黒部信一のブログ

病気の話、ワクチンの話、病気の予防の話など。ワクチンに批判的な立場です。現代医療にも批判的で、他の医師と違った見解です。

乳幼児を病気にしないために

2012-06-19 14:24:58 | 健康・病気

乳幼児を病気にしないために

1. 普通の人は誰でも、自然免疫の仕組みをもっています。俗に自然治癒力と言いますが、まず第一に、外界に接触する場所に、細菌やウイルスや多くの微生物が棲みついていて、人と共棲関係にあり、それが外来の微生物たちを追い払ってくれています。垢が出るのは、侵入してきた微生物を皮膚の角質層で食い止めて、自然に脱落させ、皮膚からの侵入を防ぐシステムの一部なのです。[ところが体調が悪いと、そこに水虫(白癬菌)が棲みついたりしますが。] 外界と接触する場所は、皮膚、目、耳、鼻、口とのど、乳首、外陰部(肛門、泌尿器、性器)など人体のすべてです。細かく言えば、唇、毛と毛孔も含まれます。

 第二に、その防御システムを突破されて入った時に、そこの場所で外来の微生物と闘います。それが、免疫学的な「自然免疫」です。毎日、鏡でのどを見てご覧なさい。赤い時も、赤くなく健康なピンク色の時もあります。舌を見てもいろいろです。でも、そこで侵入してきた外来の侵入者を撃退すれば、病気になりません。口の中などは、よく歯でかんだり、楊枝や歯ブラシなどで傷がついても、健康な時はすぐ治ってしまい、体調の悪い時に口内炎になるのです。その仕組みが、体全体に働いていて、健康でいられるのです。

 だからいつも体の働きを活性化し、病気にならないようにすればよいのです。

 第三が、獲得免疫と言われるもので、病気にかかったり、予防接種を受けた時にできるもので、病気にかかれば、強くなるというのは、少し違うようです。第三の防御システムだからです。ワクチンを受けたから安心というのも、いささか疑問です。もしかして、ワクチンを受けても、健康なために第二のシステムで排除してしまえば、ワクチンは、つきません。それで、ある時体調が低下し、抵抗力が落ちた時にかかったりします。ワクチンでも、生ワクチンは生きた菌やウイルスで免疫がつきやすいですが、不活化ワクチンは死んだかどうか判らないが活動性を失ったワクチンなのでそう呼ばれますが、つきが悪いのです。不活化ワクチンの代表は、インフルエンザと日本脳炎です。生(生きている)ワクチンでもつかないのは、本当に健康な人は、免疫の仕組みで排除してしまうからです。しかし、誰でも現代社会に生きている限り、免疫力をいつも高くしていることは難しく、落ちた時に入ってくるとかかるのです。

2. 子どもの感染性の病気の原因が、免疫が落ちた時に、外界から入ってくるとかかるのは防げません。そこで、一部は獲得免疫(自然感染かワクチン)に頼るのですが、それなりに合併症があり、100 安全ではありません。危険を伴うことがあります。また、体内に潜んでいたウイルスや細菌が、抵抗力が落ちた時に動き出すのです。その原因は、多くはまわりの環境、特にストレスにあります。インフルエンザb型菌(ヒブ)も、肺炎球菌も、溶連菌も、一部の子が常時持っている菌の一種です。免疫が低下した時に病気になります。

3. 子どもの免疫のシステムは、6カ月で8割、3歳で9割、5~6歳でほぼできあがります。とびひ(伝染性膿痂疹)にかからなくなるのは、小学校半ばの学年ですから、その頃にはほぼ大人と同等の免疫のシステムが出来上がっていると思います。またそれにも個人差があります。だから、乳幼児期に病気が多く、小学校に入る頃には、余り病気をしなくなります。

4. アレルギーも免疫システムの一部の障害から生じるものです。うまく環境に適応できない時に生じるのです。乳児期にアトピー性皮膚炎や喘息様気管支炎になり、3歳前後でうまく離脱できることもあれば、気管支喘息に移行してしまうこともあります。それに免疫のシステムが関与しているのです。免疫を活性化するには、いつも楽しく、のびのび生きて行くことです。ストレスは免疫を低下させます。過保護も過干渉も病気にかかりやすくします。

5. その為には、どうすれば良いでしょうか。

 子どもをのびのび、孫悟空のように自由に育てることです。その為には、

3歳前までの乳幼児は、叱っても、叱られた内容を覚えていませんから、叱っても意味がありません。そこで、いけないこと、悪いことをした時(しようとした時も)に、叱らずすぐにほかのこと(おもちゃやテレビなど)に、関心をすり替えて下さい。子どもは、興味があれば、すぐ関心を向けて、前のことを忘れてくれます。そしてすぐ、ほめてあげます。

