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7月に見つけた野草の花
オオカモメヅル(大鴎蔓)
Vincetoxicum aristolochioides (Miq.) Franch. et Sav.
キョウチクトウ科 カモメヅル属
花 期 : 6~8月
生育地 : 山地、海岸付近の林内、林縁
分 布 : 北海道~九州
RL指定 : なし
撮影 7月 長崎県 佐賀県
細いつるを発達させ、夏に小さくて目立たない花を咲かせるオオカモメヅル
自ら自立する必要のないつる植物は、茎を丈夫に発達させる必要がなく、その分の資源をつるの伸長に充てる事ができる為、他の植物との光の争奪戦において有利となる
さらに、構造的な制約で師管と導管を太くしにくい一般の植物に対して、つる植物は、茎の強度を要求されない事で、それらを太くし、水や養分を効率よく運搬する事ができるのだ
つる植物と樹木の関係については、相利関係ではなく、寄生もしくは片利共生と言われている
例えばクズは、猛烈な繁殖力で、とりついた樹木を覆い尽くし、枯死させてしまう
クズは、樹木を枯らしてしまう前に別の樹木に移る必要があるわけだ
一方、イワガラミは茎から生えた気根で樹木に着生しており、樹木が枯れると、自分も巻き添えとなるので、イワガラミは樹木の上部を覆うような事をしないのである
オオカモメヅルは、巻き付き型のつる植物であるが、とりついた木本や草本を枯らすような事はないと思われ、片利共生と言えそうだ
参考資料)野外環境下における木本性つる植物の成長特性-自重支持依存のコストとリスクを考える(市橋隆自)
初版 2016年7月23日
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