2月に見つけた野草の花(佐賀県)
ツクシネコノメソウ(筑紫猫の目草)
Chrysosplenium rhabdospermum Maxim.
ユキノシタ科 ネコノメソウ属
花 期 : 2~4月
生育地 : 湿り気のある林床や岩上、渓流畔、谷筋
分 布 : 九州
RL指定 : なし
長崎県や佐賀県ではよく見かけていたが、大分県ではまだツクシネコノメソウに出会っていない
大分県では個体数は多いものの、準絶滅危惧種に指定されており、今後の減少が懸念されている
撮影 2017年2月15日 佐賀県
ネコノメソウ属は比較的原始的な植物と考えられ、新エングラー体系のユキノシタ科には、そのような植物が集められていたが、単系統性に疑問が持たれていた
実際のDNA塩基配列によって得られた系統樹では、例えばアジサイやウメバチソウ等、目レベルでの移動を余儀なくされたものもあった
APG体系下で、ネコノメソウ属はバラ目から新設されたユキノシタ目となり、ユキノシタ科に分類されている
撮影 2017年2月15日 佐賀県
ツクシネコノメソウは、コガネネコノメソウと形態的に似ており、区別が難しい
分子系統樹(Soltis et al. 2001)を見ると、九州に自生するネコノメソウ属の中では、コガネネコノメソウとシロバナネコノメソウがツクシネコノメソウが同じサブクレードに属する単系統群の一部である事がわかる
撮影 2019年3月17日 佐賀県
ツクシネコノメソウは、湿った環境を好む草丈5~15cmの多年草
茎葉は5~10mm、表面に1~1.5mmの毛があり、腎円形~扇形で対生し、丸い鋸歯を持つ
根出葉は花期には枯れ、花茎の基部から走出枝を出し栄養繫殖を行う
萼片は淡緑色で4枚、直立またはやや斜上し、雄蕊は8本
ツクシネコノメソウの分布は四国~九州とされていたが、高知及び愛媛に分布するものは、種子の表面の稜に短毛が密生することから変種(トゲミツクシネコノメ)として区別された
撮影 2017年2月15日 佐賀県
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