オーストラリアオオノガン(Pandion cristatus) Australian Bustard
もう太陽がだいぶ傾いた頃、草原では光を背にしてシロアリの塚の上にとまったノドグロモズガラスがたそがれていたり、ぴょーんぴょーんと軽快に跳ぶスナイロワラビーが顔しか見えないほど草丈の高い区画に4頭ほど見え隠れしていたりする。
そして、西日に照らされた草原が輝き出す頃。突如、草原の牧草が刈り取られて開けた空間に出た。それと同時に、なんと言うことだろう、10羽以上もの大きなオーストラリアオオノガンが威風堂々と闊歩している光景が目の前に広がっていたのだ!
これはきっと、草を刈られた後に餌が見つけやすくなったため、周りの草原から寄り集まってきたのだろう。
「オーストラリアオオノガンは警戒心が非常に強い」なんてまことしやかに言われているけれど、そんなものは嘘っぱちであることはすぐに分かった。ノガンならば蜃気楼の彼方から警戒されるかもしれないが、オーストラリアオオノガンはそうではない。
人間に気を配ることよりも雌とお近づきになる事の方が忙しいらしい雄達は、豪快に飛び立っては雌の歩いている前方に優雅に舞い降りて、ディスプレイを始める。頭部の黒色がはっきりしたこの雄は、息を吸い込むように口を大きく広げた後、喉を膨らませて尾を反らせ、そのままの状態で雌に向って歩き出した。ところが雌は逃げ出すかまたは完全無視、というとても冷ややかな態度を変えなかった。これはもしかしたらディスプレイが魅力に欠けていた、ということも原因の一つなのではないだろうか。私達が見たディスプレイは雄の本気ではなかったとしたらどうだろう。というのも、マンガの中で驚きのあまり顎が外れてその顎が地面にガコーンとめり込むデフォルメがあるけれど、おおよそそんな感じで「それはそれはもの凄い」フォルムになると図鑑に図が描いてあったからだ。
オーストラリアオニサンショウクイ(Coracina novaehollandiae melanops) Black-faced Cuckoo- shrike
草原の端にある乾いた林では、枝にとまったホオアオサメクサインコがうとうとしていたり、顔の黒いオーストラリアオニサンショウクイの成鳥が西日を見つめていたりした。
帰りに立ち寄った閉店時間間際のスーパーマーケットでは、ローストチキンが半額値引きになっていて、なんとおよそ400円で1羽丸ごとを手に入れた。ニシシと笑みを浮かべながらがらスーパー外にあるベンチで友人と共にチキンをむさぼり食べた時は最高の気分だった。一生の中で、ローストチキン丸ごと1羽を一人で食べるなんてことはもう無いかもしれない。
【2010/03/05/オーストラリア Cairns,Australia;Mar. 2010】
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