黒部信一のブログ

病気の話、ワクチンの話、病気の予防の話など。ワクチンに批判的な立場です。現代医療にも批判的で、他の医師と違った見解です。

予防接種を受けない方へⅢ

2014-06-10 10:12:15 | 健康・病気

まず、私と同じ考え方の医師はほとんどいません。予防接種に批判的でも、病気と人間の関係についての考え方が違います。予防接種に批判的な医師は、少数ですがいます。私が、昔、小児科学会で改革運動をした時の仲間で、ほとんど高齢化し、若くても50歳代です。しかも、当時関東から九州までしか広がらなかったので、東北、北海道にはいません。しかも、改革運動が終焉して、大学を追われ、ばらばらになり、その後も運動を続けている人も、つながりがなくなり、連絡が取れなくなりました。予防接種に批判的な医師は、雑誌「ちいさいおおきいつよいよわい」に書いているか、ワクチントーク全国(HPあり)にいます。でも全く同じ考え方とは言えませんが。

 予防接種をうけない時に、いろいろ干渉されますが、それを乗り越えても、まだ問題が残ります。一つは、かかった時の対策です。まず解熱剤の問題があります。この問題も、その内に書きますが、熱は感染した細菌やウイルスの繁殖を抑えるために、自分の体の脳にある体温調節中枢が指令を出して、熱が出ているのです。それを解熱剤は、ブロックして、熱を下げているのです。ですから、自然免疫を抑制しているのです。解熱剤は、どんなことがあっても使わないでください。

 解熱剤の最大の副作用は、ライ症候群とライ様症候群で、症状としては急性脳症か急性脳炎です。私は、麻疹、手足口病、インフルエンザ、DT二種混合予防接種後などの熱に解熱剤が使われて、脳炎を起こし、死亡したり、後遺症を残して訴訟を起こした人を見てきました。国立埼玉病院時代以後、解熱剤を使わないように勧めてきました。それで問題が起きることはありません。

 予防接種を受けない時に問題となるのは、麻疹脳炎ですが、これは解熱剤を使わないことで、なる確率は大幅に減ります。風疹は、妊娠中にかかることで胎児が先天性風疹症候群にかかることです。これは、妊娠する前に風疹抗体を調べて、抗体がなければワクチンを接種するしかありません。風疹にかかっていないか、ワクチンをしていなければ、直接ワクチンをしても構いません。これは女性だけです。おたふく風邪は、大人になってかかると男性は、20~30%の人が片側の睾丸炎になり、痛いのが特徴で、ひどいと入院する羽目になります。精通と言って、精子ができる年齢になったら、覚えやすくするなら、中学入学までにかからなかったら、ワクチンを受けておきましょう。水ぼうそうも同じで、大人ではひどくなりますから、中学入学前に受けておきましょう。ジフテリアは、存在していないし、かかったとしても抗生物質で治療できますから問題はありません。百日咳は、接種しても70%の有効率ですし、今世界的に大人で流行して問題になっています。しかし、乳児期を過ぎたら、死ぬことは無くなりますので、つまりかかって早いうちに適切な抗生物質(マクロライド系)を飲めば、重症化が防げ、咳も100日続かず、1か月でおさまります。軽いかぜの症状が数日続き、ある晩、突然ひどい連続する咳が始まり、息がつけず、咳がおさまるとフーッと息を吸います。これが特徴で、乳児は、息がつけずに顔を真っ赤にし、ひどいとチアノーゼになり、もっと進むと顔を真っ黒にし、死亡します。コンコンコンという咳き込みとその直後に息をつくことが特徴ですが、成長すると典型的ではなくなり、長引く関となります。そうなると、診断が難しくなります。破傷風は、まずあごが開かなくなり、救命救急センターに行かないと死ぬ病気ですから、ワクチンを勧めます。今は毎年100人くらいがかかり、10人くらいが死亡しています。

