かっては「ハヤトウリ」の栽培が全盛だった。ほぼほぼ仲間の全員が栽培に熱中していた。「月日は百代の過客にして、行き交う年もまた旅人なり・・・・・・」、何時の間にか過去のものとなってしまったようだ。現在栽培しているのは先輩方お二人のみ、寂しい状況だ。子狸もかっては熱中した1名だが、あまりの実りの多さに処分に困り、栽培を断念した。当地ではあまり馴染みが無いのか、ご近所さんからの要望も無く、成果品を持てあましたのだ。1本のハヤトウリが存在すれば、数十個の実りが可能だ。野菜として賞味しても漬け物に加工しても、一軒の家庭で消化できるものでは無い。先輩方はどうしておられるのやら。
上述したように、用途は野菜としての利用か漬け物への加工だ。ブームとなったのは漬け物加工、酒粕を通販で取り寄せ、漬け込んだりしていた。丁度、奈良漬けみたいな仕上がりで弁当のお供に重宝したものだ。結構おいしく食が捗る。いまでも好物だが、流石に挑戦への意欲は薄れた。手間暇掛けてハヤトウリの漬け物を加工するより、奈良漬けを購入した方が早い・・・・・・・何時もの悪い癖が覗いてくる。他の仲間も大半が同様と見えるのか、何時の間にか栽培者はお二人となってしまったのだ。
お二人のハヤトウリ畑を覗いてみた。丁度キウイやブドウの栽培と同様で、棚を組んで手が届く高さに調整してある。ツル性の野菜なので勝手に登ってくれるのだ。繁った葉の中には多くの実が付いていた。秋の11月、丁度今頃が収穫期なのだ。お二人は弁当持参派、多分、弁当の中には何時もハヤトウリの漬け物が在中ではなかろうか。手間暇を厭わぬ挑戦に、敬意を表したいと思う。
ハヤトウリは原産地が中米だそうな。大正時代に鹿児島に伝わった模様で、薩摩(隼人)のウリ、つまり「ハヤトウリ」と命名されたとか何とか。若い実をサラダや炒め物で賞味するケースもありますが、一般的には漬け物でしょう。味は奈良漬けと言っても過言ではないかと。ご飯とのマッチングが最高で、食が進むこと間違い無しです。先輩方のように弁当に常備すれば、昼の時間が待ち遠しくなるかも、チャレンジされることをお勧めします。