黒部信一のブログ

病気の話、ワクチンの話、病気の予防の話など。ワクチンに批判的な立場です。現代医療にも批判的で、他の医師と違った見解です。

「子どもに対しての説教について」考える

2016-12-25 10:51:26 | 子どもの病気と犯罪の予防
       「子どもに対しての説教について」考える

 コメントにありましたので、通常はお答えしないのですが、大変重要なことなので、お答えに当たるかどうか判りませんが、私の考えを述べます。これはあくまで私のこれまでの僅かな経験と体験と、勉強して来た知識とで考えたことですから、一つの考えと思って下さい。
 できれば人生相談などへご相談される方がお母さん自身の問題として必要ではないかと思います。私はあくまで子どもの立場からのお答えです。これは一つの考えですから、あとはご自分で考えて下さい。また何か良い考えのある方はコメントして下さい。

 まず、子どもに話をしたり叱って、言うことを聞いてもらえる年齢は、ふつうは三歳過ぎからです。女の子は早く、男の子は遅いです。しかし、その年齢で子どもに期待してはいけません。
一般に叱られた理由は判らずに「してはいけないこと」としか判りません。ですから、言うことを聞く子も聞かない子もいます。中には顔色をうかがって、したりしなかったりします。そうしなければいけない意味、理由が判っていないのです。ただ叱られるかどうか様子をうかがってするのです。
 一般的には、親がよく判りやすく説明し、それで、よく理由を判って言うことを聞くのは、女の子では早くて小学校入学後であり、男の子では小学校中学年くらいからです。
 それ以前に親の言うことを無理やり聞かせようとするのは、無駄です。どんなに痛い目に合わせても、痛いことは覚えていても、またやります。
 死刑が犯罪の抑止力にならないように、痛い目に合わせても抑止力にはなりません。虐待を受けた子どもを見ると、骨折しても、あざができても、やけどができても、繰り返しします。なぜしてはいけないかが理解できないのです。特に、三歳以下では理解しろと言うのは無理です。それにその年齢以後でも、先に述べた年齢までは、判っていても従いません。
 それが子どもなのです。
 成長したら体罰をして言うことを聞く子は、体罰でなくてもきちんと説明すれば言うことを聞きます。話をして言うことを聞かない子どもは、体罰をしても言うことを聞きません。言葉でも、使い方により暴力になります。はやりの言葉でいうとハラスメントで、力関係で上の人が下の人にいうと、パワハラになります。
 そういう意味で、体罰は無意味であり、してはいけないのです。言うことを聞かない子は、逆にいつか仕返しをしてやろうと思うようになります。
 前述の年齢以前に、もし言うことを聞くとしたら、素直にきいてくれればよいのですが、なぜか意味が理解できないと、「闇教育」にも書きましたが、子どもが感情を押し殺して聞いているのだと思います。それが続くと、感情を表さないでまたは感情を押し殺して生きていく子どもになる可能性が高くなります。
 それはそうしないと生きていけないからです。子どもはすべて自分が悪いと思い、何とか親に合わせて生きて行こうとします。そうすると、自然に生じる感情は、それにじゃまになるので、押し殺すのです。それを繰り返していると、感情を持たない子どもになったり、または我慢していて、それを病気になることによって発散することになるのです。
 そうでない子は、反発して飛び出したり、逃げたり、そのほかいろいろな行動をとると思います。反発しない、または反発できない子どもは、自分を責めてしまいます。いろいろな子どもがいますから一概には言えませんが、何らかの行動をとらなければ、やはり自分を責めているのだと思います。
 一番心配なのは、感情を持たない子になることです。そうすると、池田小事件の少年Aのようになることが予測され、将来何らかの事件を起こさない保証はありません。がまんさせず、嫌なことは嫌というようにしましょう。喘息ならそれでよくなりますが、また繰り返せばまた喘息になります。性格が変わってしまえば、それを直すのは早いうちがよいです。
 父親にそれをやめさせることは難しいです。大人は自分の性格を変えるのは自分で気がついていても治すのは難しいし。自分で気がついていなければ、尚更難しいことです。

