原題 WAR HORSE
製作年度 2011年
上映時間 146分
原作 マイケル・モーパーゴ
脚本 リー・ホール /リチャード・カーティス
監督 スティーヴン・スピルバーグ
音楽 ジョン・ウィリアムズ
出演 ジェレミー・アーヴァイン/エミリー・ワトソン/デヴィッド・シューリス/ピーター・ミュラン/ニエル・アレストリュプ/トム・ヒドルストン/パトリック・ケネディ/デヴィッド・クロス
1982年にマイケル・モーパーゴが発表し、舞台版は第65回トニー賞で5部門に輝いたイギリスの小説を巨匠スティーヴン・スピルバーグが映画化
第一次大戦前夜のイギリス。農村の小さな牧場で一頭の仔馬が誕生する。その仔馬は貧しい農夫テッドによって競り落とされ、少年アルバートの家にやってくる。そしてジョーイと名付けられた仔馬は、アルバートの愛情を一身に受けて、賢く気高い名馬へと成長していく。しかし戦争が始まると、アルバートが知らないうちにイギリス軍へ売られてしまうジョーイ。やがて、ニコルズ大尉の馬としてフランスの前線へと送られたジョーイは、ついにドイツ軍との決戦の時を迎えたのだったが…。
原作は30年前の、イギリスでは児童文学としてヒットしたんですねぇ。
映画を観た今、これを舞台で上演したとか、どんな演出~?!ってビックリですよ!
戦争に運命を弄ばれた賢い馬と、その馬に愛情を注ぎ続けた少年の、4年に及ぶ苦難の物語、
CGに頼らない自然の美しさ、残酷さもあり、
何より見とれるぐらい美しく賢いジョーイ!!素直に良かったです
実は少年アルバートは、ジョーイ誕生の瞬間から心惹かれていたんですね。
でも貧しい家では買えるはずも無く、ただ仲良くなりたくてみつめていたのに、
父親のテッドがその素晴らしい馬を大金はたいて買ってきて、
まだ調教もされていない暴れ馬が、アルバートのかけがえの無い存在になっていくのですが、
もう、この段階からこのジョーイが名演技♪
追い詰められたテッド一家の窮地を救う場面で、その演技力を先ず見せてくれます
やがて英国は第一次世界大戦に突入し、
まだ少年のアルバートに如何することも出来ない愛馬ジョーイとの別れが訪れ――
そしてこれより、親(アルバート)離れをしたジョーイ目線でドラマは語られていきます。
最初にジョーイを競り落としたのは、馬を大切にするイギリス人将校でしたが、それから
ドイツ軍を脱走した幼い少年兵の兄弟、両親を亡くし祖父と暮らすフランスの少女、そして
幾つもの出会いと別れを繰り返し、ジョーイは戦地を流れ歩くことに、、。
軍馬としてその過酷な旅を共にする、心強い黒馬トップソーンとの友情と別れ、
絶対絶命のピンチが幾度か訪れる度に、母馬になった気持ちで祈らずにいられない!
戦争は当時たくさんのヒトの命も奪い、同時に軍馬として徴用された沢山の馬の命も奪いましたが、
イギリス軍の100万頭の軍馬のうち、生き残ったのは6万頭だったという事です・・。
その熾烈さもちゃんと描かれていて、やはり胸に迫ります。
そのシーンは静かで美しかったり、激しい痛みを伴いながらもちゃんと見せてくれます。
ジョーイが追い詰められた時、戦地とは思えない光景に出くわし、
ちょっと韓国映画「JSA」を思い出させるシーンがあって観客を救ってくれます。
『奇跡の馬』と呼ばれた1頭の馬と少年の物語ですが、彼らを取り巻く人々とのドラマでもあり
ジョーイ役の馬たちの名演技もあって、温かな気持ちにさせられる作品です。
犬のアカデミー賞があるのなら、馬枠も作ってジョーイにもあげて欲しかったです