to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

やさしい嘘と贈り物

2012-03-17 01:26:26 | the cinema (マ・ヤ行)

原題 LOVELY, STILL
製作年度 2008年
上映時間 92分
監督:脚本 ニコラス・ファクラー
出演 マーティン・ランドー/エレン・バースティン/アダム・スコット/エリザベス・バンクス

オスカー受賞の名優マーティン・ランドー、エレン・バースティンと弱冠24歳にしてこれが監督デビューの新鋭ニコラス・ファクラーの奇跡のコラボで贈るハートフル・ストーリー。
アメリカの小さな町で孤独な毎日を送る老人、ロバート。ある日、仕事先のスーパーから帰宅した彼は、ドアが開いていて心配だったからと勝手に上がり込んでいた見ず知らずの女性メアリーに面食らいながらも、思いがけず心惹かれてしまう。そして、そのメアリーからいきなり食事に誘われ、年甲斐もなく舞い上がるロバート。デートでどう振る舞えばいいか戸惑うロバートに対し、スーパーの若いオーナーや同僚たちが様々なアドバイスを伝授する。その甲斐もあってか、2人の交際は順調に進み、みるみる距離が縮まっていくのだが…。

公開時にチラシを読んだとは思うんだけど、すっかり綺麗に忘れていて、
録画したものを、たまたま帰ってきた子供と一緒に鑑賞。
子供も全く予備知識なく観ましたので、やはり途中までは気づかなかったそう・・
これこそ、原題のままの方が観る側の予断を誘わなくていいのになぁ~。
とにかく、
パッケージすら見ないでご覧になることをオススメ。

マンネリ化した静かな生活に耐えられなくなっていたロバートに、
ある日親切そうな老婦人がデートに誘ってくる。

慣れないデートのリサーチを、スーパーのオーナーに頼んで、アドバイスも受けた。
ほのぼのとした温かいデートを重ねていく二人・・・

このデートシーンの会話がカワイイ♪

途中、ロバートが目覚める時に挿入される映像と効果音が、
貴方をだんだん不安にさせるまで、
無邪気に恋の訪れに喜ぶ隣人となって、
この二人を見守っていきましょう。。。

やがて知ることになるそれは、リアルでは不可能といえるでしょう。
それでも、素敵な物語ではあります。
そして、観る者にとってこの物語自体が優しい嘘の、ステキな贈り物なのでしょう
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忘れられない人

2012-03-16 00:59:23 | the cinema (ラ・ワ行)

原題 UNTAMED HEART
製作年度 1993年
上映時間 102分
脚本 トム・シエルチオ
監督 トニー・ビル
出演 クリスチャン・スレイター/マリサ・トメイ/ロージー・ペレス/カイル・セコア/ウィリー・ガーソン

“1990年代版「ある愛の詩」“と評された切ないラブ・ストーリー。
心臓に欠陥がある主人公C・スレイターは彼の働くカフェのウェイトレス、M・トメイに焦がれるが、彼女をじっと見守ることしかできない。だが、それが効を奏して、不良に絡まれる彼女を救けた彼は次第に打ち解け、彼女にだけは自分の秘密の世界を覗かせる。待ち受ける死の不安を一人で耐えてきた青年。恋にしくじってばかりいた少女は、やっと掴んだ幸福な恋が束の間に終わると分かって苦しむが、彼の闘病生活を共に闘うことで、女性として成長していく……。(allcinema ONLINE)

孤児院育ちのアダムは心臓に先天性疾患を抱えていたため、4歳まで誰とも触れ合えない隔離された生活を送っていた。
孤独な少年に、優しいマザー・カミーラはレコードをかけながらお話をしてくれた。それは・・・
アダムの心臓を治すために冒険家だった父親は魔法のルビーを奪いヒヒと戦って死んだけど、
そのことを知ったヒヒが自分の心臓をアダムにくれた。言わばアダムの心臓は
そのふたりからの贈り物だと・・信じて育ったアダム。

一方、恋愛の神様から見放されてばかりのキャロラインは、
勤めているダイナーの2人組の客に待ち伏せされて襲われるが、そこを同じダイナーで働くアダムに救けられ…
愛から逃げていたアダムと
愛を追いかけてばかりいたキャロライン
の人生が交わり――

好きな女の子を、じっと遠くから(そう遠くないことも)見守るだけの内気な純愛が、
少しずつ変わっていく過程も微笑ましい、王道のラブストーリー。
孤独で内気で心臓病・・・この設定のベタさが許せるクリスチャン・S.の一途な恋♪
「告発」「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」よりチョット前の作品ですね~。

一途な恋愛にありがちな、付け回し、ストーカー(だよね?)行為をも
キモーイとは言わせないマリサのキャロラインと、悪びれないアダムのクリスチャン
まあ、ドキッとはしますが(笑)
不器用で誠実な彼をまるごと受け入れるキャロラインにホッとするぐらい幸せになって欲しいふたり、、、


今回も脱ぎっぷりがいい(可愛い♪)マリサの香水のつけ方、浴びるといった感じが印象的でした!
内気で不器用なアダムの、「続きが・・・」が可笑しい、微笑ましい

アダムの大切な思い出の曲として使用されるのが"Nature Boy"
映画「緑色の髪の少年」の主題歌のピアノが、孤独だった彼の人生を語るように流れ、
儚く切ない物語に上手く使われています。

ラブストーリー好きの方にオススメ
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海辺の家

2012-03-15 01:14:55 | the cinema (ア行)

自分のものと誇れる“何か”をお前に残してやりたかった…
原題 LIFE AS A HOUSE
製作年度 2001年
上映時間 126分
脚本 マーク・アンドラス
監督 アーウィン・ウィンクラー
出演 ケヴィン・クライン/ヘイデン・クリステンセン/クリスティン・スコット・トーマス/ジェナ・マローン/メアリー・スティーンバージェン

