続きです。
その夏の終わりに同期は人魂となり
北アルプスからやって来た。
山岳雑誌で読んだことがある。
奥穂高岳で遭難死した男性が
闇夜の奥穂から光の帯として
東京に向かった。
高校生の頃
夜 真向いの家の屋根に大きな人魂が
揺らぎ家内に侵入しようとしていた。
親父に観てと指指した。
親父も驚いた。
数年後、横隣の家の屋根にも現れた。
他人に言っても馬鹿にされるので黙っていた。
私の心に願望があったのだろう。
あいつに逢いたい。
それと、あいつも俺にお礼を言いたい。
そんな想いが幻想幻聴となって
脳内に現れたのだろう。
それっきり、奴は現れない。
プレビューに隙間風が雨戸を叩き
彼が僕の寝ている部屋にやった来た。
ブログです。
同期は北アルプスから人魂としてお礼にやって来た。
星に願いを 幸田浩子