kotobaという季刊誌を先日新聞広告で初めて目にし、NHK英会話で有名な大杉正明氏、杉田敏氏、遠山顕氏の鼎談があったので買って読んでみました。
大杉正明先生には大学生の時、大学主催の英語弁論大会において講演していただいた思い出があります。当時私はESS(英語会)に所属しており、渉外担当として大会の運営に携わっていました。先生には依頼の手紙を送ったり、駅から大学までの送り迎えなど行いましたが、案内の途上で先生が雑談混じりに「色々と苦労がありましてねえ・・・分かりますぅ~?」と言われたので、(松本亨先生、東後勝明先生の系譜を継ぐ立場としてのプレッシャーもあるだろうし、忙しいんだろうなあ)と思い、私はつい「はあ、分かると思います」と言ってしまい、「ああ、そうですか」と苦笑されました。
直前まで講演のタイトルが決まっておらず、当日になって「では、タイトルはLearning English the Hard Wayにしましょう」と言われ、即興で英語でご自身の英語学習体験などを語られました。
私が英語学習で最も影響を受けたのは大杉先生より大分前に活躍されていた松本亨氏の著作ですが、大杉先生のNHKラジオ講座もしょっちゅう聴いては暗記していました。番組冒頭の「Here with me are...」等、先生の上品な発音の響きが未だに明確に思い出されます。杉田敏氏の「やさしいビジネス英語」もよく聴いていました。「バーソンマーステラ」という、聞いたことのない明らかに外資系のなんだか凄そうな会社の社長という肩書と、「ビニェット」(vignette)という、「寸劇」(short literary sketch: Merriam-Webster Unabridged)を指す言葉が印象的でした。遠山氏の番組も時々聴いていて、少し高めの声を思い出すことができます。
あれから30年とは。
で、上記の雑誌ですが、大変興味深いもので、鼎談はもちろんのこと、他にも幼児の言語能力獲得についてや、私も瞬間的に参加していた多言語学習組織「ヒッポファミリークラブ」が少しですが紹介されていたり、「アイデンティティー」なる日本語は背骨が何カ所も折れ曲がった蛇みたいで気持ち悪いとか、漫画文化を知るならフランス語が一番とか、25以上の言語を学んだ楽しそうな作家さんの話など、面白い話が満載。「複数の言語を習得するほど新たな言語を習得し易くなる」との説もあるらしく、一度齧ったドイツ語やフランス語をやってみたくなりました。
日本の英語教育を変えるキーパーソン 石渡誠(上)、東洋経済オンライン
安河内哲也、東洋経済オンライン