 母親は、まず父親の説教の後に、すぐか翌日くらいに、「お父さんがああいうのだから○○しなさいね。でも、そんなに気にすることはないわよ。お母さんだって忘れ物をしたことがあるわよ」とか「お母さんだってキャンプで火が起こせないわよ」とか言ってなだめ、「あなたはダメな子ではないわよ。○○したことが悪いので叱られたので、あなたは良い子だからちゃんとお父さんの話を聞いていられたのでしょ。」などと言って、お父さんのしたこと、言ったことを全否定はしないが一部は否定して、薄めて下さい。そして「お母さんはあなたのことを信じているからね」とか「お母さんはあなたのことを愛しているからね」と言って、母親の方へひきつけて下さい。そして「あなたはしっかりしているわよ」と言って、全否定された子どもを一人の人間として認めてあげて下さい。

 子どもが人の目を気にするようになっているのは心配です。それを何とか直さないといけません。それには、自分のしたことに自信を持たせることです。それには、お父さんに否定されたことでも、母親の目で見て、問題がなければ、そのように話してあげることです。
 あなたは、そんなことをすると父親からあなたが標的にされると恐れているのでしょう。しかし、大人で、もう既に出来上がっている大人のあなたが、まだ発展途上の子どもたちを守ることがあなたの勤めではないでしょうか。あなたが子どもたちの前に立ち、壁にならなければいけません。

 それができなければ、あなたはご主人と子どものどちらをとるかどうかが問われます。
 子どもをとるなら、子どもの立場に立ちましょう。あなたとご主人との関係を見直してはどうでしょうか。特に「いなくなってくれたらいいのに」などと言われて、あなたはどう考えていますか。「結婚したからには、夫に従う」などはもう過去の物です。
 私の祖母は「女は生まれてからは父親に従い、結婚したら夫に従い、老いたら息子に従う」という昔の考えでした。それで母と祖母はいつもけんかを繰り返し、父はどちらの方にもつけずにおろおろしていました。それで、祖母の矛先を受けたのは姉で、私は男であったので、あと継ぎとして見られ、まぬがれました。でも父も母も子どもや孫たちを叱ることはありませんでした(姉にはどうか判りませんが)。それで私は、今のように育ったのでしょう。

  夫の母親に相談してもだめです。母親はふつう息子の方につきますし、また女性では男に太刀打ちできません。相談するなら男性で、夫の伯父さんまたは叔父さんにすることです。いなければ、外部の男性、特に夫の信頼している人がよいです。第三者の方が話を聞いてくれると思います。それでだめなら、弁護士をたてるしかありません。

 門限や家の規則は親の勝手です。子どもが納得していなければ、何も強制力はありません。よく、本人も納得しているからと言いますが、本当に納得しているのでしょうか。いやいやしているではないでしょうか。子どもとの約束も同じです。
 これはみなさまに知って頂きたいことです。門限やその家だけの規則は、本当に子どもが納得し、その気にならなければ効力はありません。寝る時間も同じです。早く寝かせるには親が早く寝ることです。
 それは、暴力団に、または強権力的に、強制的に署名捺印させられても、その契約は無効にできます。もちろん、裁判所に認めてもらうことが必要です。
 それと同様に、親の一方的な考えでの門限や家の規則は、強制的に子どもに認めさせても、約束しても、それは無効なのです。
 また、子どもに教えても、子どもに興味がなければ、教えても覚えないのは当たり前です。それを覚えないからと叱っても意味がありません。興味を持たせておしえることが、ポイントです。しつけは教育ですから、教え込むことで、それには興味を持たせ、興味がある時に始めから正しいやり方で教えることです。目黒のある幼稚園で、三、四歳の園児に包丁をもって野菜を切ることを教えていました。それは、毎年のことで、一年上の園児が一人一人について、こうするのだよと教えるのです。そうすると必ずその通りにして、違うやり方や危ないことをしません。これが一番良い教え方なのですが、集団でないとできません。家では上の子に、下の子へ教えさせるのが良いと思います。

