東照宮 其の3 最終回です。最終は陽明門です。
平成25年6月1日~31年3月1日平成の大修理のうち陽明門が完成した。
絢爛豪華です。
龍にしても全ての彫刻物は同じものが無い。
目貫の龍と呼ばれているが両端の龍の足は馬のひづめです。又竜馬とも天馬とも呼ばれている想像上の動物だ。
写真の上部は枡組と云って屋根の重量を支える三手先と云われています。
その枡組の所が龍頭になっていて装飾を一段と強烈にしている。
その下の廻縁の勾欄には子供達の楽しく遊ぶ姿がユーモラスに丸彫りされて平和な時代を表している。
東照宮の彫刻の特徴の一つは、陽明門と唐門にのみ見られる人物彫刻です。
陽明門には156人、唐門には64人の人物が彫刻されています。
「君子の四芸・琴」膝の上に琴を乗せて弾いています。
陽明門の彫刻の下層の組物間は、聖賢の彫刻です。(聖賢とは、儒教で理想とされる人物の事)
「君子の四芸・棋」囲碁をやっている様子。碁盤の上に黒と白の碁石が見えます。
訴人 周公の右側にある彫刻で訴人がお辞儀をしながら何かを訴えています。
今から2550年前の中国の春秋時代と呼ばれる時代の話のから彫刻されたと思います。
「周公聴訴」洗髪中でも人が訪ねてくれば中断して訴えを聞いた周公。
「孔子観河」周公の左側の彫刻。孔子が弟子とともに川の流れを見つめて感慨にふけっている様子。
「君子の四芸・画」君主の四芸(為政者に求められた教養)といわれた「琴棋書画(きんきしょが)の遊」のひとつなんですね。
聖賢が儒教の理想とする人物であれば、仙人は道教の理想の人物です。
鯉に乗った琴高仙人【きんこうせんにん】ある時、龍の子を捕らえて見せる、と弟子たちに約束して川の中に入り、
約束の日に大きな鯉に乗って現れ、人々を感嘆させました。波間から姿を表した瞬間を彫刻しています。
鯉は龍の子と考えられていた。龍も鯉もウロコが有りますもんね。
黄仁覧(おうじんらん) 人間界を離れて山中に住み、不老不死の法を修め神変自在の法術を体得した人達。
笠で空を飛ぶ鐘離権 中国の八仙の一人。漢の時代の仙人
費長房 本人は天空を飛び回っていて、ここにはそれを見上げる人物が彫られています。
王子喬 中国・周代の仙人。霊王の太子といわれる。名は晋。白い鶴にまたがり笙(しょう)を吹いて雲中を飛んだと言われています。
鳳凰に乗った梅福仙 中国・前韓の時代の九江郡寿春の人で妻子を捨て、九江を離れて仙人になったとされています・
口から魂を吐き出している鉄拐仙人 中国の八仙の一人
白い胡粉だけの獅子達。眼だけに金箔が施されています。
戯れているようですね。
霊鳥1 上の獅子とは打って変わりこちらはフルカラーです。
霊鳥2
随身1 随身とは平安貴族などが外出する時に身辺を警護する役目の人間であり武士の祖形であるともいいます。
随身2 言ってみれば随身像とは狛犬・仁王像などの社を「守護」する意味を持つものの人間版という事です。
また、この随身像を建ててある門を随身門と呼ぶそうです。
唐獅子 金箔が眩い。左の鬣(たてがみ)の紺、右の緑、共に金箔との対比が美しい。天井や欄間も素晴らしい。
魔除の坂柱 陽明門をくぐって来た方向を見ると右と左の柱の紋様が違います。
右が正規で左は逆柱と云われています。柄が逆で完璧ではない、長い将来に向かって完璧を目指す・・という意味だそうです。
この柱の左が魔除け的な意味合いで逆さまにしてあると云うものです。右は♥ですね。
陽明門の天井です。
東照宮の陽明門 終わります。次回は二荒山神社をアップします。