黒部信一のブログ

病気の話、ワクチンの話、病気の予防の話など。ワクチンに批判的な立場です。現代医療にも批判的で、他の医師と違った見解です。

病原性大腸菌O-157とは

2017-09-26 19:09:40 | 免疫の仕組み

病原性大腸菌O-157について

大 腸 菌 O- 1 5 7 に つ い て     

1. 感染症の成立の為の条件は
① 菌がいる。
② 感染経路がある。
③ うつる人が健康かどうか。ここが発病に大きく関与している。
 多くは、免疫状態が低下している人が発病するので、食べた人が全員かかる訳ではないのに、あたかも食べた人がすべて発病するようなことを、自称専門家も衛生部や厚生労働省もそれを報道するメディアも、言っている。病原環境論から言えばそれは間違いである。
 この3つのうち、どれか1つでも欠ければ成立しない。

2.大腸菌O-157がいること。
 ①大腸菌は、人間の腸に住んでいる菌である。通常腸管内では病気を起こさず、むしろ人間の体に必要な菌であるが、膀胱や肺や血液内に入ると病気を起こす。ところが、その中で、腸管の中で病気を起こすのが病原性大腸菌である。
 生まれてすぐの新生児の腸内は無菌状態であるが、48時間以内に大腸菌が住みつく。つまり大腸菌はどこにでもいる菌で、簡単に人間の腸に入ってしまう菌である。

 ②人に病気を起こす病原性大腸菌には、腸管毒性大腸菌(コレラ菌毒素に似た毒素等を出すコレラ型)や腸管侵襲性大腸菌(赤痢型)や腸管出血性大腸菌(志賀赤痢型)などがある。

 ③腸管出血性大腸菌は、30くらいの型があり(日本では7種類の型がでている)、その中の80%を占めるのがO-157:H7菌である。この菌は、ベロ毒素(志賀毒素)を産生し、この毒素が微小血管の内皮細胞を破壊して、出血を起こし、血性下痢を生じる。 また毒素が血管内に入り全身を巡り、腎臓の血管を侵したり、赤血球や血小板など血球を破壊し、溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こす。また脳の血管を傷害して脳障害を起こす。名前のOは、大腸菌表面の糖質の抗原性、Hは鞭毛の蛋白質の抗原性で、番号は見つかった順番。
④ 大腸菌O-157:H7による病状のうち問題となるものは、ベロ毒素によるものであり、この毒素は昔あった志賀赤痢菌の出す志賀毒素と同じもので、病状も志賀赤痢と同じで、溶血性尿毒症症候群を起こすことも同じである。

⑤ なぜ病原性大腸菌がいるのか。
 それは、大腸菌は遺伝子組み換えが容易な細菌で、実験材料の主流であり、かつ現在は組み換えた大腸菌により作られたホルモンなどが商品化されています。人の大腸の中で、何兆もの菌がいて、自然界の中 で遺伝子組み換えが行われていると考えらられます。

3.感染経路は何からか。
 感染するには、菌に汚染された飲食物を摂取するか、経口感染である。
 世界最初にアメリカで1982年に患者が発生。以来アメリカでは年々増える傾向にあり、最近では年2万人発症し、250人位死亡(1.25%)。その後カナダやヨーロッパで散発し、日本に上陸した。日本では90年の浦和市の幼稚園と96年の堺市の小学校での集団感染が有名である。東南アジアでは1998年までは、全く発生していない。以後は不明。
 アメリカでは、チェーン店のハンバーガーなど牛のひき肉(43%)その他サラミや肉製品(6%)を食べて発病しているのが半分。ほかには生乳(4%)、レタス、ドレッシング、マヨネーズ、豆類、無殺菌のアップルサイダー、七面鳥、メロンなどで20%、健康保菌者からの感染など人から人(主に託児施設)で20%、6%は水(湖の水、村の水道水に下水が混入、プールの水など消毒していないもの)。カナダ、イギリス、南アなどでは、ヨーグルト、サンドイッチ、川の水などだが、半数は原因不明である。日本では、浦和の汚染された井戸水、おかかサラダ、レバ刺し、などが判っているに過ぎない。

