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イエス・キリストの福音をぜひ知って頂きたい

弟の想い 母の想い

2012年01月12日 | 

  最近は、弟の遺品の整理に追われている。
弟の手帳に、「新聞の切り抜き」が挟んであったのを見つけた。
弟が大病から回復して高校に通い出した時の気持ちを母(50歳)が
「留年」という題で新聞に投書し採用されたものだった。
弟はこの「切り抜き」を、毎年、手帳から手帳へ移し替えて大事に保管していたようだ。
もう、この「切り抜き」は、だいぶ傷んで黄色くなっていた。

 「留年」

 三月に入り県下の高校で卒業式が行われています。
私の三男も今年この日を迎えるはずでしたが・・・・・。
一昨年の八月突如ギランバレー症候群にかかり、一年間の入院生活。
一口に一年というものの、循環器麻痺のため、人工呼吸器を四カ月間つけたまま、
全く手足も動かず、ベッドで体位を変えるのにも二、三人の手を借りねば出来なかった日々。
それは今思い出しても気が遠くなるようです。
 一年ぶりに足に装具をつけ、松葉づえをつきながら一歩々々自分自身で病室を歩いた時は、
目の前がパッと明るくなり、何か信じられぬものを見る心地でした。
 一年有余療養のかいあって、去年の二学期から復学。
運動の方はまだ出来ませんが、毎日がんばって通学しています。
すでに進路のきまった、かつての同級生のことを
まるで我がことの様にうれしそうに話している子供を見るにつけ、
一年間の闘病生活で得た数々の体験が、この子の人生に何かしら
大きな教訓を与えてくれたと喜ぶのは親バカのせいでしょうか。
「期末テストの点が良くないから、この調子だと一年でなく、二年留年になるかも」
と笑いながら今朝も元気で出かける子供のうしろ姿に、そっと声援を送る私です。

 ぎこちなき 足踏みしめて 行く道の 草むらにやわき フキのトウ萠ゆ