つづき
4)女性より男性の方が、発がん率が高い。これは自然発生のがんに比例する為である。
5)累積線量ー短期間には線量は累積されるが、時間と共に生物学的半減期つまり体外へ排泄されてしまうので、通常は線量を累積するのではなく、被ばくした時の月齢、年齢での、被ばくによる発がん率を計算して、発がん率を累積していく。連続して被ばくする場合には、被ばく総線量を測定するしかない。
6)女性は乳がんになる確率が重視され、それは近年乳がんが増加していることと、被ばく線量と乳がん発生の定量的データがある。また子どもの時の被ばくによる乳がんは、他のがんが誘発される以前に出現し始める。
7)甲状腺は、がんおよび良性腫瘍が放射線によって誘発され、良性腫瘍はもちろん、甲状腺がんも死亡率は低い(チェルノブイリは除き)のが特徴で、腫瘍発生率とがん死亡率の差が大きく、他のがんと違う。特に10歳以下は甲状腺がんと甲状腺腫の増加が大きい。チェルノブイリでは、発見の遅れから(社会経済的と医学的な状況のため)、見つかる甲状腺がんの子どもの4分の1は、既に転移があるという(広河による)。転移があれば死亡率は高くなる。
8)潜伏期―白血病は被ばく後3年で現れ始める。他の臓器の固形がんは被ばく後10を経て、自然発生以上に現れ始め、その後しだいに増加し、被ばく後40年後が最大で、以後減少していく。乳幼児の白血病とがんの発生は3年以内から始まる。 胎児が被ばくした場合は、被ばく後1年以内に、白血病を始め、がんが現れる。また被ばくで、他の発がん物質と同様に、先天的異常も発生する。胎児の場合、10~20ミリシーベルトの被ばくでも、乳幼児期の白血病とがんの発生率を50~100%増加させる。
9)白血病は、20歳以上は年齢依存性はなく、高齢になっても発病する。
10)藤岡独協医大放射線科名誉教授は、1ミリシーベルトで1万人に発がんは6.5人で、致死がんの確率は5人だという。ICRP(国際放射線防護委員会)は1万人に0.5~1人という。
ICRPは、日本の放射線総合医学研究所と同じく、原子力容認派である。世界の放射線科医の組織だからである。ちなみに、IAEAは、国際原子力機関と言い、原子力の平和的利用のための組織で、原発推進派である。だから、この機関は、チェルノブイリでも、福島でも被害を小さく見せようとしている。これに反発して欧州では科学者や市民で、ECRR(欧州放射線リスク委員会)が作られ、原発の危険性を訴えている。
広河隆一さんが小学館から「暴走する原発」を出版しました。是非お読みください。また、広河さんと共に「未来の福島こども基金」(仮称)を立ち上げ、市民放射能検査所を立ち上げます。資金がたりないので応援をお願いします。口座は、後ほどお知らせします。「母乳調査・母子支援ネットワーク」(HPあり)も、私も発起人の一人に入っています。こちらもよろしく応援して下さい。
つづく