4.牛の腸内で保菌
 O-157は、牛の大腸に寄生していて、問題となるのは牛だけである。今まで日本では、鶏や豚からは検出されていないが、実験的には鶏も保菌する。
 1996年の農水省の調査では、牛の保菌率は0.62%である。別の検査では、牛の糞便で4.4~0.9%(厚生省研究班1.4%、ビーズ法4.4%など)、牛の枝肉で0.9~0.3%、輸入肉0.49%で、検査方法によっても異なり、ビーズ法がもっとも感度がよい。なぜ農水省の検査だけが陽性率が低いのか?
 1980年代アメリカでは牛の飼い方が変わり、穀物を肉に変える動物工場で牛が生産され、その過程で抗生物質や女性ホルモン剤(DES)を投与されるようになってから出現し、世界に広がる。アメリカ牛肉の輸出先や、アメリカ方式の牛肉の生産をしている国で問題になっていると見られる。

5.O-157の繁殖する条件は
 O-157は条件(温度、酸素、水分、食物)が良ければ、20分に1回細胞分裂して増える。冷凍に強く、-20℃の冷凍牛肉中では9か月たっても生き続ける。井戸水に入れた菌は70日以上も生き続ける。5℃以下では増えないが、死なない。カイワレについても、カイワレの中では繁殖しないが、水耕栽培では窒素肥料があると水の中で増える。 加熱には弱く、62.8℃の条件では24秒で死滅する。サルモネラ菌よりも弱い。また乾燥にも弱い。だから梅雨明けに条件がそろうので、特に気をつける必要がある。

6.ごく少い菌量でも発病する危険性がある
 ①一般の食中毒では病原菌が100万個以上で発病する。しかしO-157は100個の菌量で発病する危険がある。通常の食中毒は、菌がついていても繁殖しないうちに食べてしまえばよいが、O-157はついているだけで発病する可能性がある。その理由は、体内で繁殖するからと考えられる。潜伏期は繁殖して多量になるまでの期間であろう。

 ②人の体には、いくえもの防御機構がある。それらを突破されて病気になる。
 人の唾液には、1ml中100万個の細菌がいる。胃では胃酸のためにやられて、小腸にたどりつけるのは10分の1以下である。
 大腸内には大腸菌等100種以上の菌が常在細菌叢を形成し、1gの内容物に3000億から5000億個の腸内細菌がいて、外来菌の腸内での増殖を抑制している。大腸菌は1g中に100万から数千万個いる。ここで外来菌が排除されれば、腸壁に着床できずに素通りする。
 大腸菌の好む餌は、動物性の蛋白質とその分解物、特に肉汁であるから、穀類、野菜や果物を多く食べる方がよい。植物性蛋白質の代表は納豆や豆腐。乳酸菌は大腸菌を抑制し、その餌は糖類で米やさつまいも。納豆には納豆菌がいる。これらの菌が繁殖して、O-157の繁殖を妨げてしまえばよい。しかし圧倒的に多くの大腸菌は、腸内では無害である。

 ③腸内細菌叢の働きをくずすのは、ストレス、抗生物質、副腎皮質ホルモン、免疫抑制剤、放射線被曝などである。


7.発病するのは少数である。
 ①大人の発病率は極めて低く、子ども特に小学校低学年以下の発病が主である。
 堺市の集団発生で、同じ給食を食べた教職員の発病は2.2%(100人)以下。
 91年から94年までのO-157が検出されたのは386件で、その内15歳以下が83%(322件)。横浜のレバ刺しで発病したのは子ども1人だけ。

 ②菌が入っても、病気にならない人がいる。
 堺市で発症者0の学校もある。堺市の健康な市民の検便では、9152人中、2.3%(206人)からO-157が検出された。これを健康保菌者という。この人たちは、菌を腸内にもっていても、発病せずに、菌と共存している。
菌をもっていても、大便後の手洗いをして、大便の処理をきちんとしていれば他の人に迷惑をかけることはない。抗生物質を飲む必要もない。

⑥ 小学生の発病率も48%をこえない。
 岡山県邑久町の集団発生では、同じ給食を食べた2つの小学校の、発病率が高かった低学年489人では、発病率48%で235人が発症した。高学年や教職員ではもっと低い。
 堺市の集団発生では、学校により大きく異なり、多くても50%を超えていない。地区ごとでは、最高が南地区で27%。発症者0の学校もある。
 堺市全体でも約4万5千人のうち6千400人が発病し、発病率は15%である。

⑦ 発病しても大部分は、下痢(水様便)か、出血性下痢で治ってしまう。
 1990年の浦和市の幼稚園で起きた集団感染では、発病したこども174人の調査では、血便が出たのは24%(42人)で、76%は下痢だけだった。

