秋の実りは様々あれど、代表的な物は「柿」であろう。お好きな方も嫌いな方もあるかと思うが、昔からの箴言を思い出せば、ご先祖様達が如何に柿を重要視したのかが解るかと。「柿が赤くなると医者が青くなる」、意味するところはお解りかと思うが、栄養満点の食品のようだ。最近は欧米でもKAKIで通用するとか何とか。品種も多々あるようだが、関西では「渋柿のヒラタネ」と「甘柿の富有柿」が有名だ。前者は9月頃から、後者は10月末頃から市場に出回る。当地でも無論柿の栽培が行われてはいるが、小規模な自家用程度だ。出荷用を目的とした柿栽培は見当たらない。関西で著名なのは北部紀州地方、いわゆる紀ノ川流域だ。この地は果物王国で、柿以外にも柑橘類や桃或いは栗やブドウなど種々の栽培が行われている。最近はマンゴー栽培まで始められた模様だ。
各種の果物の中でも著名なのが「九度山の柿」、地元では「日本一の柿の里」と自称しておられる。看板に偽り無しのようで、この地の柿を賞味すると他地域の柿は遠慮しようか・・・・・・・・・ともなってくる。従って秋も深まると買い出しにと走るのが定例行事となってしまった。高野山の麓で、紀ノ川両岸に広がる山地が栽培地だ。日当たりが良く湿気も適度にあって環境的にも適しているのだろう。地域全体が柿畑と言っても過言ではなく、赤く色づいた柿畑の中を走るのは快適だ。かっては道端に無人販売所が無数にあったが、最近は減少してきた。信頼関係が崩れたのか小規模な手間を厭われたのか不明だが、寂しくもある。従って向かうのはJAの農産物直売所が多い。
上述したように9月に入るとヒラタネの購入に、10月下旬以降は富有柿の購入にとなってくる。ヒラタネは干し柿よりも渋抜きで賞味される事例が多く、甘味は富有柿とそう変わらないようだ。子狸宅でも山越えして北部紀州へと走るのが何時ものパターン、車で30分程度だろうか。目的地は橋本市に存する「JAの農産物直売所」が多い、車も止めやすく品数も数量も多いようだ。今回も知人に送るのと自家用とを買い求めた。産地だけあって当地よりも多少安めの模様、有り難い状況だ。全国への配送が多いようで、横には宅配便のトラックが常に待機している。多くは翌日には到着するようだ。
店頭の状態は画像でお解りかと思うが、贈答用が箱詰めの品、自家用がビニール袋に詰めて山積みされている.販売の傍ら常に入荷するようで商品が途切れる事は無さそうだ。車のナンバーを眺めても結構他の地域ナンバーも多い。子狸同様、現地の柿を気に入って遠路はるばるとお越しの方も少なからず・・・・でしょうか。時間があれば山地の柿畑の中を走って見られたらと推奨しておきます。但し、狭小路が多いので運転にはご注意を。運転に自信がおありなら、干し柿の里「四郷地区」を訪ねられるのもよろしいかと。今頃は軒先や畑に干された渋柿が満載で見事な景観を形作っています。撮影ポイントとしても好評なようで、カメラマン氏の訪問も少なからずでしょうか。紀泉アルプスの中腹に有り、道路は狭小で対向不能が多く、ある程度の技量は要求されますので小型車が望ましいかと。