妊娠後期に水痘やおたふく風邪、麻疹などにかかり、新生児が生後7日以内にかかっても大変です。小児医療センターの感染症科にかかり、発病予防をしないと死に至ることがあります。女性は、妊娠する前には、抗体検査はしていた方が安全です。

 結核は、周囲の大人の結核対策が必要です。主に50歳以上で、特に70歳以上がほとんどです。家族内感染が70%ですが、学校などの集団感染もあります。大人で咳が二週間以上つづくか、三日以上の発熱では、検査しましょう。中学生以上は、発病するとうつりますが、小学生以下は子どもからこどもへはうつりません。感染しているかどうかは、ツベルクリン反応で検査します。強い陽性になったら、予防的に抗結核剤を予防的に飲みます。この方式で、アメリカはBCGをせずに、日本の十分の一以下に減らしたのです。

 最近登場したヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンは前に述べたように、常在菌ですから、叱らずのびのびと子どもを育てると、かかりません。B型肝炎は、普通にかかれば、一か月で治りますし、重症化するのは免疫が低下した時だけです。インフルエンザワクチンも、日本脳炎ワクチンも、効きませんから、接種してもかかります。軽く済むということはありません。かからなかったり、軽く済んだ人は抵抗力があるからです。子宮頸がんワクチンは、がんのワクチンではありません。検診をすればよいです。ワクチンをしても検診は欠かせません。ロタウイルスは、感染した時に、吐いている間は飲ませないことです。吐いてもいいから飲ませなさいというのは、間違いです。その為、重症化し、死亡した子どもたちを見てきました。早いうちに飲ませずいると、脱水が軽いうちに飲めるようになりますが、それについては詳しい話が必要になりますから、詳細は省略します。私の本でも読んでください。

 ということで、現在は多くの病気には対策や治療法があります。それが受けられない発展途上国では必要でしょうが、現代の日本では、子どもの病気の時に親が休暇をとれるような北欧社会のような国にするべきです。選挙の時に、その権利を行使して下さい。


予防接種を受けない方へⅡ

2014-06-07 17:03:24 | 健康・病気

 予防接種を受けないと、現代社会では、いろいろと干渉されます。

 こんな状態になったのは、数年前の新型インフルエンザ騒動以来です。インフルエンザを怖い病気だと宣伝したのは、そう言っている医学者特に小児科医を主とした予防接種の専門家と称する人たちとそれに乗った政府、厚生労働省の課長クラスたちで、それをマスコミが広げたのです。インフルエンザウイルスは、賢く生き残る為に、5~7日で体内での繁殖を止めてしまいます。なぜなら、かかっている人が死んでしまったら、一緒に死んでしまい、子孫を残せないからで、子孫を残し繁栄するには、適度に繁殖して歩きまわらせ、ばらまいてもらうことが必要だからです。ですから滅多に死ぬことはありません。抵抗力のない人、免疫抑制剤を使っている人などで、普通の人は3~5日、まれに7日の熱を解熱剤を使わずに我慢して、冷やすだけにしていれば、ワクチンもタミフルやインフルエンザの薬も解熱剤も要らないのです。

 しかし、熱は下げなければいけないなどという間違った考え方が、医師を先頭にして世間では氾濫していますから、解熱剤を使い、早く治そうとタミフルやインフルエンザの薬を使い、予防しようとして効果のないワクチンを打っているのです。インフルエンザが大流行しても、かかるのは国民の25%くらいと政府は予測していますから、全員がかかることはありません。ふつうの流行時は10%くらいの人がかかって終わります。

 では、鳥インフルエンザが人間に流行したらどうでしょうか。確かに、初期にかかる人たちは犠牲になり、死ぬ確率は高いかもしれませんが、先ほど述べたように、死んだら感染しませんから、死なないで済んだ人から感染するので、人から人へと感染すると、俗説と異なり、かえって軽くなります。そうしなければ、インフルエンザウイルスの生存ができなくなり、流行は終わります。軽く済むようになるから、流行が続くのです。ですから、流行が始まったら、できるだけ外出を避け、過労を避け、神経質にならずに家の中で楽しんで下さい。千夜一夜物語のように、ペストを避け家の中で話を楽しんでいるとかからずに済むのです。時間が経てば軽くなっていきますから、かかっても治るようになります。これが、病気の歴史なのです。