自分の人生を見つめ直そうとする父と、息子の絆を描いたヒューマンドラマ。
建築事務所に勤めるジョージ・モンローは42歳の建築デザイナー。父親との確執が原因で、自分の息子ともうまくコミュニケーションがとれなかった。ついには妻にも逃げられ、上司との摩擦から会社もクビになる。挙げ句の果てに医者から余命3ヵ月との宣告を受けてしまう。再婚して幸せに暮らす妻。そしていまだに父を憎み続ける16歳になる息子。ジョージは初めて自分の人生に疑問を感じた。そして、昔からの夢だった自分の家を建て直すことを決意する。最後の夏、ジョージは反発する息子を無理やり手伝わせ、手造りの家を建て始めた……。(allcinema ONLINE)

近所付き合いもなくたった一人でイヌとのボロ家暮らしのジョージは、
CGが発達したこの時代にコンピューターを使わず、今だ手作りで家の模型を作っているアナログ人間。
しかしその仕事もクビになってしまったある日、突然倒れて図らずも癌の宣告を受ける。
その病院の付き添いの女性とのつかの間の触れ合いで、優しさを受けた彼は、
自分の孤独に過ぎた過去を思い知り、
残された僅かな時間で変えられる、変えなければならない一つの事に向かって行動を起こす―。

いい作品でした・・・。

冒頭、海辺の町の住人の紹介の仕方も、短く印象的に一枚の画に収められていく感じも、
みんながどこか傷ついたり、危ういバランスの上で生きているのを上手く映している。
だけど、そんなの何処にもにでもある風景でしょう~?みたいな。。。

仕事はしてきたものの、世捨て人みたいな覇気のない10年を送ってきたのは容易に想像できる42歳にしては老け過ぎなジョージ。
そのジョージと別れて、新たに子供2人にも恵まれて、何不自由なく幸せな生活を送っているはずのロビン。
二人の息子サムは16歳。新しい父にも馴染めず、本当にやりたい事を見つけられないで反抗期を迎えていた。

家族の想い出は、すなわち家の歴史―。
心の中にしこりとなっている古い、悲しい想い出を捨て去り、残された限りある時間で
自分の証となる「新しい家」を建てる。
それは自分の、これまで遣ってこなかった父親としての最良の選択だと信じて、嫌がるサムを強引に同居させ、たった一人で解体から始めるジョージ。

いままで無視していたくせに突然父親らしく振舞われても、「もう遅いよ」というあたり、
自分が足を踏み入れようとしていた道が、望んだものではない事に当然気づいていて、
罪悪感も持っている、ホントは不良ではないパンクなサム。
そんな彼を興味深くみつめる隣家の娘、アリッサとの触れ合いが少しクッションになり、
ランチを差し入れる口実でロビンまでが足繁く通ってきて…
古いものを取り壊し、新しいものをその手で立て直していく、元家族の肖像。

切羽詰らないと人間って、失ったものの大切さに気づかない。それは人であったり時間かも知れない。
それでも気づいたら、取り戻す努力はしよう!と思わせてくれる。
強いこころで。
涸れない愛情で―。


パンクな不良息子が、最初メイクの所為かヘイデンくんだと気がつきませんでしたが、
「スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃」のアナキンの前の作品。
この年頃のナイーブな表情がとってもいいです。「ジャンパー」などのアクション系じゃなく、こういうドラマの方が向いていると思うのですが。

ちょっと前に観た「モンタナの風に抱かれて」ではキツ過ぎて、綺麗なのに男性に見えてしまった
母親役のクリスティン・スコット・トーマス。このロビンも元夫にはきつかったけど(笑)
揺れながらも子供の手を離さない、悩める母親と妻の両方の顔をみせて、良かったです。

ちょっとした小さなすれ違いや不安が、取り返せない時間になる前に―
ふと立ち止まって、観て良かったと思える1本だと思います。
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シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム

2012-03-14 01:44:39 | the cinema (サ行)

もう一人の天才、現わる。
原題 SHERLOCK HOLMES: A GAME OF SHADOWS
製作年度 2011年
上映時間 129分
脚本 マイケル・マローニー/キーラン・マローニー
監督 ガイ・リッチー
音楽 ハンス・ジマー
出演 ロバート・ダウニー・Jr/ジュード・ロウ/ノオミ・ラパス/ジャレッド・ハリス/レイチェル・マクアダムス/スティーヴン・フライ/ケリー・ライリー

ロバートとジュードのコンビがシャーロック・ホームズ、ジョン・ワトソンに扮するアクション・ミステリーの第2弾。
19世紀末、世界各地で連続爆弾テロをはじめ不可解な事件が続発する。一見バラバラに思われたそれぞれの事件だが、名探偵シャーロック・ホームズは一連の騒動の裏に、高名な数学者にして天才的な犯罪者モリアーティ教授(ジャレッド・ハリス)の影を感じ取っていた。
しかし世界の一大事に、助手を務めるはずの親友ワトソン博士は愛する新妻メアリーと新婚旅行へ。ところが、そんな幸せいっぱいのところをモリアーティ教授に狙われ、ホームズの機転で間一髪救われる。やがてホームズとワトソンは、事件のカギを握る謎のジプシー女シム(ノオミ・ラパス)と協力し、モリアーティ教授の恐るべき陰謀を阻止すべく行動を開始する。


先ず本作は2年前に公開された前「シャーロック・ホームズ 」をご覧になってからの方がより楽しめます。
前作の最後でホームズは、背後にもっと大きな黒幕の存在をほのめかして続編の期待を持たせて終わったのですから
ご覧になれない方も、一応前作のキャストぐらいは頭に入れておかれるとすんなり入っていけると思います。

で、
やんちゃな天才ホームズと常識派で意外とタフなワトソン君のバディ・アクション。
前作より更にスピーディで迫力もアップ!面白かったです~

このところ世界中で発生している未解決の重大事件はすべてが繋がっていて、その黒幕こそが、ジェームズ・モリアーティ教授とホームズは断定。
女盗賊・アイリーン(レイチェル・マクアダムス)の残した糸を手繰りながら、
知能・腕力ともにホームズと全く互角の“もう一人の天才”を相手に
ロンドン、フランス、ドイツ──と、次々と襲いかかる危機を乗り越えて、ついに決戦の地スイスへ!

