
海岸には、さまざまなものが打ちあげられる。
主に研究や趣味を目的として、それらを拾い集めている人を磯乞食( beachcomber )とよぶ。
というよりも、自称しているというべきかもしれない。
昔は「磯まわり」は生きるための手段のひとつであった。
大雨で山から海に流され、打ち寄せてきた木は建築材料や燃料になるし、
シケた次の日には、クロダイ・イカ・貝・海藻などが打ち上げられる。
漂着物には、深海の不思議な生物や異国から流れてきたものも含まれている。
現在、海岸には中国文字やハングル文字の合成樹脂容器が無数に流れ着いている。
朝鮮半島を台風が通過したときには、男鹿半島先端部にあった職場裏の海岸に、
朝鮮半島から流れてきた死体が漂着したこともある。船も流れてきている。
異国から漂着物があったのは、縄文時代とて同じである。
だから、教科書で習ったのとは違って、彼らは、海の彼方にすむ「ひと」の情報を得ることができたし、
語り継がれてきた「我々は、南から島づたいにこの島にやってきた」を、漂流物は確認し、
魂の故郷に思いを馳せるものでもあった。
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