 ⑤溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こすのは、発病したこどもの8~10%。
 浦和市の幼稚園では、発病者319人、うち溶血性尿毒症症候群が21人、8%。
 堺市での発病者は、7月28日までで6473人で、重症者は102名となり、1.6%である。発病しても98.4%は軽症である。重症者は全児童の0.2%である。  市立堺病院では、入院79人のうち4人が溶血性尿毒症症候群を起こした。(5%)

 ⑥溶血性尿毒症症候群を起こしたこどもの3~5%が脳障害で死亡し(発病者の0.2~0.5%)、10%が腎臓や脳に後遺症が残るという。(7月22日毎日新聞)
 浦和市の幼稚園では、溶血性尿毒症症候群21人のうち、死亡2人で、9.5%だった。(発病したこどもでは死亡0.6%)
 岡山県邑久町では、患者468人中死亡は2人、0.4%。
 96年5~6月のO-157の集団感染では、岐阜市347人、広島県東城町185人、春日井市21人、福岡市40人、岡山県新見市346人などで、いずれも死者0であった。邑久町などを含め総計1426人で、死亡3人、0.21%。
 堺市では、発病者6557人(9月まで)、重症102人、死亡3人。HUSは1.5%以下で、死亡0.04%であり、堺市児童全体では死亡は、1万5千人に一人。

8.どんな症状か。--腹痛を伴う出血性の下痢--
 ①潜伏期は4~9日(4~5日が普通)
 ②始めは普通の下痢である。軽い下痢で終わることもある。→軽く済む。
 ③進むと、水様便を頻回に繰り返し、激しい腹痛を伴う。→ここでおさまると良い。
 (但し、水様便の9割は、ウィルス性で、1割がO-157を含む細菌性である。)
  熱は、7~29%に38℃以上出る。吐き気も半数に出て、吐いたりする。
 ④そのうちに、1~2日して更にひどい血便になる。真っ赤な血液がそのまま出てくる。 僅かに線条に血がつくのではなく、便に血液が混じるというよりは血液がお尻から出てくる感じである。ここまで来たら入院するしかないでしょう。
 ⑤溶血性尿毒症症候群(HUS)は通常、既に下痢が快方に向かっている時の、発病して第1週の終わり頃(5~7日目)に発症する。尿量が少なくなる(乏尿、無尿)のが、最初の症状である。むくみ(浮腫)や、うとうとしたり(傾眠)、意識がなくなったり、けいれんしたりすることもある。突然症状が出ることが多い。蒼白、倦怠もみられる。まれには、血尿、出血斑、黄疸がある。検査では、貧血(破砕状赤血球)、血小板減少、蛋白尿、血尿が出る。血中LDHの異常な上昇も特徴。
 下痢がおさまって1週間たてば、HUS(溶血性尿毒症症候群)が発症する心配は無くなるという。
⑧ 脳症は、HUS(溶血性尿毒症症候群)と同じ頃またはHUSに先がけて発症するこ
とが多い。その予兆は、頭痛、傾眠、不穏、多弁、幻覚で、これが見られてから12時間以内に、けいれん、昏睡が始まると考えなければいけない。

9.対策はあるのか。
 基本的には、赤痢と同じと考えると良い。日本では6~7月に大発生している。
 ①通常手から感染することは少ない。飲食物からがほとんどである。
  手洗いはよく水で洗えばよいが、心配なら普通の石鹸を使えばよい。しかし、保菌者 や汚染された食品を扱うのでなければ、手から感染することはない。健康保菌者だけは 他人に感染させないために、手洗いを十分にすること。
 ②消毒されていない生水を飲まない。(水道水は良い)
 ③肉の切断面にはよく火をとおす。62.8度24秒間で死滅。こま切れ肉(ハンバー グなど)は中まで、ステーキは表面でよい。(ステーキでの感染例は文献にはない)
 ④野菜や果物は、よく水洗いする。流水で30秒洗えば汚染されていても落ちる。
 ⑤念のため、生肉を扱った包丁やまな板は、よく洗ってから使う。
 ⑥水様便が頻回にでたら、医者にかかる。でも1~2回なら心配はない。
  ひどい血便が出たら、必ず医者にかかる。
 注)新聞やテレビなどでは、かかった子どもの家族内感染の予防も一緒に「注意」とし  てのせていますが、かかっていなければ関係ありません。かかっても、大便の始末をきちんとすれば問題はありません。