 子どもをだめだと全否定すると、本当にダメな人間になり、将来世間に出ていけないひきこもりになる可能性があります。また精神的な病気になる可能性もあります。子どもの人格を否定してはいけません。
 子どもを叱る時には、「あなたはダメな子ね」と言ってはいけません。「こういう悪いことはしてはいけません」と叱ることです。したことを叱っても、子どもの人格すべてを否定してはいけません。「あなたはいい子だから、こういう悪いことはしてはいけません」と叱ることです。
 そして父親が叱っていたら、母親がフォローして、陰でお父さんはああいうけれど、あなたはこういうことをしたから叱られたので、あなた自身はそんなに悪い子ではありませんよということです。
 喘息になったのは明らかにそのせいです。それはまた別に話します。
 お父さんに何を言っても無駄ですから、母親が壁にならないといけません。私は何も悪くないのになどと思ってはいけません。それができなければ、いろいろ証拠を録音しておき、離婚するしかありません。親が愛情で結ばれていなければ、仕方ありません。別れるしかないのです。大人はなかなか自分を変えられませんから、お父さんに変わることを期待しても無理です。
 もし愛があれば、あなたが子どもの間に入り、壁になることです。あなたは判っているのだから、いくらでも耐えて下さい。人の目を気にしたり、無表情になる子は、将来大変なことを起こすか、閉じこもるかするようになります。父親から離さなければいけません。それができなければ、将来どうなるか判りません。あなたが我慢してよいことはありません。子どもが大変になります。子どもを、これから犯罪者やひきこもりやニート、精神病や、その他いろいろな問題を起こす子にしたくなければ今しかないと思います。まだ回復は可能な年齢だと思います。
 私のいとこは、私より15歳以上も上でしたが、父親が東大法科卒で司法試験も通り、外交官でした。男3人女3人の6人兄弟で、男3人の3番目で、上二人は東大法科卒で長男は国家公務員上級職試験を通り当時の大蔵省へ入り、次男は司法試験を通り裁判官になりました。しかし、彼は法政大学を卒業しました。でも父親にとっては大学は東大しかなかったので、大学出ではない息子はできない息子と思い、「俺の目の黒いうちは俺が食わせてやる」と言って就職させませんでした。その結果、私はまだ子どもだったので詳細は判りませんが、医者になってみたら、彼はなんと統合失調症になっていたのです。
 私の大学時代に聞いたことですが、高校や進学塾で進路を聞かれた時に、成績の良い子は「僕は大学へ行きます」と答えたそうです。関東では成績の良い子にとって大学とは東大のことでした。だから東大とは言わず大学と答えたのです。私は、中学から慶応だったのでそれを知らず、その話を大学に受験をして入ってきた友達から聞いてびっくりしました。慶応なんか眼下にない大学だったのです。ですから、伯父がそのいとこに法政なんか大学じゃないということがやっとそこで判りました。
 そしていとこは精神的な病気になりましたが、伯父は息子の病気を認めず、伯父が病気で倒れて入院したすきに、当時私は医師になっていたので、友人の精神科医に相談し、精神病院に入院させたのですが、そこの医師に「大分古い統合失調症ですね」と言われました。そして、彼は精神病院の中で死にました。
 私の父も小児科医だったのですが、それを知っていても、口を出せなかったようです。そんな父を私は軽蔑していました。
 これは一つの例です。まだまだありますが、他人のことは表に出せないし、私の従兄弟も六人のうち一人しか生きていないし、その人ももう高齢なので、言ってもいいと思いここに出したのです。私も心療内科もしていますので、統合失調症、うつ病などには、必ず生まれて以後の過去があります。最近増えているニート、ひきこもり、発達障害などもそういう過去があると私は考えています。そういうお子さんをお持ちの方には、申し訳ないですが、そう考えることが、なぜ病気になるかを考えた時に浮かんでくるのです。それが私の病原環境論です。
 人はその生まれと、生まれて育った環境とによって、人になり、病気が決まってくると考えています。ですから、今の環境がお子さんによいとは言えませんから、何とか変えてあげることが必要だと私は思います。
 最後に、「闇教育」の中で参考文献として書いた本のひとつの「親を殺した子どもたち」という本があります。その本にに書かれていた子どもの一人は、親を殺したあとに「せいせいした」と言う言葉を言ったそうです。また昔、目黒で両親と祖母を殺した少年がいました。祖父はたまたまいなかったのでまぬがれました。その子は成績が悪いとお小遣いを減らされました。そう約束させられたのです。でもほんしんではありませんでした。そして一人っ子でしたので、四人の目で監視されていたのです。それが爆発したのです。その子は何と言ったかは書かれていませんでした。しかし「せいせいした」と思います。
 これを教訓的な言葉として、私は受け取り、みなさまにそうならないよう、子どもたちを育てて下さいと、新著に病気にならない子育て法を書いたのです。
 私はいろいろなことを知り過ぎ、過敏になっているのかも知れませんが、そうならないことを願っています。

