まだ若かったころ。
共同井戸から汲んできた水を台所に置いた瓶(かめ)に
入れ、飲料や食器洗い用としていた。洗濯は井戸端でした。
やがて、町内のあちこちに共同水道蛇口ができた。
配られた鍵金具を持っていって蛇口バルブを開く。
井戸と比較して便利になったのは、ハンドルを手押ししなくとも、
蛇口バルブをひねれば水が出てくるところである。
このころは、風呂のない家が多く、銭湯に行くのが普通だった。
やがて、我が家にも風呂が設置された。とはいっても、屋外である。
水道がないのだから、水は共同水道から50mの距離を天秤で運んできた。
絵では足もとを描いていないが、下駄を履いていた。
燃料は木の切れっ端を割ったものである。
この二つの作業を続けたので、猫背になったが、足腰が強くはなった。
天秤で水運びをしたというリンク先の女性の方も、
きっと足腰が丈夫に違いない。
子どもの頃を思い返すと、別世界で生きていたような気がする。
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