一見ハチャメチャな強気なだけの行動にみえるホームズの、天才度もアップしていますが、
今回は変装シーンも凄いっ!キミは幾つ見つけられるか?!的な(笑)
そしてもう助手とは云えない(ホントに嫌がってるのか~?)ジュード・ワトソンの活躍が増えているのも嬉しい!
ケンカしながらもイキの合った二人のコンビ。アクションも会話も最高にカッコイイです♪
この二人にプラス、ワトソンの妻、ホームズの兄が更にコミカルさを引き出していて楽しめる

ただ、前回から登場のアイリーン・アドラーのあと途中から行動を共にする占い師役のノオミ・ラパスは、どうしてもリスペットにしかみえなくてミレニアム」のイメージが濃い!
あんなにセリフも少ないんだったら、もっとアクの少ない女優の方がよかったのでは?と思いました。

ワトソンの妻役のケリー・ライリーは、地味な雰囲気ですが、こういうコスチュームものが多いですね。
ジョニーの「リバティーン」ではジェーン役、キーラの「プライドと偏見」でミス・ビングリー役と、派手さはなく陰に隠れた存在ですが、こういう時代のコスチュームがしっくりきます。
てか、昔より今のほうが柔らかな雰囲気でいいかも。

アメリカ映画ですが、イギリスの俳優が多いのもあってシャーロック・ホームズの世界を感じられるし、
ハンス・ジマーの音楽も19世紀のミステリーの香りいっぱい
後半は特にテンポが速くなりますが、起伏に富んだ展開で楽しめると思います
私は前作よりも面白かったです
コメント (24)
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平清盛 第10回

2012-03-12 23:11:18 | TV dorama

脚本 藤本有紀
演出 柴田岳志
制作統括 磯智明
音楽 吉松隆
語り 岡田将生
出演 松山ケンイチ/中井貴一/上川隆也/松田翔太/藤木直人/玉木宏/加藤あい/堀部圭亮/三上博史/檀れい/りょう/井浦新/山本耕史/加藤浩次/松雪泰子/阿部サダヲ/小日向文世
第10回 「義清散る」14.7%
うたげ以来、傷ついた待賢門院(檀れい)に接近した義清(藤木直人)であったが、義清と男女関係にある堀河局(りょう)は、あまりにも身分違いの恋は身の破滅を招くと義清に警告する。そんな折、待賢門院は息子・雅仁親王(松田翔太)をめぐって得子(松雪泰子)とつかみ合いのケンカをしてしまう。待賢門院の身を案じた義清は、その夜忍んでいくが、待賢門院の心が実は鳥羽(三上博史)にあることを知り…。

今回は主に、義清が世を捨て出家するに至る経緯(このドラマ中で)と、清盛との別れを描いたものでした。

得子(松雪泰子)は躰仁親王を次の帝にと鳥羽上皇に願い出るも、身分の低さで朝廷で反発されるのがオチだと
素気無く却下されてしまうが、
それならと、藤原忠通に接近、子供のいない崇徳天皇の養子に据えるべく接近。

そんな中雅仁親王と得子がかるくバトル中に、運よく璋子ちゃんが通りかかり、得子の悪口は許せないとばかりにはしたなくも掴みかかってしまい、宮中の噂の種に。
そこで、きっと璋子ちゃんが傷ついてるっ!ボクがお救いせねばッと平安のプレイボーイ義清、
仕事も早引けしてさっそうと璋子ちゃんの元へ

ところが璋子ちゃん、義清など眼中になく、取り払われたはずの水仙をみつけて恋する乙女状態。
え”--!!えぇぇぇーーーーっ!! と、
ちょっと義清がKYな「ヤング≒アダルト」のメイビス状態じゃないかぁ~?!
女に振られることに慣れてなかったのか、璋子ちゃんが想っているのは水仙=鳥羽と気づき
トンデモな行動に!――まぁ、駆けつけた清盛のおかけで大事には至りませんでしたが、
退散する姿はしっかり細かい男(by清盛)頼長に、目撃されちゃって、、、

頼長は早速粛清しよーよと鳥羽上皇の前に義清を召し出します。
その頃、清盛は璋子ちゃんに自分がやったことにしてくれと頼みに行ってたんですね~。
後先を考えず、ただ才能ある友を救いたいが為の行為でしたが、必要ありませんでした
鳥羽上皇ったら、あんなに関心があったくせに、前日堀河局にキツイこと言われちゃったから
その時現れた璋ちゃんを横目に「咎めるようなことは何も起きてはいない」
璋子ちゃんが誰と何をしようと最早私の心にはさざ波ひとつ立たぬゆえとか言っちゃって強がります。

解ってなかったのはボクだった・・・
で、清盛の説得も虚しく
「いかなる世においても、美しく生きることが私の志だ。私には、醜さにまみれて生きる覚悟はない」
義清は、可愛い娘を足蹴り。未練を残さぬようにとの行為でしょうが、
しがみ付いた訳でもない娘、義清の表情のみで別れを演じる難しいシーンとなりました。


そしてサクラの花の下義清の髪も散るわけですが―、
身を捨つる 人はまことに捨つるかは
    捨てぬ人こそ 捨つるなりけれ
 詠み人知らずですが西行が詠んだと言われる
この和歌は、それまでの清盛とのやり取りの後に選ばれた歌としてどんぴしゃでしたね。
――俗世をすてて形だけ出家となった人が、本当に浮世を捨てたのではない。
だってある意味、俗世に残っている方が、却って、形式的に出家した人よりも真に世を捨てたことになるのであるから―。

