冬の梅

2022-02-03 21:53:00 | 日記
2月3日 節分です。孫と豆まきをしました。

pcが壊れて、困っていましたが、新しくノートパソコンを買いまして、初投稿です。

昨9月に、岩波文庫から『久保田万太郎俳句集』が出まして、買おう買おうと思いながら、書店に行く機会がなく、やっと11月末に手に入れました。既に第2刷となっていましたから売れているのでしょう。買っているのは、おそらく爺さんよりも上の世代、下でもせいぜい60歳代でしょう。

 
 いつものように寝床で読んでいます。万太郎は、昭和38年(1963)に73歳で亡くなっています。67歳、昭和32年に文化勲章を受けている偉大な人ですが、その俳句集をつらつら読んでいますと、爺さんの年のせいでしょう、その老いの心情に感じ入るものがあるのです。

 ふゆしおの音の昨日をわすれよと   (昭和20年)56歳

作者自身の波瀾多き多き「昨日」であると同時に、戦争を終わった日本国民の「昨日」でもありましょう。彼の人生行路は、本で読む限り決して(人倫に照らして)誉められたものではないと思えますが、爺さんも、それを非難、笑える身ではありません。

 ゆめにみし人のおとろへ芙容咲く

若き日にあこがれた人に、思いがけない再会。しかし、その人はやはり芙蓉のような美しい人であった。

 わが胸にすむ人ひとり冬の梅

今日は、節分ですから、この句を引くにはあとがありません。万太郎を捕らえた人。ところで、爺さんの胸を、断層撮影してみますと、いくつもの部屋がホントにたくさんあって、そこにはひとりひとり住んでいる人がいるのですよ。いけませんかねぇ。

 湯豆腐やいのちのはてのうすあかり

 鮟鱇もわが身の業も煮ゆるかな

一挙に晩年の句に飛びまして、73歳、亡くなった年の句でした。爺さんも、もうすぐ73歳、この偉大な俳人の心情に共感するところがあるのですよ。

ところで、わが終活の作業である本の片付け、遅々として進みません。今日は、10年来のランニング教本をくくりました。

よく勉強しましたねぇ。だけど、この年なれば、もうほとんどお手本はありません。

走行距離を伸ばすしかないと、わかっちゃいるのですけど。