長崎県では、ナギナタコウジュを頻繁に見かけていたが、大分県では、由布岳近辺の自生地で観察しただけ
山地の田園地帯の林縁や道端によく生えていたものだが、こちらでは、田園地帯を散策する事が少なく、そのせいで出逢いがないのだろう
今回、私の好きなアカバナを見つけに休耕田を訪れた
残念ながら、アカバナは見当たらなかったのだが、農道にはナギナタコウジュが花を咲かせていた
ナギナタコウジュは、北海道~九州に分布し、日当たりの良い山地や草原に生育するシソ科の一年草
草丈は、30~60cm、9月~10月に、淡紅紫色の唇形花が花穂の片側で咲き、その様子が薙刀に似ていることが名の由来
葉茎に、ナギナタケトン、セスキテルペン等精油成分を多く含み、爽やかな香気を持つ、在来ハーブ
また、漢方でも利用され、解熱・発汗・利尿の薬効があるとされる
ナギナタコウジュは、アイヌ民族が日常飲むお茶に利用されているようだ
近縁のフトボナギナタコウジュは、葉の幅や花穂の幅が大きく、苞の形状や毛の生え方が異なるようだ
フトボナギナタコウジュの学名は Elsholtzia nipponica Ohwi で、ナギナタコウジュの変種という事ではない
シノニムは Elsholtzia argyi H.Lév. var. nipponica (Ohwi) Murata
Elsholtzia argyi H.Lev. は、中国に分布する種で、フトボナギナタコウジュは、その変種という扱いだが、含有する精油成分の観点から、それは適切ではないとの意見もある
フトボナギナタコウジュとは、まだ縁がなく、これから出会える事を期待している
学名:Elsholtzia ciliata (Thunb.) Hyl.
和名:ナギナタコウジュ(薙刀香薷)
シソ科 ナギナタコウジュ属
撮影 2022年10月 大分県
初版 2013年10月7日
記事アップロード 2022年11月15日
画像アップロード 2022年11月11日