そうだ、沖縄行こう。

2010-12-24 19:34:59 | 鳥(Birds)


オオハシシギ(Limnodromus scolopaceus) Long-billed Dowitcher


12月も近づいて来た頃、例によってまたあの衝動が私を襲った。“沖縄が足りない”。深刻な沖縄不足である。
渇望していたのは私だけではなかったようで、しばらく何処にも行けていない友人もまたそうであった。
―こうして、どちらから言い出したか、あっという間に短期日程の遠征計画が決まった。
いつもの事だけれど、飛行機の時間があまりにも早すぎるために空港付近の狭苦しいがとびきり安いネット喫茶に前日深夜から入り夜を明かした私達は、機内では干潟の泥のように眠った。
寒くて場違いな格好でも、家から薄着をしてきて良かった。何故ならば、那覇空港から出た瞬間には冬とは思えないほどに生暖かい空気が私達の肺を満たしたのである。やはり沖縄はこうでなければ。
初めに、我部祖河食堂に駆け込んだ私達は、迷わずソーキそばを注文した。これを食べなければ「沖縄」は始まらない。体中の細胞がこのメニューを所望していただけあって、変わらない美味さをぺロリと食べ終わった空の丼に向って各々大げさな絶賛の言葉を浴びせた。

与根遊水池に着く頃には正午をまわっていた。
水が多くて池の砂泥部が露出していない代わりに、池から流れ出る水路には小さな干潟域が形成され、そこには池の鳥を箒で掃いて集めたかのように凝縮されたシギチ達が採餌していた。
3羽いたオオハシシギは初め、私達のすぐ足元を歩いていた。この鳥の餌採りはとても特徴的である。首を引いて一度勢いを付けた後、水中で息を止める練習のために水を張った洗面器に顔を沈める子どものように、一思いに泥地にその真っ直ぐな嘴を突き立てる。そして写真のような状態で数秒泥内を探る、という行動を繰り返すのだ。



コアオアシシギ(Tringa stagnatilis) Marsh Sandpiper


脚も嘴も細く、細身小顔で、抱きしめたら折れてしまいそうな華奢さを誇るコアオアシシギは、軽やかなフットワークでスイスイ歩く。
他にもアカアシシギが5羽、この中では群を抜いて背の高いセイタカシギ、それからタシギ、イソシギ、コチドリが盛んに歩き回り、干潟部分の移動とともに水路の奥に移動して行った。






【2010/12/05/沖縄本島 Okinawa,Japan】