おはようございます。
張り切って第13話を入ってみよう。(実は少しビビッております)
何とか、無事にアップできたみたいです。(しかし、これは2回目のトライです)
何とか、無事にアップできたみたいです。(しかし、これは2回目のトライです)
この話は僕の母の近所仲間のI家の息子(G君とします)が体験した話。
G君は学校を卒業すると、地元の町工場に就職した。
家から通うことも可能であったが、独立したいとの思いから会社の社宅に入った。
家から通うことも可能であったが、独立したいとの思いから会社の社宅に入った。
社宅は少し風変わりで一般の民家を買い上げた家を改装したものだった。
2階建てで1階に2部屋、2回に2部屋があって共用のトイレ、バス、キッチンがある間取りだった。
2階建てで1階に2部屋、2回に2部屋があって共用のトイレ、バス、キッチンがある間取りだった。
G君は2階の部屋に入ることになったのだが、自分の他には1階に住む定年間近い爺さんだけだった。
部屋の中に家具や家電製品などが全部そろっていたのだが、不思議だったのは、物がダブっている(例えばトースターが2台あったり、ドライヤーが3台あったりなど)。
さらにたんすの中には衣類が入ったまま、下着まであるのだ。
さらにたんすの中には衣類が入ったまま、下着まであるのだ。
しかし、G君は初めての社会人生活だったので、
「こんなものなのか」
と、納得してしまった。
「こんなものなのか」
と、納得してしまった。
1ヶ月は何もなかった。
1ヶ月を過ぎた頃、夜寝ていると毎晩のように金縛りに遭うようになった。時間はいつも2時過ぎだった。
「仕事で疲れているから」
と思っていたが、そのうち黒い霧が畳から湧き出して部屋中に充満するようになった。
しかも、その黒い霧の一部は黒い人影のようになって部屋の中をクルクルと回っている。まるで何かを探しているようだった。
気味が悪くなったG君は、1階に住む爺さんに事情を話し相談してみた。
「やはり出るか。あんたはよく持った方じゃ。たいがいは1週間程で荷物を投げ出して、みんな逃げ出すよ」
と、爺さんはいう。
「やはり出るか。あんたはよく持った方じゃ。たいがいは1週間程で荷物を投げ出して、みんな逃げ出すよ」
と、爺さんはいう。
G君は
「爺さんの所には出ないのか?」
と聞いてみると、
「わしは、ここを出たら行くところがない。だから諦めてしもうた」
と、答えながら、この家の因縁を話してくれた。
「爺さんの所には出ないのか?」
と聞いてみると、
「わしは、ここを出たら行くところがない。だから諦めてしもうた」
と、答えながら、この家の因縁を話してくれた。
「ここがまだ民家だった頃、6人家族が住んでいたのだが、ある年の正月深夜に火事になり、5人が煙に撒かれて亡くなった」
「1人だけが外出していて生き残ったんじゃが、生き残った男の子は、中学生だったので親戚の家へ預けられたそうじゃ」
「ただ住んでいた家は、煙が凄かったにもかかわらず火の手はそれ程でもなかったので、家は燃え残り、今の会社が買い取って、内装だけを改修し社宅にしたんじゃ」
という内容だった。
さすがにG君も怖くなったので
「この社宅をで出て行こう」
と思ったのだが、自分の荷物の持ち出しなどがあるため
「今日1日だけ、もう1晩だけ」
と今晩だけ、我慢して泊まることにした。
「この社宅をで出て行こう」
と思ったのだが、自分の荷物の持ち出しなどがあるため
「今日1日だけ、もう1晩だけ」
と今晩だけ、我慢して泊まることにした。
G君は朝まで起きていようと思ったのだが、いつの間にか寝ていた。
フッと気がつくと金縛りなっている。手足は動かせないが、目だけが動かせた。
フッと気がつくと金縛りなっている。手足は動かせないが、目だけが動かせた。
辺りを見渡すと枕もとの時計があった。いつものように2時過ぎだった。
そのうち黒い霧が部屋に充満する。そのときG君は、ハッと気がつく。
「これは霧じゃなくて黒い煙なんだ」
と思ったそうである。
そのうち黒い霧が部屋に充満する。そのときG君は、ハッと気がつく。
「これは霧じゃなくて黒い煙なんだ」
と思ったそうである。
やがて黒い煙の一部は5人の人影になり、
さらには、はっきりと人の姿になったのである。
さらには、はっきりと人の姿になったのである。
老人男女の2人、中年男女の2人、そして幼い女の子に変わって、部屋の中を回りながら何かを探しているのだ。
あまりのことにG君は、思わず出るはずのない叫び声を発していた。
すると、その5人は動きを止めて、G君の寝ているベットを取り囲むように立って、一斉に彼の顔を物凄い形相で覗き込んだ。
すると、その5人は動きを止めて、G君の寝ているベットを取り囲むように立って、一斉に彼の顔を物凄い形相で覗き込んだ。
G君は気絶した――
――気がつくと病院のベットだった。
1階に寝ていた爺さんが、G君の大きな叫び声に驚いて彼の部屋に駆けつけると、ベットから落ちたG君が口から泡を吹いてもがいていたそうである。
そして何をやっても起きないG君を心配して救急車を呼んだというのだ。
そして何をやっても起きないG君を心配して救急車を呼んだというのだ。
G君は原因不明の高熱で1週間も入院した。
僕の母が、その話を聞いたのはG君が退院して2~3日に経ったときだったのだ。当然、G君は家に帰ってきていて、会社も即日、辞めてしまったとのことである。
僕がこの話を聞いたとき、思い当たることがあった。
それは中学のときに正月早々の深夜2時頃、サイレンをけたたましく鳴らしながら走る消防車の音を聞いたことを覚えていた。
なぜなら、冬休み開けに学校へ登校すると、同学年のあるクラスの男子が正月早々に火事に遭ってしまい、家族全員亡くなってしまったのだ。
そして、その男の子だけが親戚の家に行っていたので生き残り、そのまま親戚の家へ預けられたので、急遽、転校したというものだったからである。
それにしても1家6人、家族構成など、ビッタリと状況が符合している……
……だとすると、5人の幽霊は、生き残った男の子を探し、火事の中を一緒に逃げるために、あの部屋を回っていて、G君の所にはっきりと出てきたのかもしれない。