熱性けいれんを考える

2016-12-20 18:22:07 | 予防接種、育児法
       熱性けいれんを考える

熱性けいれんを考える
 熱性けいれんは、よくあることで、約一割の子どもに起き、ほとんどは一回で終わります。 
詳しくは後述します。そして、けいれんを止める注射、座薬は抗不安薬のジアゼパム(商品名はセルシン、ホリゾン)です。
それで私の友人の神経小児科医との話の中で、親の精神的な問題があるのではないかということが話題となりました。子どもは親の拡声器ですから、親が神経質になると、ますます起きやすくなるのではないかと言うのです。私の長男が初めて熱性けいれんを起こした時に、私は別に驚かなかったのですが、細君は驚いて声も出なかったのです。もちろん何もできずにいました。細君は元小児科看護師のベテランで、当時は養護教諭でした。幸い二度と起こさず、下の子二人も起こさなかったのです。また、私の友人の泌尿器科医は、子どもが熱性けいれんを起こしたら、あわてて救急車を呼んでしまいました。
 多くの熱性けいれんの子は、救急車できますが、連絡が入ると、来てから少し時間を待っていくと、ほとんど気がついてケロッとしています。救急外来に行った時にまだひきつけている場合は抗不安剤の注射をします。そうするように先輩から教えられました。あわてて行って、注射しなくてもおさまる子に、抗けいれん剤を注射することのないようにするためです。
 ですから、一度熱性けいれんを起こしたからと心配する必要はありません。
予防接種で熱が出ることもまれです。あまり神経質にならないで下さい。
神経質にならずに、なった時はなった時で適切な対処をすればよいのです。それは私がお話しします。
私の医療は、ワクチンだけでなく、日常の医療でもちょっとほかの医師と違い、かかった病気について正確な知識をもってもらうことを勧めています。そのための情報を紙に書いてお渡ししています。まれな病気については、口頭で話しますが、必要なら次の時までに印刷したものを渡すことを目指しています。次に、ノベル熱性けいれんの話は、患者さん向けのものです。少し、古くなっているかも知れませんが、多くは現代でも通用しますし、私に神経小児科の知識を教えてくれた有馬正高先生の話も一部入れてあります。


