続きです。
実家に戻る条件は
妻との約束
「2年間起業して駄目だったら、勤め人に戻って」
しかし、子供二人を安全安定に育てる環境は出来たが
夫婦は苦しみもがいていた。
穏やかで怒ったり声を荒げることのない妻が
子供達が寝静まった頃、
突然、果物の入った籠を放り投げ
棒で私の背中を力込めて数度叩いた。
涙して子供達の布団に寄り添った。
声出さずに泣いていたのだ。
生涯で一度であろうやり場のない嗚咽。
家族がいない時
お袋が、ぽろっと漏らす
嫌味な言葉を無視し続けた。
私も視界が見えぬ行路を歩き彷徨っていた。
何でこんなことに、自分の不甲斐なさに泣きぬれた。
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創業30年の記憶(4)
続く。
♫ 涙をふいて ♫ 三好鉄生
♫ 涙をふいて ♫ 三好鉄生