あおり運転ニュースによせて
車の運転に際して思うこと
いつも思うことですが、交通事故に二種類あると思います。一つは、自分の過ちで起こした事故。二つ目は、もらい事故、つまり相手の過失で起きた事故で、その為に事故の当事者になってしまうものです。
私は、16歳の高校二年で、当時の軽自動車免許を独学で取り、その年の暮れに小型四輪免許という今は無くなった免許をとりました。当時は排気量2000cc未満の四輪車を運転できました。それから現在までいろいろな経験をしてきました。
車の故障のよくある20種は経験しましたし、一部は自分でも修理しました。唯一しなかった故障は、ガス欠、つまりガソリン欠乏です。大きな自損事故も三回して、よく生き残ったと思っています。
池袋の高齢者の事故は、明らかにアクセルとブレーキの踏み間違いです。私は、昔F1レーサーが、オートマチックだったレーシングカーで、右足アクセル、左足ブレーキをしていたし、また運転技術の本を読んで、オートマチック車ではアクセルはスピードを落とし、ブレーキはスピードを出すように使うものと書かれていて驚いたことがありました。もちろんこれは中級の運転技術で、マニュアル車では、ヒール・オン・トゥという技術や、急カーブをスピードを落とさずに回るギザギザ運転ができる人の話です。
私のよくある事故は、居眠り運転です。大事故は起こしていませんが、慰謝料を吹っ掛けられたりしたこともあります。だから短距離は良いですが、長距離のドライブは必ず誰か相棒が必要です。
アクセルとブレーキの踏み間違いは、「左足ブレーキ」で防げます。若い時に、踏み間違いをして、前の車に衝突寸前でブレーキがかかり助かったことを経験してから、たまたま「毎日グラフ」という写真雑誌に載っていた「左足ブレーキ」に切り替え、それ以来踏み間違いをしていません。左足ブレーキに変えると、大体1か月もしない内に、慣れるようになります。私の細君は、車好きでもあり、左足ブレーキも、中級技術も、一週間もしないで習得したので驚きましたが、車好きな人はできると思います。
次に、あおり運転ですが、私に言わせれば、あおられる側にも半分責任があります。あおられた方は、自分は普通の運転をしているのだから、すべて相手が悪いと思っていませんか。
車に乗っている時に、ふだん路上を歩いている時を思い出して下さい。特に、新宿の雑踏を歩いている時のことです。酔っぱらってふらふら歩いていたりする人がいたり、お年寄りがゆっくり歩いていて、自分は急いでいる時などのことです。車の運転でも同じです。早く行きたい人に、道を譲ってあげましょう。その車に後で追いついたら、スピード違反で覆面パトカーにつかまっていたりするとついニヤニヤしてしまいます。道路はみんなで使うものですから、譲り合いも必要です。
新聞記事を二つ載せます。一つは、左足ブレーキの東京新聞の記事です。もう一つは、あおり運転、当時はそういう言葉は無かったのですが、毎日新聞の記事です。
きっかけは、一つは、車線変更です。合図したから当然入れてくれると思うのは独りよがりです。相手がどう思っているかも大切です。譲ってくれるのを待ちましょう。出ないと、割り込みになります。並んでいるのに、無理矢理に割り込まれたら嫌でしょう。
二つ目は、追い越しに関すること、つまり無理な追い越しや割り込みと、追い越してからノロノロ走ることなどと、追い越し路線をノコノコ走ることも反感を買います。追い越し路線は、追い越しだけに使いましょう。また二車線の道路でも、ゆっくり走るのは左側を走りましょう。速く行きたい人に道をあけて、先に行かしてあげましょう。私の友人に、制限速度で走っているのだから良いんだという人がいますが、それでは反感を買います。日本はドイツのアウトバーンのようにスピード無制限の所はありません。警察官ですら、私用では平気でスピード違反をしています。昔、それをもみ消そうとして問題になったことがありました。制限速度の方が問題なのです。スピードを上げるからいけないのではなく、自分の運転技術以上にスピードを出すからいけないのです。車を自分の手足のように動かせるかどうかです。
三つ目はクラクションです。短く「ピッ」と鳴らしましょう。長く大きく鳴らすと反感を買います。もし間違えて、鳴らしてしまったら、手で「ごめん」と合図をして誤りましょう。
最後に、トラブルになったら、「ごめん」と手で合図をする。ドアや窓はロックするなど。トラブルになるのは、責任の半分はあなたの行動にもあると思って下さい。
車に乗ると人格が変わるという人もいます。普段おとなしくても、車では大胆な運転をする人もいます。ちょうど囲碁や将棋を打つ時に、ふだんおとなしいのに常に闘いをいどむ人もいます。それと同じです。
それから、今コロナのために、車を使う人が増えました。その為に、車の運転に慣れていない人が増え、余計トラブルも増えているのではないでしょうか。交通マナーを知らない人も増えています。登山の時に山道では、昇り優先とか、出来るだけ挨拶するとか、山の中での暗黙のルールがありますが、交通マナーも同じです。それを知らない人が、トラブルに遭います。基本は譲り合いです。
フランスやイタリアへ行った時に、信号が少なく、交差点では、車同士が出会ったら、規則だけではなく、お互いに相手の目を見て、譲り合って通過していました。日本でも環状の交差点を作り始めていますが、信号と規則だけで、動く人たちにはうまくいかないかもしれません。
また若い時のエピソードですが、私の友人の話で、その人が車を走らせていたら、遠くに見える対向車がふらふらと走って来たので、あわてて横道へ退避して通過するのを待ったそうです。また、別の友だちの話では、引っ越しの際に、引越車に同上していた時のことですが、対抗路線は車で一杯で、その反対車線を走っていたら、向こうから軽自動車が走ってくるのが見えたのです。その時に驚いたことに、運転手が、「お客さん、車をわきへ落としますから勘弁して下さい。保険は最初から入っていたことにして、払って下さい。人を殺したくないので。」と言い、友人も了解してそのまま脇へ大型の車を落とし、向こうから走って来た軽自動車は、平気な顔をして何事もなく通過していきました。そのままだったら正面衝突して、相手は即死したと思います。それが人生です。
ふらふら走っていたり、煽ってくるような車は、避けましょう。煽られたら、避けること。先に行ってはいけません。どこか路上で一分間以上待機し、それから走りましょう。自分は悪くないからと、突っ張ったら負けです。歩いていて、肩が触れたと難癖を付けられたらどうしますか。大体肩で風を切るような歩きをしている人がいたら、避けるでしよう。それと同じです。「君子危うきに近寄らず」が必要です。
ドライブレコーダーを付けているから、相手が何をしても負けないとか、自分は交通規則を守っているから正しいとか、思っていませんか。世の中そんなに甘くはないのです。トラブルには勝てても、その後いろいろな問題が出ることがあります。仲良く、気持ちよく、生きていきたいと思います。それには譲り合いも大切です。
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