           熱性けいれんの話         

★熱性けいれんとは
   熱性けいれんとは、発熱に伴って生じたけいれん発作のことです。
           一般には単純性または良性の熱性けいれんを指します。
☆熱性けいれんの特徴
◇ 熱性けいれんは通常生後6ヵ月から2才まで(遅くとも4才までの)に始まり、6才過ぎたら起きなくなります。
◇ こどもの内8~12%の子が熱性けいれんを起こします。
◇ 一般には両親のどちらかにこどもの頃熱性けいれんを起こしたことがあることが多く、また兄弟にあることが多い。両親共にあると、そのこどもの80%に起きます。親にあって1人の子にあると、次の子には80~90%起きます。一人の子に、1~2回熱性けいれんがあると兄弟には18%、3回あると兄弟には29%の確率で熱性けいれんが起きます。
◇ 熱性けいれんを起こすこどもの3分の2は1回で終り、3回までで終わるのが90%で、その後は熱が出てもけいれんを起こさなくなります。多くても大人になるまでに6回以内で終ります。もちろんそれ以上のことも、極くまれにあります。
◇ 通常熱が急上昇する時に、ひきつけることが多いです。だから、ひきつける前は熱がなく、ひきつけた時には、熱が高かったということが多いようです。熱が高い程起こし易く、大脳に何らかの侵襲が起きるからなると考えられています。
◇ けいれん発作の型は左右対称性で、両腕をクックックッと屈曲させ、その直後に手足をのばして固くつっぱり、その後ピクピクふるえますが、固くつっぱっただけで終ることもあります。ひきつけの特徴は、意識がなくなることですから、すぐに目を見れば分ります。け
いれんの後は麻痺は起きません。(麻痺が起きるのは別の病気です)
◇ 持続時間は通常5~15分以内で終ります。1回の発熱する病気(1~3日間)でけいれんは1回が普通ですが、まれに2回くり返すこともあります。解熱剤を使って、一旦熱が下がり、しばらくしてまた熱が上がってくる時に、ひきつけやすいです。
◇ こどもに精神や運動発達の異常のないことが良性熱性けいれんの条件です。
◇ 繰り返し起こしていると、稀に(1%以下)てんかんに移行することがあります。

☆ひきつけた時の処置
 ①けがをしないように周囲の危険物を取り除くことです。
 ②安静にし、刺激をさけ、抱きしめたりしない。刺激で、ひきつけが長引きます。
 ③顔を横に向け、口内の唾液をガーゼかティッシュペーパー でふきとります。
  吐き気がある時は、吐いたものを気管に吸い込まないように、顔を下に向けて吐かせます。
 ④衣服をゆるめ、呼吸を楽にしてあげます。
 ⑤高熱があれば、氷枕やタオルで冷やします。下熱剤は使わないこと。
 ⑥口に何も(割り箸、タオル、指、スプーンなど)入れてはいけません。舌が後ろに落ちて呼吸が止まることはありませんから。
 ⑦10~15分以上続いている時は抗けいれん剤を注射してひきつけを止める為に、小児科医のいる病院へ救急車でつれて行きましょう。けいれん止めの坐薬を入れて様子を見てもよいです。大抵はそれでおさまります。ひきつけが止まれば、あわてて行く必要はありません。

