7月12日 (木曜日)
ある、地方紙にあった。
▼「タイムライン」。
最近耳にする機会が増えた。
風水害などの襲来に備えて対応の手順を事前に決めておく防災行動計画のことだ。
いつ、誰が、何をするか―。時系列で整理し、いざという時、それに基づき行動する。
▼台風ならこんなイメージだ。
上陸の12時間前、鉄道は運行を変更する、
地下街は人々を避難させる、
市町村は避難所を開設し避難勧告を出す―。
各機関の早め対応で被害を抑える。
計画を策定している自治体もあるが、
豪雨被害を受けた西日本の自治体ではどうだったろう。
▼一方、自民党議員の先生方が5日夜開いた宴が話題になっている。
赤ら顔が並び、中にはピースサインも。
参加者が写真をツイッターに投稿した。
安倍首相や広島選出の政調会長、
数時間後に自衛隊に災害派遣が要請された防衛相、
翌日に死刑執行を控えた法相も参加した。
▼首をかしげるのは開催のタイミングだ。
気象庁は記録的な大雨に厳重な警戒を呼び掛け、
京都では何万人にも避難指示が出ていた。
上機嫌の顔に緊迫感は見えない。
「厳重警戒が出たら責任ある政治家は宴会を慎み、警戒する」。
タイムラインの中にそんな項目も必要かも。
=========================
蛇足)
2012年10月末、
ハリケーン・サンディが米国ニュージャージー州、ニューヨーク州を直撃した。
上陸の3日前からニューヨーク州知事らは「緊急事態宣言」を発表。
住民が避難する地域を指示するなど準備を着々と整え、
被害を最小限に抑えた。
ニュージャージー州バリヤーアイランドでは家屋の全・半壊が合わせて約4000世帯に上ったが、
事前避難により人的被害はゼロだった。
ハリケーン・サンディの脅威から多くの人々の命を救った
早期避難を実現したのが「タイムライン」(事前防災行動計画)だ。
ハリケーン・サンディはニューヨークで75年ぶりの都市圏における高潮災害をもたらした。
日本では1959年の伊勢湾台風以来55年間、都市圏における高潮災害は起きていない。
ニューヨークでは広範囲に渡って地下鉄にも浸水するなど、
松尾氏はこれからの日本の都市圏水害にも教訓を残せると思い、現地調査に乗り出したという。
「ニュージャージー州の危機管理局に取材に行った時に
説明されたのがタイムラインの考え方だ。
これはもともと州のハリケーン防災計画の付属書(事前行動要領)として
2012年に作成されたもの。
台風が襲ってきたときの直前の行動計画を時間軸に沿って策定することで被害を軽減するという 考え方で、日本でも使えると思った」(松尾氏)。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「誰が」「いつ」「何を」を明確化
タイムラインの構造は、台風が発生する直前直後に
関係機関がやらなければいけないタスク(業務)を抽出。
「誰が(主な機関)」「いつ(対応時間)」「何を(防災行動)」を明確化し、
時間軸に落とし込むものだ(図)。
例えばニュージャージー州のタイムラインでは、防災行動の主体(誰が)を15項目に絞り、
上陸前120時間で250項目、上陸後72時間までに40項目の防災行動を取り上げ、
「誰が」「いつ」「何を」を時間軸で並べて整理した。
ハリケーン・サンディではこのタイムラインにのっとり、
州知事が36時間前に避難勧告を発令。
そこから高潮が襲ってくるであろう沿岸部の自治体と連携し、
12時間前に避難命令を出した。
結果として、4000世帯が全・半壊した区域でも犠牲者をゼロに抑えることができた。
「タイムラインは道具でしかないが、
帰国して国土交通大臣に報告したところ非常に感触が良く、
まず国交省として河川管理者と流域自治体の水害対策として
タイムラインの導入検討が始まった」。
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ある、地方紙にあった。
▼「タイムライン」。
最近耳にする機会が増えた。
風水害などの襲来に備えて対応の手順を事前に決めておく防災行動計画のことだ。
いつ、誰が、何をするか―。時系列で整理し、いざという時、それに基づき行動する。
▼台風ならこんなイメージだ。
上陸の12時間前、鉄道は運行を変更する、
地下街は人々を避難させる、
市町村は避難所を開設し避難勧告を出す―。
各機関の早め対応で被害を抑える。
計画を策定している自治体もあるが、
豪雨被害を受けた西日本の自治体ではどうだったろう。
▼一方、自民党議員の先生方が5日夜開いた宴が話題になっている。
赤ら顔が並び、中にはピースサインも。
参加者が写真をツイッターに投稿した。
安倍首相や広島選出の政調会長、
数時間後に自衛隊に災害派遣が要請された防衛相、
翌日に死刑執行を控えた法相も参加した。
▼首をかしげるのは開催のタイミングだ。
気象庁は記録的な大雨に厳重な警戒を呼び掛け、
京都では何万人にも避難指示が出ていた。
上機嫌の顔に緊迫感は見えない。
「厳重警戒が出たら責任ある政治家は宴会を慎み、警戒する」。
タイムラインの中にそんな項目も必要かも。
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蛇足)
2012年10月末、
ハリケーン・サンディが米国ニュージャージー州、ニューヨーク州を直撃した。
上陸の3日前からニューヨーク州知事らは「緊急事態宣言」を発表。
住民が避難する地域を指示するなど準備を着々と整え、
被害を最小限に抑えた。
ニュージャージー州バリヤーアイランドでは家屋の全・半壊が合わせて約4000世帯に上ったが、
事前避難により人的被害はゼロだった。
ハリケーン・サンディの脅威から多くの人々の命を救った
早期避難を実現したのが「タイムライン」(事前防災行動計画)だ。
ハリケーン・サンディはニューヨークで75年ぶりの都市圏における高潮災害をもたらした。
日本では1959年の伊勢湾台風以来55年間、都市圏における高潮災害は起きていない。
ニューヨークでは広範囲に渡って地下鉄にも浸水するなど、
松尾氏はこれからの日本の都市圏水害にも教訓を残せると思い、現地調査に乗り出したという。
「ニュージャージー州の危機管理局に取材に行った時に
説明されたのがタイムラインの考え方だ。
これはもともと州のハリケーン防災計画の付属書(事前行動要領)として
2012年に作成されたもの。
台風が襲ってきたときの直前の行動計画を時間軸に沿って策定することで被害を軽減するという 考え方で、日本でも使えると思った」(松尾氏)。
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「誰が」「いつ」「何を」を明確化
タイムラインの構造は、台風が発生する直前直後に
関係機関がやらなければいけないタスク(業務)を抽出。
「誰が(主な機関)」「いつ(対応時間)」「何を(防災行動)」を明確化し、
時間軸に落とし込むものだ(図)。
例えばニュージャージー州のタイムラインでは、防災行動の主体(誰が)を15項目に絞り、
上陸前120時間で250項目、上陸後72時間までに40項目の防災行動を取り上げ、
「誰が」「いつ」「何を」を時間軸で並べて整理した。
ハリケーン・サンディではこのタイムラインにのっとり、
州知事が36時間前に避難勧告を発令。
そこから高潮が襲ってくるであろう沿岸部の自治体と連携し、
12時間前に避難命令を出した。
結果として、4000世帯が全・半壊した区域でも犠牲者をゼロに抑えることができた。
「タイムラインは道具でしかないが、
帰国して国土交通大臣に報告したところ非常に感触が良く、
まず国交省として河川管理者と流域自治体の水害対策として
タイムラインの導入検討が始まった」。
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