おはようございます。
いよいよ「不思議夜話」も10話目になります。
今日の話は、厳密にいうと怪談ではないのですが、ちょっと気味が悪いので載せることにしました。
今日の話は、厳密にいうと怪談ではないのですが、ちょっと気味が悪いので載せることにしました。
第9話でも書いたように幼い時、親戚のオッチャンの家に、夏休みになるとよく遊びにいったものだ。
オッチャンの家は、かなり山奥に在ったのだが――
ある日、深夜に台所の居間の横にある和室で寝ていると台所で物音がする。
ある日、深夜に台所の居間の横にある和室で寝ていると台所で物音がする。
ゴト、ゴトゴト……
目が覚めた。
「はて?何の音?」
と思っていると
チュー、チュー
ネズミだった。
しかし、そのうちしだいに物音が大きくなって騒がしくなってきた。
ゴトゴト……、チュー、ゴト! チューーーーーーーーー!!
まるで断末魔のようなネズミの鳴き声がしだした。
尋常じゃない鳴き声に、僕は怖くなって(幼い頃は、かなりのヘタレだった)布団をかぶって震えていると――
ドッ! ドターーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!
もの凄い音を立てて、台所の床の上に何かが落ちのだった。
ネズミが棚の上の物を落としたのかと思ったが、どうやら違うらしい。
布団の中から耳を澄ましていると
ジューーーーーーー!ジュ・ジュ・ジューーーーーーーー!!
ジューーーーーーー!ジュ・ジュ・ジューーーーーーーー!!
生まれてこの方、あんなネズミの鳴き声を聞いたことのない声で鳴いている。
「ただ事じゃない!」
子供ながらにも、そのように感じて息を殺していると、やがて鳴き声が止まった。
「ただ事じゃない!」
子供ながらにも、そのように感じて息を殺していると、やがて鳴き声が止まった。
そのまま、まんじりともせずに朝まで布団をかぶっていた。
夜が明けて、辺りが明るくなった頃に布団から抜け出して、台所へ行って見ました。
夜が明けて、辺りが明るくなった頃に布団から抜け出して、台所へ行って見ました。
すると、もの凄い音がした床の辺りに血飛沫がいたる所に付いていた。
ただ1箇所、全く血が付いていない箇所があって、その跡が蛇の形になっていた。
それも1メートルは有にある跡だった。
ただ1箇所、全く血が付いていない箇所があって、その跡が蛇の形になっていた。
それも1メートルは有にある跡だった。
婆ちゃん(オッチャンは親父の兄さんで、婆ちゃんはオッチャンの家に同居していた)曰く。
「そりゃ~、家の主だろうよ。狩りをしてネズミを獲ったんじゃ~」
とのことだった。
「そりゃ~、家の主だろうよ。狩りをしてネズミを獲ったんじゃ~」
とのことだった。
また、ある日には、夏の炎天下で遊んでいたのでノドが渇き、水を飲みに台所にある裏口から流し台に向かった時、蛇口を捻ろうと手を伸ばすと、そこに居るモノと目と目が合った――
「ぎょ! ぎょぇぇぇぇ~~~~~~!!」
なんと、蛇口に絡むように真っ黒な大きな蛇がとぐろ巻いて、赤い目でこっちを見ていた。
1メートルくらいはありそうで、二又に分かれている赤い舌をチョロチョロ出していた。
あまりのことに、とっさに2~3メートルくらい後ずさって、蛇を刺激しないようにその場を離れたのだった。
あまりのことに、とっさに2~3メートルくらい後ずさって、蛇を刺激しないようにその場を離れたのだった。
そして仏間に居た婆ちゃんのところへ一目散に駆けつけて、いま見たことを話した。
すると婆ちゃん曰く。
「きっと、あまりに暑いんで、主さんは涼んでおるのだろうて。何もせんから、ほっときな」
といわれた。
すると婆ちゃん曰く。
「きっと、あまりに暑いんで、主さんは涼んでおるのだろうて。何もせんから、ほっときな」
といわれた。
しかし、僕がとても怖がる(やっぱりヘタレだったのだ)ので、婆ちゃんは
「しょうがないのう~。蛇は線香の煙を嫌うから、これをもって近くにおいておいで」
といって、2、3本の線香に火をつけて渡してくれた。
「しょうがないのう~。蛇は線香の煙を嫌うから、これをもって近くにおいておいで」
といって、2、3本の線香に火をつけて渡してくれた。
それをもって蛇の近くに置いたのだ(ひとりでは行く勇気がなかったので、婆ちゃんと一緒に行ったことは云うまでもないことである)。
そうして、そのまま放置していたら、何処かに消えてしまった。
その時以来、家の主は実在するものだと実感した不思議な話でした。
あなたの家にも居るかもしれない……