 子どもはそれを繰り返すと、ほめられたいから、親の言うことを聞いてくれます。

3歳すぎたら、それがうまく行かなくなります。そしたら、なぜいけないのか、なぜ危ないのか、子どもに判るように説明します。そして、言うことを聞いてくれたら、すぐほめます。しかし、男の子や元気な女の子の中には、言うことをきかない子がいます。なぜいけないか説明してもきかない時は、怒ってもよいです。しかし、体罰はいけません。言葉で怒りましょう。女の子で小学校に入る頃には、説明すれば大体の子は言うことをきいてくれますが、男の子の中には、2~3年生にならないときかない子もいます。始終叱っていると、慣れてしまい効果がなくなります。母親が言ってもきかなかったら(これは鉄砲)、父親にどかんと(大砲のように)叱ってもらいます。大抵、それでおさまります。それでもダメな子はなかなか難しいです。叱ることが有効なのは、滅多に叱らないことで、いつも大目に見て、余程のことでない限り、叱らないでいると、叱ることに効果があります。

6.小学校に入る頃には、子どもは病気をしなくなります。一生の内で一番病気が少ないのは、小中学生です。そしてかかるのは、多くは、アレルギー性の病気や喘息で、こころの影響がでてきます。5歳すぎたら、ヒブ(インフルエンザb型菌)、や肺炎球菌の重症タイプにはめったにかかりません。それまで、上手に育てましょう。お釈迦様のように、孫悟空を自由に動き廻らせながら、手の中に閉じこめておくこつをつかんで下さい。北風と太陽が旅人のマントを脱がせる競争をした時のように、暖かく子どもを包みこんで、マントを脱がせましょう。

 子どもにうそをついてはいけません。本当ではなくても、うそにはならないように言いましょう。注射が怖くて病院へ行かない子には、「注射しない?」と聞いたら、「先生にきいてみましょう」とか、「今日は病気だから、お薬だけかもしれないよ」とか言います。決して「注射しない」とは言ってはいけません。一度うそをつくと、二度と信用してくれません。親がうそをつかなければ、子どももうそをつきません。もし、うそだと判っても、信じているふりをして下さい。そんなに長くうそをつき続けませんから。子どもの言うことは必ず、信用して、疑ってはいけません。もしうそなら、何か訳があるはずです。それを探ることです。「うそつき」はうそをついて良いのです。「良い子」はうそをつけないのです。良い子にして下さい。  


早期離乳のお勧め

2012-06-08 11:11:06 | 健康・病気

早期離乳をなぜ勧めるのか

第一は病気の予防です。赤ちゃんは母乳やミルクだけでは、まずビタミン類特にビタミンCとカロリーと鉄分が不足しがちです。それを補給するのが離乳食です。アメリカ小児科学会の勧告でも母乳は生後3ケ月以上続ければ充分です。未熟児上がりの赤ちゃんには早期からビタミンCと鉄分を補給します。これは日本でもやっていることです。未熟児で必要ですから、普通の赤ちゃんも2~3ヶ月を過ぎるとだんだん必要になって行きます。特に5~6カ月まで離乳を始めないと、その傾向は大きくなります。しかし、日本の小児科医たちは、旧態依然の50年前の離乳のやり方を踏襲しています。それでは赤ちゃんが可愛そうです。早期離乳は、体や神経筋肉の発達がよくなり、特にグルコース(糖分)を補給することが脳の代謝を活発にします。また鉄分は免疫を強化しますから、鉄分が不足すると病気特に感染症にかかりやすくなります。

第二は、情緒安定です。赤ちゃんの食欲を充分に満たしてあげることは大切です。もちろん母親から愛されていること(前回のお話)、不快なことから逃れることも大切です。情緒の安定は病気の予防につながります。指しゃぶりや何でも口に入れるのは、フラストレーションで何かに満足感を得ていないのです。その第一は食欲です。食欲を充分満たしてあげましょう。

第三は、早期離乳は母親を楽にしてくれます。6カ月で、1日3~4食で母乳やミルクが2回くらいになると、夜もぐっすり眠り、食事も親の食事の一部を上手に利用して離乳食にすれば手もかからず、母親を悩ますことも少なくなります。手を抜いて離乳食を作りましょう。赤ちゃんもぶくぶく太りでなく、固太りになります。その方が動きも活発になります。

第四は、食欲に忠実に従うことによって、自然界の動物たちと同じように、やせすぎにも太りすぎにもなりません。それを3歳までに身に着けると肥満になり、小児成人病や大人になっての肥満になる確率が低くなります。これも病気の予防になります。