でもしかーし!                   
毎回の西行の一首をどれだけの人が楽しみにしてるのか、解らないけど、
今回殆ど義清と璋子ちゃんの恋バナに終始した感あり。
そろそろちゃんと"清盛の物語"という脚本に立ち返って貰いたいです
まぁ、来週はやっと清盛邸でのお話がメインになるみたいですが、
スタジオのセットの関係もあるとはいえ、(キャストも王家関係が多い)あまりにも
温かな武士パートにくらべて、ドロドロ朝廷&璋子ちゃん関連が長すぎてうんざりしてきた~。

で、来週は清盛パパの試練の篇、ですね。
久々に恭子ちゃん登場となります!(私がスタジオに行った時のシーンです
楽しみです~~~
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ライアーゲーム -再生-

2012-03-12 19:10:40 | the cinema (ラ・ワ行)

ようこそ、禁断の“イス取りゲーム”へ――
製作年度 2012年
上映時間 131分
原作 甲斐谷忍
脚本 岡田道尚/黒岩勉
監督 松山博昭
音楽 中田ヤスタカ
出演 松田翔太/多部未華子/芦田愛菜/江角マキコ/高橋ジョージ/濱田マリ/要潤/川村陽介/新井浩文/野波麻帆/小池栄子/前田健/鈴木一真/鈴木浩介/渡辺いっけい/船越英一郎

人気漫画原作のテレビドラマ「ライアーゲーム」に続き、大ヒットした劇場版『ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ』の続編。新たに多部未華子をヒロインに迎え主演の松田翔太以外の出演者をほぼ一新し
天才詐欺師秋山(松田翔太)の奮闘により、出資者たちが多大な打撃を受けたファイナルステージから2年が過ぎていた。すべてが終わったように見えたライアーゲームだが、事務局は再度復活を果たし、今回は総額20億円をかけて20人のプレイヤーが争う「イス取りゲーム」を用意する。彼らはどうにかして秋山を潰そうと狙いを定めおり……。

ライアーゲーム ザ・ファイナルステージから2年後のお話ですが、
今回も、シリーズをご覧になっていなくても、単独の作品として楽しめると思います。
テレビ版からのキャストも数人登場しますが、
過去に秋山とどう関わっていたのかの説明はなされませんが、そこは余り重要ではなく、
スルーしていってもなんら問題ない部分。
言い換えれば、さして今回必要の無い挿入の仕方ともいえるからです。

さて今回、押し付け恐怖の招待状を貰ったのは、この日めでたく大学の卒業式を終えたばかりの篠宮優(多部未華子)。
前回まで秋山に甘えたり泣きついたりのウザキャラ、でも笑っちゃうくらいのお人よし「バカ正直のナオ」はもういません。
代わって今回のヒロインは、そこそこ普通にそこら辺にいる女の子って感じかな~。
天然っぽい役がお似合いの多部チャンが敢えての普通の子。なので、却って読み難かったのは成功してるかも?

で、他のメンバーもキャラ被りなく、案外人数の割りに覚えやすいです。
20人総出の「イス取りゲーム」は初回のみ。で、ここは早々に秋山クンが、
このゲームの攻略のツボを解説してくれちゃいます。

イスが取れずに失格となった者でも、一回毎の親を決める際の投票権はあり、
その投票で勝った人が次のゲームで消すイスの番号を指名出来る。ので、
やはり生き残った人にとって、失格者の票は大事なモノとなります。
メンバーは変わってもライヤーゲームは協力し合うゲーム。という所は同じ。
なので、毎回観ている人にとってはマンネリとも取れるゲーム展開。秋山は勝つに違いない(?)

だからこそ、騙されないで
秋山君が、いつ仕掛けるのか?狙いは誰なのか?

相変わらず全ての行動を見せてくれるわけではないし、知らぬ間に「・・・しておいたんだよ」みたいな事もあるけど、
それは大局的見地から外れている部分で問題なし。
大事な仕掛けは隠されてません。
まぁ、結末は予想できるけど、もう一つの仕掛けはまんまと騙されました~σ(゜Д゜*)  
これは観客も参加者として、他の参加者の心理を読み解き、ヒトを読み解くとともに、
シンプルなゲームのルールを覚え、秋山国の一員となって参加するのが正しい観方かと思います
そうすれば、ヤラレタ感もどこか気持ちイイ感じで帰れると思います

あ、そうそう
今回もエンドロールの後にちょっといつものオマケがありますよ。

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あの日を忘れない

2012-03-11 14:18:30 | Weblog


冥福祈り、政府がきょう追悼式=午後2時46分に黙とうへ―
<東日本大震災>今なお34万人が避難生活 11日で1年
各地で追悼式=避難者数34万人、減少せず―東日本大震災、11日で1年
被災中学で卒業式 遺族に「証書」
<東日本大震災>「復興難しい」過半数 被災者アンケート

1年前のあの日
最初の地震は我が街の中心部で、あれほどの揺れに建物から飛び出してきた何千という人、人。
それでもその間、車も人も鳴りを潜め全くの無音状態に見えました。
そうなんです、ビデオをスロー再生しているような、音が消えた記憶なんです。

そして賑やかなその繁華街からは明かりも消え、
1年経った今では、一見元に戻ったかのようですが、
あちこちにシャッターが下りたままの店舗があり、街の明るさも以前の7割といった感じです。
それは今尚続く、企業・店舗の節電もあるからですが。

遠く離れた関東ですらこんな状態。
それは地震のジワジワとした余波だともいえます。長引く不況に体力が持たなかったのかも・・。

家を流され家族を失い、会社も無くなり仕事を失い、
学校も病院も本来の姿とは程遠い状態のまま、被災地に流れたこの1年という時―に想いを馳せ、
あの日被災された多くの方に祈りを捧げたいと思います。



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リトル・ダンサー

2012-03-10 23:49:49 | the cinema (ラ・ワ行)