☆熱性けいれんの予防
 通常は3回以上熱性けいれんを繰返した場合に、予防を始めます。普通4~5才まで、年長ではじまった場合は6才まで続けます。
〇予防として下熱剤を薦める医者も多いですが、実際にはひきつけてから熱に気付くことが多く、間に合わないことが多いです。下熱剤に副作用があることや、熱が出るのは人間の身体が病気と闘っている為で、下熱剤は闘う力を薬で抑えてしまうため、使わない方がよいです。
〇予防の方法は、
 最近はジアゼパム(ホリゾン、ダイアップ)という抗けいれん剤(精神安定剤)の予防投薬で、発熱時に間欠的に坐薬または飲み薬で、使用する方法がアメリカのNIHから1980年に熱性けいれんの管理に関する見解として出され、日本でも普及しています。(0.3~0.5㎎/㎏/日)しかし、この量だと多すぎて、翌日にも残り、ふらふらすることが多く、私は、もう少し少なめに使っています。坐薬を希望の方は申し出て下さい。
 そのやり方は、熱が37.5゚C前後になったり、寒気や頭痛がして熱が出そうだったりした時に、すぐ薬(1回目)を飲ませるか、坐薬を入れます。その後5~10分後には効き始めます。
 その後38゚C以上の熱が出たら、1回目から8時間後に2回目の坐薬を入れるか、薬を飲ませます。もし熱が出なかったならば、2回目は使わずに終ります。
 熱が続いても、2回で終りにし、2回薬を使えば2回目から36時間以上効いていますので、その間ひきつけません。熱性けいれんは、熱の出始めに多いので、ある程度時間がたてば、ひきつけないことが多いです。
 普通の病気で、48時間以上熱が続くことは稀ですし、熱が長引く時は熱の原因を確かめる必要があります。

★熱性けいれんを繰返した時に、脳波検査が必要な場合は
 ①熱性けいれんを3~4回以上起こした時
 ②1回の発熱する病気で2回以上起こした時
 ③無熱か、38.5゚C未満でひきつけた時
 ④症状が、対称的でない時や持続時間が20分以上と長い時、
 ⑤ひきつけ後入眠したり、麻痺が残ったりした時
  以上のどれかが見られたら、専門医をご紹介しますからご来院下さい。紹介状を書きます。
                                           以上

予防接種を考える時に

2016-12-20 18:12:29 | 予防接種、育児法
      予防接種を考える時に

 皆様に、ぜひ考えて頂きたいことは、あなた個人のことでなく、日本の社会についてです。日本の社会がどうなっているか、予防接種をめぐるいろいろな社会状況がどうかを知ってほしいですし、私が日本の子どもたちに思っていることを知ってほしいのです。

予防接種を考える時に
1.予防接種を考える時に、まず皆さんの心の中に自分の子どものことだけを考えているのではないでしょうか。
 私は、子どもは「社会の子ども」と考えています。子どもはいつから一人の人権を有するかと言うと、私は、本来は「受精した時から」と考えますが、そこは早すぎると言う意見もあり、その次は「妊娠中絶ができなくなる時期から」となるか、次は「おぎゃーと生まれてから」となります。そして、人として生まれるからには、人は社会無くしては生きていけないので、「社会の子ども」なのです。
 人は、社会的に人間になるのです。ロビンソンクルーソーの様に一人で生きていくことはできないのです。ロビンソンクルーソーは夢または憧れなのです。
 人は、社会的存在なのです。ですから私は人を「心と体をもつ社会的存在」と考えます。
心と体は表裏一体のものであり、心は社会的に作られるものです。社会無くしては、人は存在できないのです。

2.予防接種を推進している小児科医の中に、年間千人以上接種している医師がいます。医師一人で、パートの医師も使って、30人くらいの職員をかかえ、多数の患者さんを診ています。そういう医師が少数ですがいて、数人の医師で予防接種が年間1万人をこえるのではないかと思います。驚くことに、そういう小児科医では、予防接種事故または過誤の報告がないのです。どうしているか推察すると、問診や診察で、危なそうな子どもをふるい落として、健康な子どもだけにしていると思うのです。ちょっと問題があれば、次の機会にまわします。小児科専門医でワクチンを受けることを勧めるのは、そこにあります。
 予防接種事故を起こしているケースを見ると、問題を抱えているのに、接種しているのです。手術して10日しかたっていないとか、いろいろな薬を飲んでいるとか、調子が悪くて部活を休んでいる時とか、風邪気味とか、何らかの健康上の問題をかかえている状態で接種してしまっています。小児科専門医以外でも予防接種できることに問題があります。しかし、小児科医が少ないので、医師会が反対して、小児科医だけで予防接種をするとなると大変で、まして乳幼児健診も、学校医や幼稚園医などもすべて小児科医がしなければならないとなるとお手上げになりますし、小児科医がいない市町村も少なくなく、今でも予防接種をする医師がいない市町村が全国で30くらいありますから、小児科医に限定するとその何倍にもなると思います。

