黒部信一のブログ

病気の話、ワクチンの話、病気の予防の話など。ワクチンに批判的な立場です。現代医療にも批判的で、他の医師と違った見解です。

子どもの習い事の話

2016-07-22 10:03:04 | 教育
 最近は子どもに習い事をよくさせます。私の子どもたちもそうでした。その是非や良し悪しはどうなのでしょうか。考えてみましょう。

 本来早期教育は子どもの能力を伸ばすものではありません。潜在能力があれば別ですが、一般には、持って生まれた能力を早期に到達達成させることができるだけです。つまり、最終到達地点は同じで、早く到達するだけです。
昔から、天才とは、持って生まれた才能が1%と、99%の努力で生まれると言います。この正否はともかく、例えば、野球で言えば、守備は練習次第で上達すると言います。しかし、打撃はどんなに練習しても、才能またはセンスがなければ、イチロウ選手のようにはなれません。近づくことはできますが、決して越えられないと言います。
 音楽家の子どもが優れた音楽家になるかどうかは、両親のどちらかからもらった遺伝子と努力の結果です。絶対音階が会得できなければ難しいとも言いますし、また別の条件もあるようです。しかし、いずれにせよ、親が芸術家であれば、良い絵、良い音楽、良い芸術に接する機会が多くなり、自然と学んでいきます。
 昔、漫画家の手塚治虫が弟子たちに言ったことは、「良い漫画を描きたいなら、良い小説を読み、良い映画を観て、良い絵を見、良い音楽を聴き、いろいろな芸術に接することだ」という趣旨のことを言ったと聞いています。ですから、弟子たちに、漫画だけでなく、いろいろな世界に進出した人もいました。
 
 習い事は、楽しく習わせることが第一で、嫌がったらやめましょう。嫌になると一生しなくなります。よく、大人になってから、習っていたら良かったとか、続けていれば良かったと言う人がいますが、それは後から言うことで、習っている時には楽しくなければ続きませんし、伸びません。
 
 あとは闇教育をするしかないです。闇教育とは、私の最新刊の本の「おわりに」に書きました。
 そこで疑問が湧きました。代々続いている例えば医者の家系や歌舞伎などの家ではどんな教育をしているのでしょうか。
 一つは、闇教育同様に、ものごころがつかないうちに、その世界に入れてしまうのです。次は、したいようにしているようにみせかけて、最後はその世界に入れます。若い時に、伸び伸びしたいことをしていると、その後がまんしてもするようになります。ある科学史家が言うには、アメリカの代々続く家柄は、一族で結束していて、一族の一人ひとりは好きなことをし、自然とその中から一族をまとめる人がでてきて、結束していき、一族の誰かが継いでいきます。
 江戸幕府も、将軍家はしばしば世継ぎ問題で、養子をいれました。私は天皇家のことは知りません。
 
 習い事に戻します。フランス語の巻舌は、小さいうちでないと上手にできないようですが、英語は小さい時からする必要はなく、若い時に3か月以上留学かホームステイをすれば、英語で夢を見るようになると言います。ただし、積極的に学ぼうとする人のことで、そうでないと10年アメリカにいても、日常会話しかできない人もいます。私の友人の話では、渡米した日系一世で、英語もできず、日本語も忘れて、ちゃんぽんにしか話せない老人ホームの入居者がいたそうです。昔の話です。
 
 確かに日本語は、朝鮮語と琉球語以外には類似の言葉はなく、語源が判りませんが、一つの外国語(英語など)をぺらぺらになると、別の言葉も容易に身につくと言います。

 それから、スポーツでは引退年齢の早いスポーツ、フィギュアスケート、体操、新体操、水泳などは早期にしないとだめだと言います。OB、OGになる年齢は25歳が標準でそれを超える選手はまれな人です。逆に、ラグビー、アイスホッケー、ボートなどの競技は引退が遅いし、早く始めると体をこわすと言います。野球や相撲などは、早期に激しい練習をしていると早くこわれ、落合監督のように練習嫌いか、イチロウ選手のように、自己管理がしっかりしないと長続きしません。
 ピアノは、早期に始めないと、それも才能を伴わないと一流になれないようです。

 普通の人は、習い事もほどほどに、嫌がったらやめるしかないでしょう。私の子どもたちもそうでした。音大に行ってもほとんどの子は、音楽家になりませんし、水泳教室の選手コースに行っても選手になれませんでした。
 以上がお答えです。あとは自分で考えて下さい。