キアシヒタキ(Tregellasia capito nana) Pale-yellow Robin
オーストラリア4日目。
この日の朝は、森の中でも一際暗くて蚊の多い林道を歩いてみることにした。
しばらく歩いていると、朝からのうだるような暑さに早々に参ってしまった。そこで私はカメラとザックを一度地面に放置して、双眼鏡だけ持つというスタイルにした。放置した荷物からほんの10mも歩かないうちに、とんでもないことが起きた。
暗い林内でさえ雨覆と腰のメタリック・ブルーが眩いほどに輝くノドグロヤイロチョウ(Pitta versicolor intermedia)が飛んで来て、なんと私と置いてきた荷物の間の林床に舞い降りたではないか!
これではカメラを取ろうとすればこのノイジーピッタを間違いなく飛ばしてしまうだろう。こうなったら観察あるのみだ。私からたった5mの位置にいるノドグロヤイロチョウは、うっかり人間の近くに降りてしまったと言わんばかりにしばし動きが固まり、私と10秒か、いや20秒か目を合わせた後、さりげなく森の暗がりに向って歩いていった。
私はしばらく落雷にでも遭ったように無表情で立ち尽くし、気が付いた時には虫除けスプレーが行き届いていない場所を蚊にしこたま刺されていた。
アオツラミツスイ(Entomyzon cyanotis griseigularis) Blue-faced Honeyeater
車を停めている場所に戻ると、その周辺にも鳥が多かった。
キバタンが上空を飛んで広げた翼を見ると、白い風切の一部にレモンイエローが乗っているのがわかる。また、2羽のテリオウチュウが時々フライングキャッチをしていたり、家禽かと思うほど自然にヤブツカツクリのペアが背後を通り過ぎたりした。
木々が茂った一画では、眉斑がなく黒い嘴と暗色の虹彩によってクロエリヒタキみたいにのっぺり顔をしたハシナガヤブムシクイが動き回っている。さらにキャンプ場の事務所前では、チャイロモズツグミがアカハラみたいに豪快に落ち葉をひっくり返しているのが見えた。
小さくて可愛いキアシヒタキは木の幹に直接はりつく独特の行動をしきりにしている。
メンガタカササギビタキにフヨウチョウ、その他にもいつもの面々を全部見た頃、ワライカワセミが鳴き始めた。もとい、笑い出した。
もはや鳥の声とは思えないような声で「クワァラハハハハ!」と高笑いするものだから、初めて聞いた時には誰か子どもがどこかではしゃいでいるのかと勘違いしてしまうほどだった。
さらにさらに、笑い出した時に別のワライカワセミが近くに居る時には、どちらかがもう片方の隣に飛んで行き、一緒になって大笑いの共鳴をし始める始末!
この状況を友人が「ツボに入っている」と上手いことを言い、以降この表現が私達の間で採用された。
「またツボってるよアイツら!」
【2010/03/06/オーストラリア Cairns,Australia;Mar. 2010】
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