原題 BILLY ELLIOT
製作年度 2000年
製作国・地域 イギリス
上映時間 111分
脚本 リー・ホール
監督 スティーヴン・ダルドリー
出演 ジェイミー・ベル/ジュリー・ウォルターズ/ゲイリー・ルイス/ジェイミー・ドレイヴン/マシュー・トーマス/アダム・クーパー[ダンサー]

バレエ・ダンサーを目指す少年の姿を描いたS・ダルドリー監督の長編第1作。
1984年、イギリス北部の炭坑町。11歳のビリーは炭坑労働者のパパと兄トニー、おばあちゃんと暮らしていた。ある日、ビリーの通うボクシング教室のホールにバレエ教室が移ってきた。ふとしたことからレッスンに飛び入りしたビリーは、バレエに特別な開放感を覚えるのだった。教室の先生であるウィルキンソン夫人もビリーに特別な才能を見出した。それからというものビリーはバレエに夢中になるのだが……。

折からの相次ぐ炭鉱閉鎖。ビリーの住むダラム州の町でもストライキ中で、町ごと不況の真っ只中。
炭鉱の町で生まれたからには炭鉱夫になるのが当然とばかりに、ビリーの父は苦しい中から
ボクシングジムの月謝を渡して、練習する彼を監視(笑)
どうも、見るからに繊細な次男を、逞しく育てたい男心なんでしょうが、
そんな父の想いを受け止めてはいるものの、痛いし(笑)好きになれないのはしょうがない。
そこにバレエが飛び込んできて、殴り合い以外で感情を発散できることに喜びを見出していくビリー。

炭鉱の町で、自分同様にちょっと浮いてる同級生のマイケルにだけは知られてしまったけど、
彼はどうもビリーがバレエに熱中することが寂しいだけで、理解してくれてるみたい。
このふたりのイジイジしたシーンが可笑しくてスキです(笑)

パパに似て男らしい兄貴にも、怖いパパにもシューズの隠し場所に気を使いながら、
バレエの本を見ながらダンス漬けになっていくビリーに、
ウィルキンソン先生も個人レッスンで熱を入れてくれオーディションを目指すも、
パパにバレて教室通いを禁じられて―・・・
そのストレスがまたビリーのバレエへの情熱がホンモノだという証にもなる場面が訪れます

でも、知らないから反対していただけで、
ビリーのパフォーマンスをみたパパはすっかり変わるんですが、
この辺りも説明的でなく、さくさくした流れの中にも肉親の愛情が感じられて良いです♪
そしてあわやこのままかと思いきや、ロイヤル・バレエ学校のチャンスを掴みにいくのですね

撮影当時13歳だったというジェイミー・ベルくん。6歳からダンスをやっていたというだけあって
その上達の過程をリアルに演じていました。

当時英国民の関心を集めていた炭鉱ストを絡めたストーリー展開は、
日本の炭鉱の閉鎖から見事に「フラガール」を生んだあの兄妹を思い出させますし、
イギリス制作ということで、ロックの名曲も使用されて効果的
臨場感あるストライキ行動の群集シーンは、地元の元炭鉱夫の方たちがエキストラ参加というだけあってかなりの迫力があります♪

観終わった時、ちょっと「キンキーブーツ」を思い浮かべました。なんとなく、ちゃんと生活臭があってエネルギッシュで
どこか揺るがない希望のようなものを与えてくれるからでしょうか。
やっぱイギリス制作の作品って、好きかも~

今後の放送~IMAGICA BS
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名もなきアフリカの地で

2012-03-08 23:47:45 | the cinema (ナ行)

よろこびも、かなしみも、この大地が教えてくれた。
愛するもの、すべてがここにある。

原題 NIRGENDWO IN AFRIKA/NOWHERE IN AFRICA
製作年度 2001年
製作国 ドイツ
上映時間 141分
原作 シュテファニー・ツヴァイク
脚本:監督 カロリーヌ・リンク
出演 ユリアーネ・ケーラー/メラーブ・ニニッゼ/レア・クルカ/カロリーネ・エケルツ/マティアス・ハービッヒ/シデーデ・オンユーロ
1938年4月、少女レギーナと母イエッテルはナチスの迫害を逃れるため、故郷のドイツを後にし、先にケニアに渡っていた父ヴァルターのいるロンガイの農場へとやってきた。ドイツでは弁護士をしていたヴァルターもここでは農場で働く一介の労働者。予想を超える過酷な生活に、お嬢様育ちのイエッテルは耐えられず弱音を吐いてばかり。一方ヴァルターは、欧州情勢の悪化に、残してきた父や妹の安否が不安でならない。そんな2人を尻目に、レギーナは料理人のオウアやケニアの子どもたちとすぐに仲良くなり、アフリカの大地でたくましく成長していく…。

既に祖父は経営していたホテルを没収されていたが、この時はまだ必要最小限の荷物を持って
ドイツから脱出できると、元弁護士の父から呼ばれて母と共にアフリカの地に降り立った、少女レギーナの目線で語られるユダヤ人一家の10年間。
2002年度のアカデミー最優秀外国語映画賞を受賞した本作は、原作者シュテファニー・ツヴァイクの自伝を元に映画化されたそうで、
レギーナが原作者なのですね。

自伝とはいってもまだ就学前の幼い少女の目に映った両親の関係が、どの程度正確な記憶なのか、
或いは映画用に脚色されたものか・・?
このポスターを見る限り、レギーナの物語のようですが、実は母イエッテルの自分探しの物語だったように思います。

母国ドイツにおいて、生活に余裕がある時には優しい母だったイエッテルは、
実は差別主義者であり、生活に必要な冷蔵庫を買うお金で(アフリカに住むというのに)高価なドレスを買っていくような、無知で身勝手な女性だった。
都会で何不自由なく暮らしていたのは夫も娘も同じ。
それでも「肉が食べたい!」と癇癪を起こす、無い物ねだりを口にする母イエッテル