 このことを、知ってか知らないでか、俗に言う専門家たちは、危険性をあおるのです。初期にかかって貧乏くじをひいた人は、運が悪かったのです。運命と思って下さい。そのお蔭で多くの人が助かるのですから。まさに救世主かも知れません。こんなことを言うとひんしゅくを買うかもしれませんが、これが真実です。新型インフルエンザが日本に入って来た時に、高校生がかかりましたが、その時の調査で、かかっていたが発病しなかった人が少なからずいたのです。あの時の流行は、騒ぐほどのものではなかったのです。だって最初に発見された人は、死ななくて回復しました。

 そんなことがきっかけとなり、ワクチン騒ぎとなり、効かないワクチンを大量に日本が買占め、使わずに買い戻させたり、廃棄処分にしたりしたのです。これが外国のワクチンメーカーに借りを作り、その結果、日本での治療実験をせずに、いくつかのワクチンを導入しました。それが、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、そして最大の問題の子宮頸がんワクチンです。子宮頸がんワクチンは、本当はがんのワクチンではなく、パピローマウイルスのワクチンで、パピローマウイルスは、イボを作るウイルスの仲間で自然治癒率の高いウイルスなのです。しかし、子宮頸がんワクチンを再度勧奨しようと政府はしています。というのは、既に、海外にワクチンを依存したために、国際的な政治問題化してきているためです。日本政府だけの判断で決められず、対外交渉が必要になってしまったのです。

 まあ、そんなことでワクチンが、法律では勧奨するだけなのに、半強制的になり、しかも小児科医は、子どもの減少と、子どもの病気の減少で収入が少なくなり、ワクチンを収入源にするようになったのです。小児科だけでなく、老人のインフルエンザワクチンも肺炎球菌ワクチンも同じ理由です。

 それを何とかするには、ワクチンを選別して、できるだけ有効性の高い、安全性の高いものだけに、しぼりこむ運動をしなければなりません。決して、完全なワクチンも全く安全なワクチンもありません。これは過去にアメリカ小児科学会の予防接種委員会が出した勧告です。そして、過去に、小児科学会の造反が行われた時期に開かれた日本の予防接種委員会もそういう立場をとったことがありました。今は違いますが、その時に、効かないワクチンの代表とされたのが、インフルエンザワクチンと日本脳炎ワクチンだったのです。続く。


予防接種を受けない方へ

2014-06-04 11:00:51 | 健康・病気

予防接種とは
予防接種はジェンナーの種痘から始まりました。そしていろいろなワクチンが開発され、抗生物質と共に、魔法の弾丸つまり何でも打ち抜く弾丸、何でも効く医療法と考えられてきましたが、既に1970年代にイギリスの科学者のバーナード・ディクソンは、特定病因論が既にその限界に達し、魔法の弾丸もその効果に限界が出てきたと警告を発しています。(「近代医学の壁」岩波現代選書)

病気になぜかかるのかという病因論は、近代の細菌学の発展から、特定の原因によって発病するという「特定病因論」が、主流となりましたが、それでは説明がつかないことも多いです。
 ヒポクラテス学派は、病気の原因は環境にあるとの考えから、病人のいる環境を重視して来ました。ヒポクラテスの考え方は、その後イスラム医学に受け継がれ、西欧に回帰し、特定病因論の繁栄の中でも、少数派として残ってきました。近代では、ドイツの病理学の巨匠ウィルヒョウに代表され、その後イギリス、フランス、アメリカへと進み、アメリカのロックフェラー大学医学部環境医学の教授で国連の環境委員会のアドバイザーを務めたルネ・デュボスが、「人間と適応」(みすず書房)の中で、病原環境論もしくは適応説というものを述べています。

