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第六夜 怪談 帰りを待つ女

2009-08-11 07:30:45 | 不思議夜話
 おはようございます。


 寝ていたら地震が起きまして、目が覚めてしまいました。


 「不思議夜話」の第6話は、幼い時からの友人F君のお母さんが体験した話。


 F君の家の近くの道路沿いに一軒の家があります。その家には子供いない若夫婦が住んでいて、夕方になると奥さんが亭主を迎えるために家の前の道路の脇に立っているのが日課だったそうです。


 奥さんが立っている道路の脇には木造の古い1本の電柱が立っていて、小さな傘の付いた裸電球の街灯があって暗くなると自動的に明かりが点きます。
 そして、明かりの中をワンピースにエプロン姿の奥さんをF君のお母さんは良く見かけたとのことでした。


 そんな、ある日、何時ものように亭主の帰りを道路の脇で待っていると、運悪くそこに車が突っ込んでしまい奥さんは、その事故で亡くなってしまいました。


 それから何日か経った日も沈み辺りも暗くなった頃、F君のお母さんは家のベランダから、何となく例の家を見ていると、例の電柱の街灯の明かりに照らされて人が立っているではありませんか。


 良く見るとワンピースにエプロン。あの家の亡くなった奥さんの姿にそっくり。
ただ、街灯の明かりは小さいので肩から上は明かりの外にあって、よく見えなかった。


 そして、その家の亭主が帰ってくると姿が消えるのです。しかも毎日のように現れた。
そのうちに、その噂が広まって周辺の人はみんな知っていたとのこと。


 しかし、そんな荒唐無稽な話を例の家の亭主に面と向かって話すわけにもいかず、その亭主だけが知らなかった。


 その奥さんの姿は、電柱がコンクリート製のものに建て替えられるまで見ることができたそうです。


 少しせつない不思議な話でした。