10/23(日)水道橋の宝生能楽堂にて、宝生会の秋の別会が催されます。
今年は〈鷺〉〈江口〉〈綾鼓〉という、きわめつけの能の名曲をそろえた好番組。
年に二度の晴れの大舞台である「別会」の名にふさわしいラインナップ、
流儀を代表する実力派の役者がここ一番の腕をふるいます。
同能楽堂では先日ホールのカーペットをすべて新調しましたので、
すがすがしい雰囲気の中ゆったりとお能鑑賞が楽しめます。
秋の佳き日、お誘いあわせの上ぜひおでかけください。
■宝生会 秋の別会
http://www.hosho.or.jp/wp-content/uploads/2013/04/2016_1023_Bekkai_Aki.pdf
2016年10月23日(日) 12:00開演
於 宝生能楽堂
能「鷺」 小林与志郎、(子方)和久凜太郎、(ワキ)森常好、(アイ)金田宏明
狂言「萩大名」 三宅右近、三宅右矩、高澤祐介
(休憩)
仕舞「駒之段」 金井雄資
仕舞「松風」 武田孝史
仕舞「三井寺」 三川淳雄
能「江口」 朝倉俊樹、(ツレ)小倉健太郎、小倉伸二郎、(ワキ)殿田謙吉、(アイ)三宅右矩
(休憩)
仕舞「通盛」 前田晴啓
仕舞「半蔀 クセ」 小倉敏克
仕舞「谷行」 宝生和英
能「綾鼓」 佐野由於、(ツレ)大友順、(ワキ)工藤和哉、(アイ)高澤祐介
●S席 13000円、A席 12000円、B席 11000円、C席 9000円、D席(自由席) 5000円
学生(30歳未満、学生証提示)は全席種1000円割引、団体割引(10席以上)1割引
問合・チケット申込:公益社団法人 宝生会 TEL 03-3811-4843、FAX 03-3811-4591
・曲紹介
能〈鷺〉
神泉苑に行幸した帝が池で一羽の鷺を見つける。捕えるように命じたが、鷺は飛び立ち逃げてしまう。供が勅命なりと鷺に呼びかけると、鷺は元の場所に再び飛んで戻るのであった。帝は御感のあまり鷺に五位の位を授けると、鷺は喜びの舞を舞い帝に奉るのであった。
鷺の舞う「乱」は水辺で遊ぶ鷺の様子をうつしたものとされ、独特の足遣いに注目したい。本曲「鷺」は祝言性を重んじ、原則として少年、または還暦を過ぎた能楽師のみが舞うことを許され、直面で舞う決まりである。
能〈江口〉
旅の僧が、津の国(大阪府)天王寺詣での途次、江口の里を通りがかる。
土地の者によってここが江口の君の旧跡と知り、故事にちなんで
「世の中を いとふまでこそかたからめ 旅の宿りをおしむ君かな」
という西行法師の歌を口ずさんだ。
そうしたところどこからともなく一人の女が現れ、西行法師の一宿の願いを断ったが、
僧の身を思って遠慮したためであると説き、僧も出家の身として俗世の事に心を留めぬように、とアドバイスするのである。
不思議に思って、僧が女の名を問うと、江口の君の幽霊であると明かし、たそがれ時の川辺に姿は掻き消える。
僧が江口の君の菩提を弔おうとしていると、川面に江口の君と遊女達が舟遊びをする光景がおげろげに現れてきた。
遊女はわが身の境涯をかこち、無常を謡い、かつ舞う。
やがて煩悩の霧は晴れていき、江口の君は普賢菩薩に姿を変じ、舟は白象となり、
白雲に乗ってまぶしい光の中、西の空へ飛び去っていくのであった。
能〈綾鼓〉
いにしえ管弦の宴のおりに垣間見た美しい女御の姿に恋心をいただいた庭掃きの老人の物語。
老人は、差し出された鼓の音がなったなら、もう一度姿を見せてもよいという女御の言葉を伝えられる。
老人は懸命に鼓を打つが、もとより皮ではなく綾で張られた鼓ゆえ決して鳴ることはない。
ついにあわれな老人は絶望して女御を恨み、池に身を投げるのであった…。
この能の後半は女御に取り付いた老人の霊が、女御を陰惨に責める。金剛流、宝生流、喜多流のみの上演曲である。類曲に世阿弥作「恋の重荷」(観世流・金春流の曲)があり、鳴らない綾の鼓が、持ちあげることのできない重い岩石の美しい包みとなっているが、主題・設定・構成はあまり変わらない。世阿弥の『三道』に「恋の重荷、昔綾の大鼓なり」と記されている。この「綾の大鼓」が「綾鼓」の原曲であろう。
