6月に見つけた野草の花
イブキジャコウソウ(伊吹麝香草)
Thymus quinquecostatus Celak. var. ibukiensis (Kudô) H.Hara
シソ科 イブキジャコウソウ属
花 期 : 6~8月
生育地 : 海岸や山地の日当たりの良い岩
分 布 : 北海道~九州
RL指定 : 長崎県準絶滅危惧種
撮影 6月 長崎県 佐賀県
イブキジャコウソウは、常緑矮性低木で、石灰岩、蛇絞岩、安山岩地帯によく生え、塩基性の土壌を好むと考えられる
一般的な植物は、土壌のpHが6.0~6.5で正常に生育すると言われているが、それよりアルカリ性に傾くと、カリウム、マグネシウム、鉄、ホウ素等の吸収が障害され、欠乏症をまねく
蛇紋岩帯では、生存競争が低いこともあり、しばしば遺存種や貴産種が見られるが、植物に必要な窒素、リン酸、カリウムが不足し、マグネシウムと鉄が多く、土壌がアルカリ性に傾き、吸水障害を起こしてしまう
しかし、イブキジャコウソウは、高カルシウム・高マグネシウム耐性が高く、また耐乾燥性も有するので、このような過酷な環境にも適応できるのだ
日本に産するイブキジャコウソウ属は本種のみであり、パラ・シメン、カルバクロール、チモールなどの精油成分を含む事から、「日本のタイム」と呼ばれている
イブキジャコウソウは、草丈3~15cmで、葉は対生し、枝先に短い花穂をつけ、花冠は唇形となる
初版 2012年6月29日
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