花追い放浪記

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ツツザキノコンギク

2022-12-23 | コウの花図鑑

ついに見つけた\(^o^)/

舌状花が筒状に丸まっているツツザキノコンギクである

本当に野生状態で存在しているんだね

ネットに多く掲載されているが、あれは園芸品や植栽品で、野生状態のツツザキノコンギクはほとんど見られない

ツツザキノコンギクは、学術的に種として認められたものではなく、ノコンギクの変種だの品種だのと言われているが、Ylistにも環境省の植物目録にも記載されていない

もちろん、園芸名で用いられるオビトケノコンギクというものも同様だ

 

2022年12月、海岸に近い林内の林床で発見し、下図のごとく側には矮性のノジギクやコバノタツナミ、斑入りセンニンソウ等が自生している

実は、撮影機材に不備があったり、満足いく画像が得られなかった為、3回も自生地を訪れている

最終的に12月22日に訪れた際には、花はほぼ終了していた

 

あまり日当りのよくない林床に自生している

 

ここのツツザキノコンギクは、非常に丈が低いものばかりで、草刈りされてしまったのかとも思ったのだが、切られたような跡はないし、こんな草がまばらな林内の下草刈りが必要とも思えない

 

ノコンギクは地下茎で増えるが、ここでは地下茎が地表に露出していて、その様子がよくわかる

上段の画像には、出来立ての子株と思われるものが映っている

 

頭花の様子

舌状花が筒状に丸まっている

 

葉の様子

葉は互生、葉縁にまばらな毛、葉裏の葉脈上に短毛が生えている

葉を触ると、両面ともざらつきがあり、ノコンギクの特徴を有する

 

舌状花、筒状花、総苞の様子

 

神崎方面から、佐賀関半島を一周して下ノ江までドライブ

下ノ江の灯台に登ってやろうと道を探したが見当たらない

美しい海を見ていると、心が洗われるようだ

 

以前撮影した下ノ江の造船所 2021年02月撮影

下ノ江は、「したのえ」と読む

 

最初に発見した日は、残念ながら一眼を持ってきておらず、スマホでの撮影となってしまった

2回目に訪れた際には、マクロレンズを忘れてしまい、しかもすぐに電池切れ

3回目にようやくまともな画像を撮影したが、状態の良い花が残っておらず、残念

全く、間抜けな事をやってしまった(>_<)

 

ちなみに、ノコンギクの学名は、var. ovatusとなっており、なにかの変種かともとれるようだが、これはノコンギク、センボンギク、タニガワコンギク、エゾノコンギクが同一種(広義のノコンギクあるいは絶滅した祖先母種)の変種関係とされた為、このような表記になったと解釈した

なお、ovatusとは倒卵形(葉の形状)という意味である

 

学名:Aster microcephalus (Miq.) Franch. et Sav. var. ovatus (Franch. et Sav.) Soejima et Mot.Ito(狭義のノコンギクの学名)

和名:ツツザキノコンギク(筒咲野紺菊)

キク科 シオン属

撮影 2022年12月 大分県

 

3回も自生地を訪れているのだが、植物の撮影だけではもったいないので、長時間海岸を歩き回り、風景等撮影した

植物の定着が難しそうな、過酷な岩場にはハマヒサカキやクコが生えており、いまだにノジギクが花を咲かせていた

ノジギクは花が終わる頃、舌状花が赤紫色に変色する

 

撮影後は、佐賀関にて関アジ等のミックスフライ定食をいただいた

初版 2022年12月23日

記事アップロード 2022年12月23日

画像アップロード 2022年12月16日 2022年12月22日