10.大切なことは、感染しても発病しないようにすること。
 ①本当に心身共に、健康であればよい。
 菌が腸内に入っても発病しないか、発病しても軽く済めばよい。それには抵抗力があれば病気にならない。
抵抗力が少し落ちると軽くかかる。
抵抗力が大きく落ちると、重症になる。抵抗力を左右するものは、薬品類、放射線やストレスなど。堺市での報道を見ると、HUSになった子どもの母親は、子どものベッドに入って抱きかかえたりしてるが、こんなに過保護にしていると子どもが危ないと思います。
赤ちゃんでは、過保護、過干渉がストレスです。
 ②今まで、大きな病気にかかったことがない子、余り病気をしない子、熱が出たり、病気になった時に平気な子は、かからないか、かかってもひどくなる確率は低いです。
 ③やたらに神経質にならないこと。病気に神経質になると病気にかかりやすくなります。
 下痢をした時に、親があわてたり、不安にならないこと。子どもが不安になると病気は悪くなります。子どもが不安になるようなことは言ってはいけません。
 子どもは親のラウドスピーカーと言います。親の不安を拡大して受け止めます。
 ④抵抗力が落ちる最大の原因は、ストレスです。
  そのためには、のびのびと生きること。ストレスが多いと抵抗力が落ちてひどくなります。子どもは、叱らずにほめて育てましょう。
  子どもに、がまんさせないこと。いやなことは、いやと言わせましょう。
  毎日を楽しく送っていれば病気をしないし、もししても軽く済みます。

11.水様の下痢を繰り返したらどうするか。
 ①6~8時間は絶飲食にして、お腹を空にします。その後は水分だけにして、固形物は食べさせないようにします。お茶類、水、みそ汁、コンソメスープ、OS-1などで好きなものを、のどが乾いたら飲ませます。市販のジュースは勧めないと言います。家で作るジュースは良いです。糖分が入っていても良いです。甘いのが好きなら、糖水でもよいです。
 お腹が空いてきたら、回復の徴候ですから、果物、野菜、炭水化物(おかゆ、うどん、軟飯、パンなど)ならよいです。
 ②下痢止めは飲んではいけません。下痢止めはかえって有害であることが最近判ってきました。正露丸は絶対飲ませないこと。クレオソートが入っています。
 整腸剤(ビオフェルミンなど)は、回復を早くすると言うことが判ってきました。
 ③抗生物質は賛否両論。初期に飲むと治りが早いといいますが、O-157が死ぬ時にベロ毒素を大量に放出するとも言います。
厚生省のお薦めの抗生物質ホスホマイシン、キノロン系、ミノサイクリンは、いずれも乳幼児にはすぐには使いたくない抗生物質なので、他に方法がない時にしか使いたくありません。ミノサイクリンは歯が黄色くなります。ホスホマイシン、ニューキノロン系の乳幼児への安全性が確立されていません。

