福島をめぐるもろもろのこと
東電は国が接収すべきです。東電では被害者の救済をできません。チェルノブイリ事故後の被害者の救済をしたら、ソ連は経済破綻し崩壊したのです。旧ソ連邦社会主義圏は、医療、教育、電気、上下水道、暖房などの生活費用はすべて無料だったのです。その上、強制的に避難させた費用も、避難者の住宅もすべて国が作りました。しかし、その途中で経済破綻し、強制避難地はできたのですが、準避難区域は途中でできなくなり、避難できない人が残されました。
避難した人もがんで亡くなる人も多いのですが、原発事故のせいとは認められていません。国際的に認められているのは、甲状腺がんだけです。しかし、多くの人が、事故以前以上にがんで亡くなっています。
今福島県の検診で甲状腺がんの子ども、主に思春期の子どもですが、見つかり手術されています。当初は被ばくのひどい地域からでしたので人数も多く、だんだん離れた地域の検診になり少なくなってはいます。ということは、今まで見つけられなかったものが検診で見つかったのではなく、やはり原発事故による被ばくによるものではないでしょうか。チェルノブイリでは4年後から急増しましたが、それは検診ではなく、臨床症状が出てから見つかったものなので、福島とは比較できません。しかし、これからどんどん増えてくるのではないでしょうか。それが心配です。
避難したくても避難する所のない人は、避難できませんし、仕事を見つけるのも大変です。ソ連は崩壊するまでは、それを保障したのです。東電も崩壊するまでは保障するべきです。できないなら国が東電を吸収してするべきです。国の政策としてやってきた結果なのですから。しかし、それもせずオリンピックや高速道路、新幹線などに予算を使うようです。今避難させられている人はもう帰れませんし、避難させられずに、本当は避難しなければいけない土地に住んでいる人たちは、今後数年後から被害が出てくるでしょう。保障を打ち切るなどと阿部政権は言っていますが、そんな人たちを許してよいのでしょうか。
チェルノブイリの現地を見ていると、その上を行くような被害が被ばく者の上に降りかかると思います。国家が救済しないのですからひどいです。東電救済が、被災者救済より優先されている気がします。