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第二夜 都市伝説『口裂け女』【中編】

2009-08-06 01:07:17 | 不思議夜話
 前回は『口裂け女』の話だったのだが、これには違った意味で後日談がある。


 それは僕が小学校に上がったばかりの頃、同じ学校に通う高学年の先輩がいた。
家も近かったので朝の通学時などは一緒に通ったり、遊んでもらったりした。


 ただ、その先輩には顔に傷があった。左の口元から耳にかけて一筋の真っ直ぐな傷痕だった。
まるで鋭利な刃物で切られたような痕だったのを覚えている。
でも、さすがにその傷痕について、面と向かって「どうして傷痕があるのか」などと質問するはいけない事だと、子供ながらにも思っていたので聞きたくとも訊ねることは出来なかった。


 しかし、ある時、一緒に遊ぶ他の子から無節操にもその質問に及んだのだった。
すると先輩曰く「幼い時にひょんな事から釣り針を口元に引っ掛けてしまい、幼かった先輩は痛さに慌ててそのまま釣り針を引っ張ってしまい傷を負ってしまった」と説明してくれた。


 その時は、幼かった自分だったので、その言葉を鵜呑みにしたが、今に思い返してみると、釣り針を引っ掛けたくらいであのような傷痕になるとは思えない。
どう見ても、鋭利な刃物で傷ついたように思えるのです。そのくらい見事に、ある意味綺麗に一筋の傷痕が口元から耳まではしっていました。


 それに、その先輩が幼い頃といえば、前回の白ずくめの女に襲われた子供の年齢と符号するのです。
これは単なる偶然でしょうか?


 その後、その先輩とは、お互いに引っ越してしまい一度も会っていないので、真相を知ることは出来ません。