黒部信一のブログ

病気の話、ワクチンの話、病気の予防の話など。ワクチンに批判的な立場です。現代医療にも批判的で、他の医師と違った見解です。

予防接種を受けない方へ

2014-06-04 11:00:51 | 健康・病気

予防接種とは
予防接種はジェンナーの種痘から始まりました。そしていろいろなワクチンが開発され、抗生物質と共に、魔法の弾丸つまり何でも打ち抜く弾丸、何でも効く医療法と考えられてきましたが、既に1970年代にイギリスの科学者のバーナード・ディクソンは、特定病因論が既にその限界に達し、魔法の弾丸もその効果に限界が出てきたと警告を発しています。(「近代医学の壁」岩波現代選書)

病気になぜかかるのかという病因論は、近代の細菌学の発展から、特定の原因によって発病するという「特定病因論」が、主流となりましたが、それでは説明がつかないことも多いです。
 ヒポクラテス学派は、病気の原因は環境にあるとの考えから、病人のいる環境を重視して来ました。ヒポクラテスの考え方は、その後イスラム医学に受け継がれ、西欧に回帰し、特定病因論の繁栄の中でも、少数派として残ってきました。近代では、ドイツの病理学の巨匠ウィルヒョウに代表され、その後イギリス、フランス、アメリカへと進み、アメリカのロックフェラー大学医学部環境医学の教授で国連の環境委員会のアドバイザーを務めたルネ・デュボスが、「人間と適応」(みすず書房)の中で、病原環境論もしくは適応説というものを述べています。

 私は、その本に出会い、考え方が変わりました。人間が環境に適応できない時に病気になるという説です。すべての病気に言えることです。私は、その説を臨床の場で実践して来ました。というのは、その説を支持しているのは、世界でも、基礎医学者や精神科医に多く、身体疾患を診療する臨床医にはほとんどいないからです。私は、その説を支持するようになってから、大きく考え方が変わり、それを臨床の場に生かしてきました。一番効果があったのは、アレルギー性の病気です。特に子どもの病気は、初期が多いので、治りやすいです。大人の環境を変えるのは難しく、軽くはできますが、治すことはなかなか難しいです。生後4か月以内の乳児のアトピー性皮膚炎や喘息様気管支炎は、うまくいけば一か月で治ります。できるだけ初期の内に対策を立てれば、治るか軽減化できます。それは環境を変えることです。

 環境には、自然環境、社会環境、心理的情緒的環境があります。これらにうまく適応できれば、病気にかかりません。そして自然環境の中に、細菌やウイルスがあります。かかっても軽く済む人と重症化する人がいますが、それはその人の社会的ないしは心理的環境に問題があるからです。ワクチンも抗生物質も無い時代に、ヨーロッパに300年間続いたペストは終焉しました。ペスト菌が見つかったのは、中国でした。つまり、ヨーロッパの人々とペスト菌の適応関係が出来上がったから、発病しない病気になったのです。私が、日本脳炎ワクチンの廃止を主張しているのは、日本人と日本脳炎ウイルスとの適応関係が出来上がったから、発病しない病気になったのです。と言っても、すべての人が発病しないわけではありません。抵抗力の低下した人は、特に遺伝的に抵抗力を持っていない高齢者に発病することがあります。
   ほかのウイルスでもそうで、麻疹も風疹もおたふくかぜも水痘もそうですが、まだ適応関係が不十分でかかってしまいますが、昔に比べたら弱い病気になっています。しかし、これらの病気は、特定病因論を支持している多くの医師によると、昔と同じ経過を取ることを予想され、社会的に取り上げられ、社会的な制裁を受けたりすることがあります。これらの病気がある日突然発病するのは、健康保菌者がいる筈です。つまりかかっても発病しないが、菌を出していて、それに免疫のない人が発病するのだと考えられます。O-157事件は典型的です。また妊娠中にかかって、胎児が先天性の病気になるのも同じで、すべての人がなる訳ではないことに、現代医学では説明できません。

 しかし、だからと言ってワクチンを受けないと、例えば破傷風でもかかって命を落とすことは、救命救急センターへ行けば無くなりましたが、それができるかどうかによっても左右されますし、大変な思いをします。お金もかかります。私の祖母が、戦争中破傷風にかかり、たまたま母の伯母が医師であったことと、母の兄が元外交官でしたことで、破傷風の抗血清を入手でき、助かり、89歳まで生きました。私は当時四歳でしたが、鮮明に祖母の病気を覚えています。それ程大変です。ですから、破傷風のワクチンができた時に、父が小児科医でしたので、確か中学時代だったと思いますが、接種しています。

 ほかの病気でも、軽く済めばいいですが、その時の体の状況や環境によって変わりますから、ある程度のワクチンは勧めています。しかし、最近登場したヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンは、のびのび育っている子はかからないか、かかっても軽く済みます。その育て方は、私のブログ上を検索してください。というのは、乳幼児の5~15%の子どもののどに常在することが判っています。

 すべてワクチンを拒否している人たちも、アメリカにはいます。その人たちだけで社会を形成し、自給自足の生活をしているのです。それができない日本では、すべてを拒否することは、難しいのではないでしょうか。選択して、安全性が高く、有効性が高いものだけをすることをお勧めします。続く。