 私は、その本に出会い、考え方が変わりました。人間が環境に適応できない時に病気になるという説です。すべての病気に言えることです。私は、その説を臨床の場で実践して来ました。というのは、その説を支持しているのは、世界でも、基礎医学者や精神科医に多く、身体疾患を診療する臨床医にはほとんどいないからです。私は、その説を支持するようになってから、大きく考え方が変わり、それを臨床の場に生かしてきました。一番効果があったのは、アレルギー性の病気です。特に子どもの病気は、初期が多いので、治りやすいです。大人の環境を変えるのは難しく、軽くはできますが、治すことはなかなか難しいです。生後4か月以内の乳児のアトピー性皮膚炎や喘息様気管支炎は、うまくいけば一か月で治ります。できるだけ初期の内に対策を立てれば、治るか軽減化できます。それは環境を変えることです。

 環境には、自然環境、社会環境、心理的情緒的環境があります。これらにうまく適応できれば、病気にかかりません。そして自然環境の中に、細菌やウイルスがあります。かかっても軽く済む人と重症化する人がいますが、それはその人の社会的ないしは心理的環境に問題があるからです。ワクチンも抗生物質も無い時代に、ヨーロッパに300年間続いたペストは終焉しました。ペスト菌が見つかったのは、中国でした。つまり、ヨーロッパの人々とペスト菌の適応関係が出来上がったから、発病しない病気になったのです。私が、日本脳炎ワクチンの廃止を主張しているのは、日本人と日本脳炎ウイルスとの適応関係が出来上がったから、発病しない病気になったのです。と言っても、すべての人が発病しないわけではありません。抵抗力の低下した人は、特に遺伝的に抵抗力を持っていない高齢者に発病することがあります。
   ほかのウイルスでもそうで、麻疹も風疹もおたふくかぜも水痘もそうですが、まだ適応関係が不十分でかかってしまいますが、昔に比べたら弱い病気になっています。しかし、これらの病気は、特定病因論を支持している多くの医師によると、昔と同じ経過を取ることを予想され、社会的に取り上げられ、社会的な制裁を受けたりすることがあります。これらの病気がある日突然発病するのは、健康保菌者がいる筈です。つまりかかっても発病しないが、菌を出していて、それに免疫のない人が発病するのだと考えられます。O-157事件は典型的です。また妊娠中にかかって、胎児が先天性の病気になるのも同じで、すべての人がなる訳ではないことに、現代医学では説明できません。

 しかし、だからと言ってワクチンを受けないと、例えば破傷風でもかかって命を落とすことは、救命救急センターへ行けば無くなりましたが、それができるかどうかによっても左右されますし、大変な思いをします。お金もかかります。私の祖母が、戦争中破傷風にかかり、たまたま母の伯母が医師であったことと、母の兄が元外交官でしたことで、破傷風の抗血清を入手でき、助かり、89歳まで生きました。私は当時四歳でしたが、鮮明に祖母の病気を覚えています。それ程大変です。ですから、破傷風のワクチンができた時に、父が小児科医でしたので、確か中学時代だったと思いますが、接種しています。

 ほかの病気でも、軽く済めばいいですが、その時の体の状況や環境によって変わりますから、ある程度のワクチンは勧めています。しかし、最近登場したヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンは、のびのび育っている子はかからないか、かかっても軽く済みます。その育て方は、私のブログ上を検索してください。というのは、乳幼児の5~15%の子どもののどに常在することが判っています。

 すべてワクチンを拒否している人たちも、アメリカにはいます。その人たちだけで社会を形成し、自給自足の生活をしているのです。それができない日本では、すべてを拒否することは、難しいのではないでしょうか。選択して、安全性が高く、有効性が高いものだけをすることをお勧めします。続く。