ドイツを発つ前にヴァルターの父はイエッテルに「より愛している方が弱い」と意味深な言葉で送り出します。
「息子は心からキミを愛してる」って、、この祖父は「解って」いたんですよねぇ。。。
どこがいいのかワカラナイこのイエッテルを、
突き放されても愛し続けるヴァルターも、アフリカでやはりよそ者だと感じていて―

夫婦は到着初日からすれ違いをみせていて、
子供がいるのに親としての愛情も気配りもないイエッテルには魅力を感じないのですが、
料理人のオウアに"小さなメンサブ(奥さん)"と呼ばれた最初の出会いから心を開いたレギーナとオウアの関係がとても優しくて救われます。

この夫婦の関係は、イエッテルの感情によってグラグラと危ういものになったり、
弁護士に戻って、家族にも祖国にも必要な仕事をしたいと心に秘めるヴァルターの孤独を深めることになるんです。
特に、自分にはこのイエッテルの、夫の友人に向ける最初から媚びたような視線が理解できず…
埃っぽいアフリカでの夫はダメで、初めて会ったアフリカに馴染んだ男なら良かったの?

それからこの夫婦が諍いを繰り返す度に、コレでもう修復不可能か?と思いきや、
イエッテル主導でくっついたり・・という部分もイマイチ解り辛いこの女性。
ヒトは変わるものだけど、いつも利己的で大人になれない彼女が後半娘に言う
「誰もが同じだと思うのは愚かなこと」とか
「違いにこそ価値がある」
って言っても、ちょっと白々しく思えてしまいました。

そんな両親の不仲を知りつつ、アフリカの寄宿学校で差別を受けようとも
すくすく素直に成長するレギーナがとっても可愛い♪

戦争が終わり、このままケニアに残りたいという妻とドイツ再建に貢献したい夫、
ここでもすれ違う二人でしたが、いかにナチスが滅びても、
見知らぬドイツ国民が全て敵に回ってしまったユダヤ人の心理としては、複雑な帰郷に違いなく、
ここは列車の他の帰国するユダヤ人家族の表情とも理解出来る場面でした・・・。

別れの日、小さなメンサブに、二人(両親)を支えて導くよう言葉をかけるオウアの言葉が温かく、
この二人の微笑ましい姿があったので、141分という長い作品を最後まで見続けられたと言えます。
2002年度のアカデミー最優秀外国語映画賞を受賞ということですが、
評価も好みも分かれる作品だと思いました。

これからBSで録画、視聴した作品を少しずつアップしていけたらなぁ~と思っています。

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恭子ちゃん情報

2012-03-08 12:36:49 | Heart pink

3/22(木) 20:00~21:30 NHK BSプレミアム
歴史ミステリー 平清盛の夢
~海上神殿・厳島神社の謎を追う~

平清盛が造営した世界遺産「厳島神社」。清盛はなぜ、どのようにして史上類のない壮大な海上神殿を築いたのか。大河ドラマで清盛の妻・時子を演じる深田恭子をナビゲーターに、最新の学説、中国ロケ、精緻なCGを織り込んで謎に迫っていく。


嬉しいけど・・・
NHK総合でやって欲しかったな~。
どうしてもBSって忘れがちで怖いです。近くなったら再度お知らせします。



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戦火の馬

2012-03-07 21:36:01 | the cinema (サ行)

原題 WAR HORSE
製作年度 2011年
上映時間 146分
原作 マイケル・モーパーゴ
脚本 リー・ホール /リチャード・カーティス
監督 スティーヴン・スピルバーグ
音楽 ジョン・ウィリアムズ
出演 ジェレミー・アーヴァイン/エミリー・ワトソン/デヴィッド・シューリス/ピーター・ミュラン/ニエル・アレストリュプ/トム・ヒドルストン/パトリック・ケネディ/デヴィッド・クロス

1982年にマイケル・モーパーゴが発表し、舞台版は第65回トニー賞で5部門に輝いたイギリスの小説を巨匠スティーヴン・スピルバーグが映画化
第一次大戦前夜のイギリス。農村の小さな牧場で一頭の仔馬が誕生する。その仔馬は貧しい農夫テッドによって競り落とされ、少年アルバートの家にやってくる。そしてジョーイと名付けられた仔馬は、アルバートの愛情を一身に受けて、賢く気高い名馬へと成長していく。しかし戦争が始まると、アルバートが知らないうちにイギリス軍へ売られてしまうジョーイ。やがて、ニコルズ大尉の馬としてフランスの前線へと送られたジョーイは、ついにドイツ軍との決戦の時を迎えたのだったが…。

原作は30年前の、イギリスでは児童文学としてヒットしたんですねぇ。
映画を観た今、これを舞台で上演したとか、どんな演出~?!ってビックリですよ!
戦争に運命を弄ばれた賢い馬と、その馬に愛情を注ぎ続けた少年の、4年に及ぶ苦難の物語、
CGに頼らない自然の美しさ、残酷さもあり、
何より見とれるぐらい美しく賢いジョーイ!!素直に良かったです

実は少年アルバートは、ジョーイ誕生の瞬間から心惹かれていたんですね。
でも貧しい家では買えるはずも無く、ただ仲良くなりたくてみつめていたのに、
父親のテッドがその素晴らしい馬を大金はたいて買ってきて、
まだ調教もされていない暴れ馬が、アルバートのかけがえの無い存在になっていくのですが、
もう、この段階からこのジョーイが名演技♪
追い詰められたテッド一家の窮地を救う場面で、その演技力を先ず見せてくれます


やがて英国は第一次世界大戦に突入し、
まだ少年のアルバートに如何することも出来ない愛馬ジョーイとの別れが訪れ――

そしてこれより、親(アルバート)離れをしたジョーイ目線でドラマは語られていきます。


最初にジョーイを競り落としたのは、馬を大切にするイギリス人将校でしたが、それから
ドイツ軍を脱走した幼い少年兵の兄弟、両親を亡くし祖父と暮らすフランスの少女、そして
幾つもの出会いと別れを繰り返し、ジョーイは戦地を流れ歩くことに、、。

軍馬としてその過酷な旅を共にする、心強い黒馬トップソーンとの友情と別れ、
絶対絶命のピンチが幾度か訪れる度に、母馬になった気持ちで祈らずにいられない!