第五に、食べることに関心が無くなり、自然にお腹が空いたら食べ、空かなければ食べない習慣を身に着けることです。そして7ケ月以前に硬い物を与え、もぐもぐかむことを教えます。咬まない子が増えているのは、口に入れればすぐ呑み込める軟らかい物ばかり与えているからです。犬がドッグフードで育つと骨を食べなくなるのと同じです。

最後に、日本の小児科医たちは、勉強をしません。戦後間もなくの東大小児科の故詫摩武人教授が、「赤身の魚も白身の魚も違いがない」という論文を読んでいる小児科医がどのくらいいるでしょうか。ほとんど皆知らないのです。

2~3ヶ月で出生時体重の2倍になる時代に、6カ月になって体重が倍になる時代の離乳を勧めている小児科医にあきれます。アレルギーは、卵をさけることと、親の好みを押し付けず、オーソドックスな離乳食を早めに進めることです。ぐたいてきなやり方は、次回にお話しします。試してみて下さい。赤ちゃんが決めて選んでくれます。赤ちゃん中心にし、医師や栄養士に任せないで下さい。


赤ちゃんを病気にしないために

2012-06-05 06:47:15 | 健康・病気

 赤ちゃんの病気を防ぐ為に                                    

☆もし現代の病気が、ストレスからくるものだとしたら、いつも自分のしたいようにしていて、おっぱいを飲んでは寝ている「赤ちゃん」のストレスは何なのだろうか。20年前に、あることに気がつきました。それは、お姉さんやお兄さんが始終赤ちゃんにさわったり、なめたりしていることが多いほど、赤ちゃんに病気、例えばかぜをひいたり、アトピー性皮膚炎や喘息様気管支炎になることが多いのです。赤ちゃんは泣きませんが、さわられるのを「いやだなあ」という顔をしています。それがストレスなのです。それで病気になるのです。

 だから初めてのこどもの場合は、ほとんど病気にかからないですが、2番目、3番目の子になると赤ちゃんのうちから病気にかかるようになります。

☆アメリカのホワイト博士によれば、7ヵ月までの赤ちゃんは「父母や周りの人から愛され、かわいがられていると、感じさせることが大切。」と云い、「愛されている」とは「気持ちがいい」ということだという。「赤ちゃんが泣くのは、何かを要求している時だ。それを理解し、要求に応じてやることが、赤ちゃんを気持ちよくさせる」といいます。

☆だから赤ちゃんをいつも「いい気持ち」にしてあげると母親の愛情を感じるのです。お腹がすいたら、おっぱいを飲ませ、うんちやおしっこでオムツが汚れたら、すぐ取替えてあげ、いつもいい気持ちにしておくことです。

 それは決して、抱いたり、ほほをくっつけたりすることではありません。本当のスキンシップは、こころがかよいあうことで、肌がふれることによって、気持ちがかよい合うことなのです。ただくっつけば良いのではありません。

☆日本では、形だけのスキンシップ論が横行していて、愛することを、肌をくっつけることと誤解している医者が多いので、まどわされないようにしましょう。

 私は、小児科医として、初めて診察にきた、赤ちゃんやこどもたちと、仲良くなる為に、やさしいしぐさと、診察が終わったら必ず頭をなでてほめるようにしています。私の気持ちが通じると、次から怖がらなくなります。頭をなでたり、診察の時にそっと身体をさわったりすることが、スキンシップなのです。べたべたと、肌と肌をいくらくっつけても、それだけでは心はかよいません。

 肌がふれあうことから、親近感をもち、心がふれあうきっかけとなるのではないでしょうか。

 ☆赤ちゃんでも、抱いてほしくない時もある。

 抱いてほしくない時に抱かれたり、べたべたと身体をさわられたりするのは、必ずしもいい気持ちとはいえません。あなたも誰かにいつもさわられたり、抱かれたりしていて、いい気持でしょうか。抱いてほしい時も、誰かとくっついていたい時もありますが、いつもではありません。特にこころが満ち足りている時は、時々してもらえば十分なのです。むしろ満ち足りているときは、そっとひとりにしておいてほしいものです。

☆3ヵ月前後の赤ちゃんは、おきている時間が長くなりますから、コンビラックなどにのせて、頭の方を高くして、お母さんが見えるようにしてあげます。そうするとじっと見ています。見えなくなると泣いたりします。抱いたり、おぶったりすることはありません。

 「母親に愛されている」と感じているこどもは、母親のそばでじっとしていません。どこかへとんでいってしまいます。「母親が自分を愛していないのではないか」とか、「自分を置いて、どこかへ行ってしまうのではないか」という不安があると、母親にくっついていないと不安がひどくなるので、いつもくっついています。

