ギオを中心とした膵疾患読影のポイント
これは、1999年に日独医報の特別号で、膵臓の血管造影から見た、様々の膵疾患の鑑別についてまとめて欲しいとの内容を任されて、編集したものです。
膵癌の診断には、ダイナミックCT、ダイナミックMRIによる診断が必要ですが、その検査が一般的でなかった25年前には、血管造影による検査が必要でした。
膵臓腫瘍の既存の動脈の浸潤度(encasement)、染まり具合(腫瘍濃染)を5段階スケールに分けて、図表の上での診断の視覚化を試みました。
要約しますと、高分化型管状腺癌は、最も浸潤度強く、染まらずで、図表の右下に来ます。
膵腺扁平上皮癌、退形性膵管癌、膵腺房細胞癌、膵癌肉腫様変化は、膵乳頭腺癌は、似通っていて、少しの浸潤と少しの濃染があり、図表では、左下目に分布します。