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冬朝の格闘もなく
冬の朝起きでも一気に飛び起きる。布団の中で逡巡することがない。自分としては驚くほど決断が早い。仕事のミッションからの習慣で、いつのまにかそうなった。昔は、冬の寒さと眠気とに格闘していた。後何分、切りのよい時刻までと潜りこみ、その時刻が過ぎてしまったら、また後何分と遅らせたり、一気に飛び出すと身体に悪いとか、足同士で擦って全体が覚醒した方があとあとよいとか、都合のよい理由をつける。一方で決断を先延ばしすれば、またまた起きるのが億劫になる。何をしていると叱咤激励する。それで早めに起きれたときは、やれば出来るんだと自分を褒め、大事を成した達成感に浸る。でも一瞬、何の仕事をしたのだろうと考えると愕然とする。今日一日はこれから始まるのだと思うと気が重くなり、また布団に入りたくなることがよくあった。今はもうない。習慣て恐ろしい。ミッションがなくなった今も、格闘もなく起きている。