていますが、点で勝負できると思う政界、経済界の価値観の欠点が一向に解消されていません。
政治や経済の目的を「人々の幸福」に置き、面で考えた産業論にもっと頭を割いてほしいものです。確かな産業論を支える金融論を政界も金融界も産業界も、そして人々も考えてほしいと思います。
人々は軽薄な政界や金融界のマネーゲーム論に乘って中身のない投資・投機にうつつをぬかすのではなく、自分の事業・仕事を真剣に考え、自分の事業・仕事に投資する人になってほしいと思います。
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