今年は〈鷺〉〈江口〉〈綾鼓〉という、きわめつけの能の名曲をそろえた好番組。
年に二度の晴れの大舞台である「別会」の名にふさわしいラインナップ、
流儀を代表する実力派の役者がここ一番の腕をふるいます。
同能楽堂では先日ホールのカーペットをすべて新調しましたので、
すがすがしい雰囲気の中ゆったりとお能鑑賞が楽しめます。
秋の佳き日、お誘いあわせの上ぜひおでかけください。
■宝生会 秋の別会
http://www.hosho.or.jp/wp-content/uploads/2013/04/2016_1023_Bekkai_Aki.pdf
2016年10月23日(日) 12:00開演
於 宝生能楽堂
能「鷺」 小林与志郎、(子方)和久凜太郎、(ワキ)森常好、(アイ)金田宏明
狂言「萩大名」 三宅右近、三宅右矩、高澤祐介
(休憩)
仕舞「駒之段」 金井雄資
仕舞「松風」 武田孝史
仕舞「三井寺」 三川淳雄
能「江口」 朝倉俊樹、(ツレ)小倉健太郎、小倉伸二郎、(ワキ)殿田謙吉、(アイ)三宅右矩
(休憩)
仕舞「通盛」 前田晴啓
仕舞「半蔀 クセ」 小倉敏克
仕舞「谷行」 宝生和英
能「綾鼓」 佐野由於、(ツレ)大友順、(ワキ)工藤和哉、(アイ)高澤祐介
●S席 13000円、A席 12000円、B席 11000円、C席 9000円、D席(自由席) 5000円
学生(30歳未満、学生証提示)は全席種1000円割引、団体割引(10席以上)1割引
問合・チケット申込:公益社団法人 宝生会 TEL 03-3811-4843、FAX 03-3811-4591
・曲紹介
能〈鷺〉
神泉苑に行幸した帝が池で一羽の鷺を見つける。捕えるように命じたが、鷺は飛び立ち逃げてしまう。供が勅命なりと鷺に呼びかけると、鷺は元の場所に再び飛んで戻るのであった。帝は御感のあまり鷺に五位の位を授けると、鷺は喜びの舞を舞い帝に奉るのであった。
鷺の舞う「乱」は水辺で遊ぶ鷺の様子をうつしたものとされ、独特の足遣いに注目したい。本曲「鷺」は祝言性を重んじ、原則として少年、または還暦を過ぎた能楽師のみが舞うことを許され、直面で舞う決まりである。
能〈江口〉
旅の僧が、津の国(大阪府)天王寺詣での途次、江口の里を通りがかる。
土地の者によってここが江口の君の旧跡と知り、故事にちなんで
「世の中を いとふまでこそかたからめ 旅の宿りをおしむ君かな」
という西行法師の歌を口ずさんだ。
そうしたところどこからともなく一人の女が現れ、西行法師の一宿の願いを断ったが、
僧の身を思って遠慮したためであると説き、僧も出家の身として俗世の事に心を留めぬように、とアドバイスするのである。
不思議に思って、僧が女の名を問うと、江口の君の幽霊であると明かし、たそがれ時の川辺に姿は掻き消える。
僧が江口の君の菩提を弔おうとしていると、川面に江口の君と遊女達が舟遊びをする光景がおげろげに現れてきた。
遊女はわが身の境涯をかこち、無常を謡い、かつ舞う。
やがて煩悩の霧は晴れていき、江口の君は普賢菩薩に姿を変じ、舟は白象となり、
白雲に乗ってまぶしい光の中、西の空へ飛び去っていくのであった。
能〈綾鼓〉
いにしえ管弦の宴のおりに垣間見た美しい女御の姿に恋心をいただいた庭掃きの老人の物語。
老人は、差し出された鼓の音がなったなら、もう一度姿を見せてもよいという女御の言葉を伝えられる。
老人は懸命に鼓を打つが、もとより皮ではなく綾で張られた鼓ゆえ決して鳴ることはない。
ついにあわれな老人は絶望して女御を恨み、池に身を投げるのであった…。
この能の後半は女御に取り付いた老人の霊が、女御を陰惨に責める。金剛流、宝生流、喜多流のみの上演曲である。類曲に世阿弥作「恋の重荷」(観世流・金春流の曲)があり、鳴らない綾の鼓が、持ちあげることのできない重い岩石の美しい包みとなっているが、主題・設定・構成はあまり変わらない。世阿弥の『三道』に「恋の重荷、昔綾の大鼓なり」と記されている。この「綾の大鼓」が「綾鼓」の原曲であろう。