花追い放浪記

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フトボナギナタコウジュ コウの花図鑑

2023-11-01 | コウの花図鑑

10月に見つけた野草の花

 

フトボナギナタコウジュ(太穂薙刀香需)

 Elsholtzia nipponica Ohwi

 

シソ科 ナギナタコウジュ属

花 期 : 9~11月

生育地 : 林縁、草地、路傍

分 布 : 宮城県以西~九州

RL指定 : なし

撮影 10月 大分県

 

ナギナタコウジュ属植物は、全世界で43種が知られており、その多くがヒマラヤ周辺に分布している

日本に産するナギナタコウジュ属の植物は、ナギナタコウジュ、フトボナギナタコウジュ、ニシキナギナタコウジュの3種である

 

フトボナギナタコウジュは、小花序数が多く花序が太いことから、ナギナタコウジュやニシキナギナタコウジュとは形態的に異なる

フトボナギナタコウジュの学名は、Elsholtzia Argyi var nipponicaとされ、中国原産の紫花香薷(zi hua xiang ru)の変種と扱われていたが、現在は、Elsholtzia nipponicaが標準となっており、独立種と考えられているようだ

ナギナタコウジュ(画像左)とフトボナギナタコウジュ(画像右)の花序の比較

 

長野県の美ヶ原において、既知の日本産ナギナタコウジュとは異なり、小型化した個体が多数発見された

核ITS領域に基づいた系統解析で、この小型化した個体は、日本産ナギナタコウジュ(長野)および大陸産ナギナタコウジュ(韓国)と遺伝的に区別された

また、長野産と韓国産のナギナタコウジュにおいても、遺伝的に大きく離れており、ナギナタコウジュ属の分類において再考の必要性が示唆された

参考資料)

日 本の中部山岳域におけるナギナタコウジュの分子系統 高山生態型の発見とユーラシア大陸産ナギナタコウジュとの遺伝的差異

田路翼 市野隆雄

 

初版 2023年11月01日

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