英題はthe tipping point ですがシンギュラリティやスレッシュホールドなど言い方はいろいろあります。とある作用に対して、急に外界への反応が現れ始める点ですね。特異点という言い方もあります。
例えば英語の勉強をしていても成績は伸びず、テストの点も芳しくない。なんか良い方法はないかと参考書を変えてみる。急に偏差値が上がった。でも、これは参考書を変えたことが原因と考えがちですが、そうではありません。今まで積み上げてきた英語の勉強量が特異点を超えたからです。短絡的に参考書を変えても他の教科の成績は上がりません。教科には好き嫌いがあって費やしてきた勉強時間が違うので特異点が違うからです。
もし、学習の特異点を越えれば、テストの点が上がるなど結果として外界に反応が出るのでドーパミンが分泌し、面白くなり、ドーパミンサイクルを回すことにより波に乗っていくことができるのです。
ですから、特異点に達するまでの忍耐か、習慣化が必要になります。これが技能を身に付ける一つの方法ですね。
本書では社会的広がりについての特徴を述べている。
◯ 特徴 1.感染的
2.小さな原因が大きな結果をもたらす
3.変化が急激に起こる
◯ それを社会学者は街が傾く(ティップ)と称した。ティッピング・ポイントとは核物理学でいう臨界質量であり、しきい値であり、あるいは沸騰点のことである。
(棚が傾き始めると急に上のものがぼたぼたと落ち始めますものね。)
◯ 伝染病は病原菌を運ぶ人々、病原菌そのもの、病原菌が作用する環境の関数なのである。・・・この変化の三つの要因を、わたしなりに少数者の法則(80対20の法則。いかに社交的か、いかに活動的か、いかに知識があるか、いかに仲間うちで影響力があるかというような事柄で抜きん出ている。)、粘りの要素(記憶に粘りつく)、そして、背景の力(環境の条件や特殊性、些細なこと。)と呼んでいる。