戦争は当時たくさんのヒトの命も奪い、同時に軍馬として徴用された沢山の馬の命も奪いましたが、
イギリス軍の100万頭の軍馬のうち、生き残ったのは6万頭だったという事です・・。
その熾烈さもちゃんと描かれていて、やはり胸に迫ります。
そのシーンは静かで美しかったり、激しい痛みを伴いながらもちゃんと見せてくれます。

ジョーイが追い詰められた時、戦地とは思えない光景に出くわし、
ちょっと韓国映画「JSA」を思い出させるシーンがあって観客を救ってくれます。
『奇跡の馬』と呼ばれた1頭の馬と少年の物語ですが、彼らを取り巻く人々とのドラマでもあり
ジョーイ役の馬たちの名演技もあって、温かな気持ちにさせられる作品です。
犬のアカデミー賞があるのなら、馬枠も作ってジョーイにもあげて欲しかったです
コメント (18)
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平清盛 第9回

2012-03-05 22:16:02 | TV dorama

脚本 藤本有紀
演出 柴田岳志
制作統括 磯智明
音楽 吉松隆
語り 岡田将生
出演 松山ケンイチ/中井貴一/上川隆也/松田翔太/藤木直人/玉木宏/加藤あい/豊原功補/大東駿介/堀部圭亮/三上博史/檀れい/りょう/井浦新/山本耕史/加藤浩次/松雪泰子/阿部サダヲ/國村隼
第9回 「ふたりのはみだし者」13.4%
1138年、平清盛(松山ケンイチ)と妻・明子(加藤あい)の間に長男・清太(後の重盛)が生まれた。祝宴でにぎわう清盛邸にかけつけた弟・家盛(大東駿介)と清盛は和やかに酒をくみかわす。
一方朝廷内では、待賢門院璋子(檀れい)の産んだ皇子たちの間に深い溝ができていた。父・鳥羽上皇(三上博史)に疎まれ続け、子もいない崇徳天皇(井浦新)は孤独感にさいなまれていた。それを横目に、弟・雅仁親王(松田翔太)は、賭場をうろついたり今様に熱中したりと、気ままな毎日を過ごしていた。
そして得子(松雪泰子)が鳥羽上皇の皇子を産み、御所では男児の誕生を祝う宴会が開かれ、義清(藤木直人)は、この場にいない崇徳天皇の歌を詠んだ。弟の誕生も祝うことができない崇徳帝の気持ちを代弁したのだ。
宴席に緊張が走ったそのとき、雅仁親王が笑い声とともに宴会に乱入し・・・


今回はのちに後白河法皇として清盛の行く手に立ちはだかることになる雅仁親王との出会い、
乱れた愛憎渦巻く王家と対照的な平家の家族愛が描かれるとともに、
清盛と同世代の人物の今後を予感させる内容、良かったです!

清盛に男子が誕生し、我がことのように祝ってくれる家人に思わずうるうるの清盛新米パパ。
生まれたばかりの清太を抱いて思わずつぶやく清盛の、
「血の繋がったオレの子じゃ・・・」に、早くもやられてしまいました。
愛されて育ったとはいえ、平氏の誰とも血が繋がっていない清盛の、
それこそ心の底から湧き出たつぶやきに聞こえました。



誕生祝に駆けつけた祇園女御は、清盛が幼き頃に一緒に遊んだ双六(すごろく)をプレゼント、
サイコロの目次第では出後れた者が勝ち上がることもあると清盛に暗示的な言葉を残すのですね。

で、"出後れて"いる関東の義朝にチャンス到来、、ですが、
ちょっとこの三浦家の申し出の場面は端折り過ぎで唐突だわ

さて、穏やかで温かな清盛邸の酒席のあと展開される御所の宴席―。
思いがけず波乱の口火を切ったのは、この席に本来居て然るべき崇徳天皇の孤独を知る義清。
それをきっかけに噴出する鳥羽上皇をめぐる、得子VS璋子の確執。嗤う藤原摂関家。
得子の 「何もかも失わねばこの女は目を覚まさぬのじゃ!」に凍りつくおじゃるまるたち
それを受けての璋ちゃん、トシのせいか今回はいろんな意味でお弱い
そこに高笑いの雅仁親王が乱入、王家のどろどろはマックスに
祇園女御の云う、法皇様の撒き散らした災いの種が芽をふき、花をつけようとしているのです。


この朝廷の宴の席の、誰一人として御子の誕生を心から祝っていない。
こんな連中にわが国は治められている――ことに改めて失望する清盛。

その後またしても姿を消した雅仁親王を賭場でみつけ家に連れ帰ると、双六の勝負を挑まれ、
負けた者は勝った者の云うことを何でもきくというものであった筈が、
清盛の一振りを残して、そこに現れた清太を自分が勝てば貰うと言い出す、きかん坊雅仁たん。
清盛が拒み続けていると、カンタンに清たんが勝ちの目をーーっ

癇癪を起こし清太に向かって台を投げようとする雅仁に剣を突きつける清盛
そんな清盛に親子の絆などもろいものよと、いうのですが
平氏は王家とは違う!と返す清盛に「いつかお前にも流れている白河法皇の血が騒ぎ出す」と、
まるで呪いのようなセリフを残すのです。
二人にとっての、この後の長い双六遊びの始まりでした・・・


それにしても義清さん。孤独な崇徳天皇の為にカレの歌を披露したはずが、
そのカレの生みの親(璋ちゃん)の方までお慰めに行ってしまうとは、かなりの自信家。
義清にとって美しきものとは、どこか頼りない、空虚なものなのか、ヤバイですよね~、ダブル不倫

