to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

ウィンター・ソング

2007-10-17 03:01:36 | the cinema (ア行)
原題 PERHAPS LOVE/如果・愛
製作年度 2005年
上映時間 109分
監督 ピーター・チャン
出演 金城武/ジョウ・シュン/ジャッキー・チュン/チ・ジニ

女優になる夢をかなえるために、自分を捨てた孫納(ジョウ・シュン)を思い続ける林見東(金城武)。別離から10年後、ミュージカル映画の共演者として再会した林見東と孫納は、映画で演じる男女に自分たちを重ね合わせ始める。一方、孫納の恋人である監督の聶文(ジャッキー・チュン)は彼女の気持ちが自分から離れるのを恐れ……。 (シネマトゥデイ)

10年ぶりに再会した男女の愛の物語を、劇中劇のミュージカルを交えて描くラブストーリー。
監督は『ラヴソング』の名匠ピーター・チャン。

この"ミュージカル"(東洋の)が不安で、なかなか観る気にならなかったというのが正直なところ。
全篇にテレサ・テンの歌が流れた『ラヴソング』はとても好きで、3回ほどレンタルしてきてみたと思う。
今年になって借りようと思ったら、たった1本しかなかったVHSがなくなっていて寂しかった。


映画学院の学生リン・ジェントン(金城)と、空きっ腹の歌手志望のスン・ナー(ジョウ・シュン)が出会ったのは凍てつく北京の街。
貧しかったけど励ましあって、夢に向かって生きていたが、一緒に暮すころにはスン・ナーの夢はハリウッドを目指す女優に・・・
その夢に近づく為に彼女はジェントンを捨てた――

10年後。香港で俳優として成功したジェントンと、大陸で注目を浴びる女優になっているスン・ナーは、
彼女のパートナーで監督のニエ・ウェン(ジャッキー・チュン)のミュージカルで共演することになる。
突然の失恋から立ち直れず、未だにその傷をひきずっているジェントンは、毎夜、不眠に悩まされていた。
二人の間にあったものは本当に愛だったのか―
愛と夢を秤にかけ、愛を捨てたスン・ナーは言う「記憶は忘れる為にある」

苦悩する現在から、ミュージカル仕立ての劇中劇を経て過去の二人へと場面が変わったりで、
なかなか感情移入ができにくかったけど、思ったよりは解かり難くはなかった。
ただ、ジャッキー・チュンを起用したかったからミュージカルなのか、
"あのシーン"を撮りたかったからサーカスなのか、
そういったシーンをなくして、すなおに二人の10年を描いてくれたほうが
ラブストーリーとしては堪能できたと思う。

切ない思いを抱きながら、必死に泣かずに生きて十年後をむかえたレイキウに、涙がこみあげるのを抑えられなかった『ラヴソング』のラストシーン。
それは離れていた年月、荒波に揉まれる二人の姿を観客が見ていたからだ。
そういう意味で、いまひとつ決意の縁切りをしたスン・ナーに感情移入ができなかったのが残念。

嬉しい誤算は、金城君の歌がとっても上手かったこと
甘く、のびのある声が素敵だった
一応、金城武とジョウ・シュンのW主演ということだけど、なんといってもこれは
金城君あっての作品といって良いと思う。
30代になっても少年のような切なさが出せるのは流石だと思うし、
情熱を秘めた孤独な瞳に、過去にとらわれた女々しさと、彼の魅力がいっぱいで
ファンには堪らない1本になったのでは?

ミュージカルが好きでも、香港映画が好きでないとつらいかも知れません。
コメント (14)
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