花追い放浪記

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イブキジャコウソウ コウの花図鑑

2023-06-21 | コウの花図鑑

6月に見つけた野草の花

 

イブキジャコウソウ(伊吹麝香草)
 Thymus quinquecostatus Celak. var. ibukiensis (Kudô) H.Hara

 

シソ科 イブキジャコウソウ属

花 期  : 6~8月

生育地  : 海岸や山地の日当たりの良い岩

分 布  : 北海道~九州

RL指定 : 長崎県準絶滅危惧種

撮影 6月 長崎県 佐賀県

 

イブキジャコウソウは、常緑矮性低木で、石灰岩、蛇絞岩、安山岩地帯によく生え、塩基性の土壌を好むと考えられる

一般的な植物は、土壌のpHが6.0~6.5で正常に生育すると言われているが、それよりアルカリ性に傾くと、カリウム、マグネシウム、鉄、ホウ素等の吸収が障害され、欠乏症をまねく

 

蛇紋岩帯では、生存競争が低いこともあり、しばしば遺存種や貴産種が見られるが、植物に必要な窒素、リン酸、カリウムが不足し、マグネシウムと鉄が多く、土壌がアルカリ性に傾き、吸水障害を起こしてしまう

しかし、イブキジャコウソウは、高カルシウム・高マグネシウム耐性が高く、また耐乾燥性も有するので、このような過酷な環境にも適応できるのだ


日本に産するイブキジャコウソウ属は本種のみであり、パラ・シメン、カルバクロール、チモールなどの精油成分を含む事から、「日本のタイム」と呼ばれている
イブキジャコウソウは、草丈3~15cmで、葉は対生し、枝先に短い花穂をつけ、花冠は唇形となる

 

初版 2012年6月29日

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