60年前の今日4月12日、旧ソ連の飛行士ガガーリンが宇宙に飛んで地球を一周して帰還した日である。世界中は驚愕した。そんなことができるのか、人間が宇宙に出てゆけるのかという驚きと当時のソ連の科学技術がとんでもない高度のものだということだった。とりわけ米国のショックは相当なものだったに違いない。岐阜県で行われた旧ソ連の宇宙カプセルの復元模型を見た記事の筆者はガガーリンが乗ったカプセルは大そうな小さな人ひとりがやっと乗り込めるほどのものだったと書いている。当時のソ連としても世界を出し抜いてやろうという気持ちはあったはずでぎりぎりの確立で打ち上げだろうということが推測できる。打ち上げのロケットも全体像をみせずに煙で隠すようにしているところからもそれが分かる。その後女性宇宙飛行士なども乗せて成功しているが旧ソ連の優位はその後5年位までだったようだ。
この旧ソ連の宇宙飛行が引き金になって宇宙開発が急速に進む。米国大統領のケネデイが1970年までに人を月に送り届け帰還させるアポロ計画を立ち上げる。次第に米国の国力科学技術力に旧ソ連はついてゆけなくなり宇宙開発は米国の独壇場となってしまった。
ガガーリンはその後戦闘機で訓練中に墜落死した。宇宙飛行士第1号という勲章を持った人が何故と思ったが国家が作った広告塔のような存在に本人はイヤ気を覚え心身を病み苦悩の人生だったという。私にもそれが今になってよく分かるようになった。今、東京オリンピックの選手選考のレースが行われているが金メダルを取って国中からチヤホヤされても祭りが終わり平静に戻った時にガガーリンにならないかとふと思ってしまう。水泳の池江選手は白血病との戦いの中での候補当確ということだがムリをすれば必ず病がもたげてくるわけで長い人生オリンピックだけではない。ムリはいつか破綻がくることを自覚して欲しい。