まず理論よりも、現実から言います。取り敢えず、第一に妊婦(胎児)、と乳児(1歳以下)は、低濃度汚染地域でも、放射線の汚染地域から速やかに避難して下さい。第二は、19歳以下の子ども、青少年と妊娠する可能性のある女性は、できるだけ避難して下さい。
心ある市町村長は、それを手配して下さい。現在の各市町村の対応を見ていますと、トップの判断が住民の安全を守れるかどうかを左右しています。東電や政府からお金をもらっていても、今の緊急事態になったら、そんなことを忘れて、現実に行動して下さい。よく東電や電力会社、政府を非難する人が少なくありません。しかし、原爆を被曝した日本に、原子力の平和利用と称して原発政策を推進したのは、読売新聞と日本テレビの二大マスコミを抱えた正力松太郎であり、時の吉田内閣を始め、自民党政府を動かしたのです。その人たちこそ、現在の事故の起きる発端を作ったのです。石炭をやめ、石油と原子力に走ったのは、一つは労働政策でしたが、(三池炭鉱を始め、炭労と政府の闘いと、安保闘争でした)それに国民が乗ったのは、政府の補助金で原発は安く作れるという宣伝でした。しかし、皆さん、車も電気製品もパソコンも、10年で耐用年数が来るとは思いませんか。原発も、そう考えたのです。しかし、廃炉にしようとしたら、莫大な費用が掛かり、動かしていた方が安上がりで、40年も動かして来たのです。事故が起きてもおかしくないのです。ちっとも安全ではありません。全国の原発で10年超えたものは、みなそうです。少なくとも40年たった全国の原発はすべて、まず運転停止しましょう。今回、風向きでまず高濃度汚染されたのは、海でした。浜岡原発が同じ事故を起こしたら、風向きで東京はもろにやられます。しかも、福島と同じく老朽化しています。原発は、パソコンや電気製品と違い、補修するのが大変なのです。多くの使い捨ての日雇いの作業員を入れて、被曝限度まで働かせ、限度になったら雇い止めです。何も知識のない人にボルトを何回かまわさせたり、補修部分の一部を少しずつ治させることをやってきたのです。
東電ももちろん悪いです。ベント(穴をあけて圧力を下げ、爆発を避けること。当然放射能も放出されますが、内部の構造は維持されます。これをしたのが、アメリカのスリーマイル島原発で、現場の技師が圧力計算をして、もうもたないと判断してやったのです)を、一部の情報では、菅総理が指示したのに、東電社長が拒否したから、菅総理が現場へ行って指示したといううわさもあります。しかし、ベントしたけれど間に合わなかったのです。東電は、廃炉にするのに、莫大な費用と時間がかかることを避けたかったのです。動かしている方が安上がりなのです。石棺の中にあるチェルノブイリ原発は、まだ放射能をひび割れから出し続け、今の石棺の上にもう一つかぶせようとしていますが、資金が足りなくて、進んでいません。25年もたっているのに。
でも原爆被爆者がまだ生存しています。こんなことを本人の了解なく書くのは不謹慎かも知れませんが、私の友人で、広島で被爆した人が、昨年白血病になりました。65年たっています。それでも、逃れられないのです。
私は、チェルノブイリ子ども基金の顧問をしているので、母乳調査・母子支援ネットワークの発起人になりました。母乳汚染されて、それを飲んだ乳児の65年後はどうでしょうか。でも、検査は、1検体3万円かかります。今、なんとか工面していますが、多くの人の検査ができません。今後、受け入れ口座を作りますから、いくらでもよいですから、応援して下さい。ブログに載せます。
理論に入ります。難しい所は飛ばして読んで下さい。原発賛成派、容認派(チェルノブイリ連帯基金、鎌田實)からの批判を受けないために難しく書いています。もっとやさしく書くことより、お話をした方がよいとチェルノブイリ子ども基金の仲間たちから言われています。呼んで下さい。原発反対運動のボランティアとして行きます。尚、IAEA(国際原子力機関)は原子力推進派、ICRP(国際放射線防護委員会)とWHOは原子力容認派、ECRR(放射線リスク欧州委員会)は、原子力批判派です。
1.放射線の危険とは何か。
(1)低線量の放射線被曝の影響―放射線の危険性ー
1)被曝した本人への影響―身体的影響 はっきり判っていることは、1ミリシーベルト/時 の被曝で、1本の放射線が体内のすべての細胞を通過し、通過する際に細胞内のDNAの塩基対(アデニンA、グアニンG、チミンT、シトシンCのATとCGか゜対になっている)を切断する。なんか所かは判らない。その結果突然変異を起こす。それが、がんを始めとする、さまざまな病気の原因になる。
DNAは、ヒトの体には60兆個の細胞があり、体細胞では1細胞中に60億塩基対、生殖細胞(卵子、精子)は30億塩基対ある。ヒトは新陳代謝で細胞分裂を行ない、また傷害部位の修復を行なっているが、細胞分裂のたびに、10億塩基対に1回くらいの間違いを、つまり1細胞中に6か所くらいの間違いが生じる。しかし、免疫のシステムが監視していて、間違って作られた細胞を破壊する。この数が多ければ、修復が間に合わないし、うまく免疫のシステム(監視機構)が働かないと、病気になる。これは日常的に起きていることである。
放射線の害は今までは「発がん性(白血病とがん)とがんによる寿命短縮、老化現象の促進」と言われてきたが、現実にチェルノブイリで被曝した子どもたちは、いろいろな症状を訴え、(高濃度汚染された人は明確に出ているが)脳神経系、免疫系、内分泌(ホルモン)系、筋骨格系などいろいろな病気になっている。特に近年は骨の異常が目立つと現地の医師は言う。しかし、それらは数値化することは難しいので、発がん率で代表して、放射線の害を表現している。これらは、微量でも、確率的に蓄積されて、出る。その確率に個人差がある。それを左右するのが、私の病原環境論または適応説では、その人の環境に適応する能力と、環境(自然、社会、精神心理)の違いであり、特に社会的環境が精神的影響も含めて、大きく影響する。だから、だから、社会的弱者に影響が出やすい。また不安が強いと出やすい。できるだけ免疫システムを活性化することで、元気で楽しく生きることが第一である。「くよくよしないことが長生きの秘訣」と毎年敬老の日に長寿の人が言っていたが、昔は、私はそんなことはないと思ったが、今は、もっともだと思っている。嫌なことは嫌だと言い、どうしても仕方がないことは、しょうがないや、まあいいかと、くよくよしないことが一番である。原発は、ノーと言おう。体細胞の突然変異は遺伝しないと言われているが、それが生殖細胞に入れば遺伝する。近年の遺伝学では、遺伝子と環境とは相互に影響し合って進化して行くと言う。つづく