3.小児科医が少ないのは、小児科医が大変なからです。「小児科医にゴルフのうまい医者はいない。小児科医で学校医の仕事で良い仕事をした医者はいない。」とこんなことが言われています。それは、小児科医は忙しく、暇がなく、しかも稼ぎが少なく、ゴルフも学校医での研究などの仕事もする余裕がないのです。私の友人で、小児科医の息子なのに、小児科に行くなら学費を出さないと父親に言われて、産婦人科医になった人がいました。

4.私が国立埼玉病院にいた時には、予防接種はすべてほかの医師に断られた人だけにしぼっていました。当時の基準では多くの人が接種の適応外としてはじかれていたのです。その方が安全でもあるのですが、受けられない子も多かったのです。それで、私はそういう子のために、予防接種をしていました。しかし、他の医師から回ってきたりした子どもに接種しても、何も問題は起きませんでした。てんかん、心臓病、腎臓病などの慢性疾患の子どもたちがその対象でした。
 ワクチンは、良い健康状態の時に受けて下さい。親の都合で決めないで下さい。それが安全な受け方なのです。

5.なぜ私の考え方が変わったかというと、

○ 私の病原環境論の一端を述べると、(デュボスによる)
 あなたは、アメリカ先住民(インディアン)が白人に銃で負けたと思いますか。違います。アメリカ大陸に各地で、先住民が白人の侵略者に負けたのは、一つは侵略者を敵と考えなかったことと、もう一つは病気を持ちこまれたことです。アメリカ大陸に今から1万5千年かです。ら5千年前くらいの間に、アジアからモンゴロイドがベーリング海峡を歩いて渡ったのです。
つまり、アメリカ大陸の先住民は、私たちの祖先と同じモンゴロイドでした。日本人の祖先が日本に定住したのも1万年前と言われています。
 アメリカの先住民たちは、白人に持ち込まれた結核、天然痘、発疹チフスなどによって滅ぼされたのです。代わりに梅毒がヨーロッパに持ち込まれました。歓迎しておもてなしをしたのは女性たちでした。
 しかし、スペイン人は戦いの時には、船旅の間に発病した患者の衣服をわざわざ残して逃げ、それによって先住民がかかり、次々と死亡したのです。例えば結核では、結核がアメリカ大陸にはなかったので、初めてかかった一代目は、粟粒結核や結核性髄膜炎などの全身結核になり、それを生き延びた二代目は「るいれき」という頚部リンパ腺結核になり、三代目にして肺結核になったのです。それは、結核菌と先住民との適応関係がしだいに出来上がっていったのです。これが、インディアンが白人に負けていった理由です。生き残った人々は少数で、もう武力で太刀打ちはできなかったのです。3万のメキシコの大軍が、たった600人のスペイン兵に負けたのも同じことでした。こちらは天然痘でした。
 それで先住民の神は、現地人を救ってくれず、白人の神は白人たちを救ったと考えて、現地の人がキリスト教に改宗していったと思われます。
 これを日本人と日本脳炎ウイルスとの関係に当てはめると、よく判ります。もう日本人は高齢者か免疫が低下した人しか日本脳炎を発病しなくなったのです。

6.また、デュボスはロックフェラー結核研究所所長で結核の研究者でしたので、結核菌の研究をし、重症の結核の人と軽症の人の結核菌の違いを調べましたが、どこにも違いがなく、結局かかった人の健康状態に違いがあると考えたのでした。
 私は、それで健康な状態を維持すれば、ワクチンが要らない病気が少なくないと考えます。そこで、私の考えでのワクチンの要否は、お子さんの健康状態にあると考えています。
それで私の新著には、そのことが書いてあります。