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第無夜 怪談 コーヒーブレイク 其の弐

2009-08-17 06:45:13 | 不思議夜話
 おはようございます。


 昨日はブログを更新できませんでした。某公営放送局の「日本怪談百物語」を最後まで見てしまいまして、終わったのが午前4時でした。それから床に就いたものですから、気がついたら夕方でした。


 閑話休題――。
今回はお約束の箸休め(コーヒーブレイク)の2回目。巷は夏休みなので、これに因んだ話題。


 自分が小学校の低学年の頃、僕らの学校では、夏休みになると「ラジオ体操」があった。
早朝から近くの公園に集まってラジオに合わせ、体操を踊る……、もとい体操をしました。


 ラジオ体操に参加するとカードにハンコを押してもらって、それを休み明けに学校に提出するというもの。


 そんなある時、ラジオ体操が終わって皆が集まると、
「今日の夜、肝試しをやろうぜ」
ということになった。


 その後、怪談話に花が咲き、大いに盛り上がってから解散となって家路についたのだが……


 ひとりで家に向かって道を歩いていると、道路に500円玉が落ちていた。
「ラッキー」
などの思いながら、拾うと躊躇なく着服した(よい子は真似をしてはいけません)。


 小学校低学年の自分にとって500円は大金でした。


 喜び勇んでお手玉のように宙に放りながら歩いていると、突然、空中で500円玉が消失してしまったのです。
 下に落ちた形跡はない。落ちたときの音もしなければ、道路を転がった感じもしなかった。
忽然と消えてしまったのだ。


 探しました。
せっかくのラッキーをみすみす手放すことは出来ません。血眼になって辺りを探索したのですが、見つかりませんでした。



「なんてアンラッキー」
がっくり首を垂れて家路につきました。


 と、その時――
誰か、自分の背中を引っ掻く人がいるでありませんか!


 咄嗟に振り返り、辺りを見回しましたが、誰もいません。
「気のせいか?」
と思って、再び歩きはじめると、さらに背中を引っ掻かれました。
「どひゃ~。気のせいじゃない。誰か後ろにいる!!」


 後ろを振り返るが、やはり誰もいない。気配さえ、全くない。


 背中を引っ掻かれた時、思わず手を背中に回したのですが、その手に当たる物がある。
シャツをめくり取り出すと先程の500円玉だった。


 放り投げた500円玉が偶然にもシャツに入り、背中に張り付いていたのだった。


 しかし、何という偶然なるタイミングなのか!


 たまたま投げた500円玉が背中に入り、しかも一気に下まで落ちるのではなく、まるで人に引っ掻かれたと思わせる感じで、背中を伝って落ちるとは――


 相手が幽霊じゃなくて、ホッとしたような、残念だったような……


 しばらく笑いのツボにハマって、その場で笑いこけていました。
通行人が見たら、そっち方が怖いと思ったかもしれません。