☆初めての赤ちゃんは、「いい気持ち」にしてあげると、病気をしないのですが、2番目や3番目の子になると、上の子が、赤ちゃんを生きているおもちゃにしてしまうので、始終病気をするようになります。赤ちゃんはお人形やぬいぐるみよりもはるかに面白い生き物です。猫や犬のようにひっかいたり、かんだり、逃げてしまったりしません。だから、ちょっとさわったり、つついたり、頭をなでたり、手をにぎったり、とにかく退屈すると赤ちゃんをかまうのです。それが赤ちゃんにとって、うっとうしく、いい気持ちになれない事情なのです。

 初めての赤ちゃんでも、姪が来ていつも抱いていたとか、おばあちゃんが抱いてばかりいたとか、お母さんが可愛くてしかたなく、始終抱きしめ、ほほをつけていたなどということが多いと、赤ちゃんはそれがうっとうしく、いい気持ちではないのです。

☆赤ちゃんがいい気持ちになっていないことが、赤ちゃんにとってのストレスです。

そのことが、病気にかかりやすくしているのです。ストレスによって、免疫の力が低下し、かぜをひいたり、気管支炎をおこしやすくなります。また、アトピー性皮膚

炎などのアレルギー性の病気になりやすくなります。

☆お母さんが上手に、できるだけ上の子から離すようにさせると、病気が軽くなったり、かからなくなります。決して「触ってはだめよ」と言ってはいけません。しかると、ますますやるようになりますから。上の子のために、赤ちゃんとして、大きいお人形さんを与えたり、さわろうとしたら、上の子の相手をしてやったりするのですが、なかなかそれが難しいのです。せめて病気の時は、「今は病気だからさわらないで」とさわらせないで下さい。

そして「あなたはいい子でしょ」と言って下さい。子どもはいい子になりたいから大抵は言うことを聞いてくれます。うまくいかない時は、相談して下さい。                             

☆或るおもちゃの図書館に関わっている人から聞かれました。「この世の中で一番おもしろいおもちゃは、何だと思いますか。」私は、いろいろ考えて、次々と言いましたが皆違うと言われました。答えは「人間」だったのです。

☆赤ちゃんを抱いたり、触ったりしていないと不安になるお母さんがいました。その子は始終病気になりましたが、私の話に耳を貸さず、他の医者に行ってしまいました。抱いていないと、お母さんが不安になり、抱かずにいられないのです。

☆赤ちゃんの、アトピー性皮膚炎も喘息様気管支炎も、赤ちゃんのストレスをなくすと治ります。治るというのは、3~4日できれいに治ることです。私の診療所に新しく勤めた看護婦が、私が「一週間後に見せて下さい」とひどいアトピーの子にステロイド治療を勧めて帰し、一週間後きれいになって来たのに驚いていました。第一子の治療は、保育所などに行かず、祖父母も同居していなければ、楽です。すぐよくなります。しかし、そうでないと、いやなことを「いや」と言えないうちは、病気を繰り返します。

☆埼玉県立小児医療センターの感染免疫科の医師が、私の紹介した患児の親に、紹介されて来る子は、圧倒的に第二子、第三子が多いのはなぜだろうかと言っていたそうですが、私は当然だと思います。

☆赤ちゃんのストレスは、意外なところにあったのです。赤ちゃんはストレスがないものと思っていましたが、赤ちゃんの目を見ていると、いやだか、いやでないかが判ります。同じことをされても、平気な子もいれば、いやがる子もいます。赤ちゃんの目を見ればすぐ判ります。赤ちゃんの健康は、ストレスをなくすことで、ワクチンではありません。上手に育てれば、ヒブワクチンも、肺炎球菌ワクチンも要りません。ヒブ菌も肺炎球菌も、乳幼児の5~10%の子どもののどに持っている菌で、抵抗力が落ちた時に発病し、抵抗力がひどく落ちていると重症化する菌です。多くの健康な子は、発病しても軽くて、かぜやのどの病気と診断されて治るし、もっと健康だと、病気にならずに過ぎて行きます。そういう子育てをしましょう。

 第一子で、余り病気をしたことのない子は、尚更、ワクチンの必要はありません。むしろ副作用で亡くなる子がいますから、10万人に一人でも悲劇です。健康でいたのに、ワクチンで死ぬことになったのですから。病気になって死ぬのと違います。再開後も死者が出ています。特にヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンは常在菌で、5~15%の乳幼児が持っている菌です。抵抗力が落ちた時に発病するのです。わたしの説は、赤ちゃんを病気にしないようにしておくと、ワクチンの必要はありません。

私は赤ちゃんのストレスに気が付くのに10年かかりました。病原環境論から赤ちゃんが病気にかかるのは、何かストレスがあると思っていたのですが,なかなか気が付きませんでした。病原環境論の第二の弱点は、遺伝性、先天性疾患です。これは現代の遺伝学と免疫学で判りました。又別の機会にお話しします。