この王家のドロドロ劇も、家族で観れない要因となっているのでしょうか、
はたまた一般に浸透していない平安時代の朝廷の複雑な系図のせいでしょうか、視聴率は低迷しています。
ですが、あんまりにもアレだった昨年大河の視聴率とかを思うと、
やはりドラマの内容の面白さと視聴率は必ずしも比例しないと改めて思います。

さて来週は、念願の皇子を得て動き出す得子さまと、暴走する親友義清、
親となりようやく大人の顔を見せてきた清盛は次回、どんな成長を見せてくれるのでしょうか。
来週も楽しみです♪

大河ドラマ平清盛「恋ひしきに~“清盛”で描かれるそれぞれの愛」
3/07(水)11:45~11:55 【NHKBSプレミアム】
3/08(木)11:20~11:30 【NHKBSプレミアム】
↑ネタバレ部分もありますので、今後が楽しみになる綺麗な映像です

コメント (2)
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今夜は「清盛」~♪

2012-03-04 14:10:08 | Weblog



いよいよ雅仁親王(松田翔太)登場で、
しかも得子が念願の皇子を出産、ということで、
またもや王家パートのどろどろが描かれるのですね・・

貴族パートが好きな方とか、私のように武士パートが好きという人には
ちょっと小休止の回になるのか?
それでも
この時代のフクザツな家計図の裏に芽生えている多様な花、
どこか似て非なる二人のはみ出し者に注目の回です~!


松田翔太クンのこの衣装がまた、ひな祭りのイベントにぴったりだこと
「平清盛」今夜8時から、楽しみです!!
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ヒューゴの不思議な発明

2012-03-03 22:15:07 | the cinema (ハ行)

原題 HUGO
製作年度 2011年
上映時間 126分
原作 ブライアン・セルズニック『ユゴーの不思議な発明』(アスペクト刊)
脚本 ジョン・ローガン
監督 マーティン・スコセッシ
出演 ベン・キングズレー/ジュード・ロウ/エイサ・バターフィールド/クロエ・グレース・モレッツ/レイ・ウィンストン/エミリー・モーティマー/クリストファー・リー/リチャード・グリフィス/サシャ・バロン・コーエン

世界各国でベストセラーとなったブライアン・セルズニックの小説を原作に、父親が残した機械人形に隠された秘密を探る少年の冒険を描く。マーティン・スコセッシ監督が初めて3Dに挑んだ本格ファンタジー。
1930年代のパリ。駅の時計台にひそかに住む孤児の少年ヒューゴ(エイサ・バターフィールド)の唯一の友達は、亡き父が残した機械人形だった。壊れたままの人形の秘密を探る過程で、彼は不思議な少女イザベル(クロエ・グレース・モレッツ)とジョルジュ(ベン・キングズレー)に出会う。やがてヒューゴは、機械人形にはそれぞれの人生ばかりか、世界の運命すらも変化させてしまう秘密があることに気付き……。

少年と機械人形と少女が織り成す冒険ファンタジーだと思って、楽しみに行ってきました。
が、蓋を開けてみれば、、、途中から主人公が交代したかのような展開に。

目が弱いので2Dでの鑑賞でしたが、(ココが3D的見せ場か?)とか、
想像しながら楽しみましたが、
疲れていたためか、中盤のまどろっこしさに3度も意識がぶっ飛びました

1930年代のフランス駅構内の時計台に隠れ住み、時計の整備と父の遺した機械人形の修理をして暮らす
孤独な少年。ある時、おもちゃ屋の主人に捕まり、大切な父のノートを取り上げられてしまう。
諦めきれない少年は老人について行き、彼の養女のイザベルと言葉を交わすようになるが、
この少女との出会いが、その後の彼の人生のカギを持っていたともいえる。

ところが、物語は急展開。
冒険は彼の生活圏の日常であり、謎は結構カンタンに解け、
あれほどこだわり探していたはずの父の手帳の存在はどこかへ―。
代わりに出てきたイラストから、映画創成期の実際の人物のエピソードへとシフトしていくのです。

まあ、コレも原作ありきなので仕方がないとはいえ、
それまでの少年の孤独もどこかにいってしまうジョルジュ・メリエスのフォーカスには
十分スコセッシ監督の映画にかける愛情を見せ付けられましたが、
一つの映画に2人の主人公の、途中交代か?という違和感が最後まで残りました。

映画を愛する大人の為の映画というにはその案内人ヒューゴが、
なんだか家なき子的描かれ方で童話的だし、前半の追いかけっこもじゃあ、要らなかった?みたいな感じさえしました。
途中「リトルランボーズ」を思い出したり「ニュー・シネマ・パラダイス」を思い出したりしながらでしたが、
予告で感じた興奮は冷め、どこか肩透かしの作品となりました。
原作タイトルにもついている"発明"は、映画では帳尻合わせのように登場してました。

それにこういう作品に、サビシイ頑な老人のツンデレはパターン化してるとはいえ、
よく考えると、このパパ・ジョルジュって、子供に厳し過ぎたりも、
心を開くきっかけにしても、かなり自己中でした
(笑)だから唐突に豹変~

2Dでも十分に映像は素晴らしかったですが、2時間あのメガネが苦痛でなければ
3Dの方が楽しめる作品だと思います。ストーリーより映像美。
子供向けというよりオトナのノスタルジーを感じる作品。
要らない部品など一つもないというメッセージは良かったかな♪でも誰向けのメッセージ?大人?

アカデミー賞5部門受賞でしたが、私的満足度を☆にすると3というところです。
コメント (12)
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とんび 再放送

2012-03-02 23:59:22 | Weblog

↑ 画像クリックで公式サイトに跳びます

今年1月に放送されたNHKスペシャルドラマ「とんび」が再放送されます。
見逃された方は是非。


3/4  <前編> BSプレミアム 午前11時~

3/11  <後編> BSプレミアム 午前11時~ 
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