ヨハネの黙示録3:11
わたしは、すぐに来る。あなたの栄冠をだれにも奪われないように、持っているものを固く守りなさい。
山頂めざして L・B・カウマン著より
ある秋の日、私は、一羽のわしがライフル銃で撃たれて、瀕死の傷を受けているのを見た。
わしの目は、まだ光の輪のように輝いていた。
やがてわしは、ゆっくりと首をもたげて、もう一度、探るようななつかしそうなまなざしで、
大空をながめた。わしは、この星をちりばめた大空を、その強い翼で、幾度も幾度も翔ったのだった。
美しい空は、わしの心のふるさとだったのである。空はわしの領域であった。
わしは、その大空で、自らのすばらしい力を存分に用いた。
限りない高空において、わしは、稲妻と戯れ、風と競争したのであった。
そして今、故郷からはるかに離れたこの地上に横たわり、死のうとしている。
それは、ただ一度だけ、自らの身分を忘れて、低く飛びすぎたからなのである。
ただ一つの行為が
人生をだいなしにするかもしれない。
また、ただ一つの行為が
人生を建て直すかもしれない。
たとえば運転ミス、これで命が一瞬にしてなくなることもある。又一時の誘惑に負けて罪を犯し、人生をだいなしにすることしもある。