12.もう少し、考えよう。
 新聞記事を見ると、O-157大腸菌は、猛毒で、強い病原菌と騒がれ、ついには指定伝染病にされてしまいました。確かに、食中毒を起こす黄色ブドウ球菌が100万個で発病するのに、O-157大腸菌は数百個で発病するといいます。しかしこれも、最低条件であって、かならずしも発病する訳ではありません。
 菌が体内に入ったら、100%病気にかかると思われていますが、そうではありません。人間の体には病気にかからないようにする身体の仕組みができています。例えば人間の皮膚には1平方cmの中に10万の微生物が住んでいて、それが人間の身体への外来菌の皮膚からの侵入を守ってくれます。人間の腸内にも1g中の腸内容物に、小腸1000万、大腸100億~数千億の細菌が住んでいて、外から来た細菌やウィルスを駆逐してくれています。
 大腸菌を始め多くの菌は良い条件の下では、約20分ごとに分裂増殖します。1匹の大腸菌が少量の肉汁に加えられると、3時間で千倍に増加し、1日経つと数十億の子孫を生産するといいます。しかし、腸内の多数の細菌叢の中で、繁殖できずに排除されてしまうことも多いのです。外来菌は、その仕組みのために、健康な人では排除されてしまいます。
 昔、コッホがコレラ菌を発見した1892年、コレラの原因はコレラ菌ではないと主張するドイツのペッテンコーファーやロシアのメチニコフら数人の医師が、コレラ患者から分離したコレラ菌を何百万個もふくむ培養液を飲んでみせました。彼等の何人かは、軽い下痢を起こし、全員の便からは大量のコレラ菌が発見されたが、誰もコレラにはかからなかったのです。ペッテンコーファーは、「急性感染症は、何か特別な健康上の問題が先行しない場合には、成立しない。」と主張しました。
 その後、篤志家が数十億の赤痢菌を飲んだのです。しかし、赤痢の症状を起こしたのは、ごく少数の志願者だけで、大多数の人は感染しなかったのです。
 パスツールも「細菌が問題なのではなく、その環境がすべてである。」といっています。
「全く同じ毒性の強い細菌が、免疫のない人に感染した場合にも、ある人は発病し、他の人は発病しない。人間と微生物の関係は、交戦状態に陥るよりもむしろ、平和共存に傾きやすいのである。」(B.ディクソン)
 だから本当に健康な人は、感染しても病気になりません。健康とは、WHOの定義にあるように、「身体的にも、精神的にも、社会的にも完全に良好な状態をいう」のです。
 現代では、本当の原因を取り除こうとせずに、病気の症状を緩和することしか、なされていないから、次々と病気が出てくるのです。 
 本当の原因は、現代社会のもつストレスです。子どもの発病率が高いのは、それだけ子どもの世界にストレスが多いことの象徴です。
 子どもがいきいきと育ち、病気をせずに、成長していくことを、少しでもお手伝いしたいと願っています。

        総数     発病(下痢) 入院、重症    HUS   死亡
岡山県邑久町         468人   入院26人    5人+α   2人                          (発病者の1%+α)0.4%
堺市小学生 4万5千人余  6557人   102+?人   4+?人   3人              14.5%   0.2%+?   00.007%
堺市南地区(最高率)     27%
堺市教職員  4500人余  100人以下(2.2%以下)          0
浦和幼稚園          319人    57+?人     21人  2人
             (発病者の18%) (発病者の6%)
 1996年は、9月24日までに9804人発病し、死亡11人でした。

昨今、惣菜店で買った総菜からの、O-157の発病が騒がれています。そんなに怖い病気ではありませんし、だれもが溶血性尿毒症症候群になるわけでもありません。
 怖がることはありませんが、ちょっとだけ気を付けましょう。

                             文責 黒部信一

O-157病原性大腸菌なんか恐くない

2017-09-26 19:04:37 | 免疫の仕組み
みなさん、マスコミと厚労省に左右されず、子どもを守るには、もっと「のびのぴ子育て」しましょう。

その第一弾です。

O-157なんて恐くない
    あなたの子どもの免疫を働かせよう
みなさん、今騒がれている病原性大腸菌O-157を恐がらないで下さい。マスコミは
大げさに騒いでいます。それは、マスコミは公衆衛生学を無視しているからです。公衆衛生学者は、厚生労働省の中では重要視されていないのです。なぜなら、政府の方針をやりにくくさせるからで、厚労省ではもっと大衆操作をして、世論を形成して自分たちに都合の良い政策へ誘導したいのです。

最近では「ヒアリの脅威」、「黄色スズメバチや大スズメバチの増加」、「麻疹が増えている」、「梅毒が増えている」、「子宮頸がんが増えている」、災害時には決まってお年寄りに「インフルエンザワクチンを」とか、誇大宣伝をして利益誘導をしています。過去には「エイズ」、「デング熱」などもありました。これらに対しては、別の機会にします。

O-157病原性大腸菌は、強毒の病原菌ではありません。エボラ出血熱のような致死的な病原微生物ではありません。どこにでもいて、誰でも食べているかもしれません。
菌の強さが病気を左右するのではなく、人間の側の免疫システムが十分働くかどうかが問題なのです。詳しくは別稿の「病原性大腸菌O-157」をお読み下さい。堺市での集団発生の時に書いたものです。

それは、私の師と言っても書物での師ですが、ルネ・デュボスはロックフェラー研究所の結核研究所長でした(「白い疫病」の著者)。そして、軽症の結核患者からとった結核菌と重症の粟粒結核や結核性髄膜炎を起こした結核菌を比較研究した結果どこにも違いがないことを確かめたのです。
それで感染症にかかった時に、軽症で済むか重症化するかは、人間の側に違いがあるとの結論を出したのです。誰もがかかると同じ症状経過をたどる訳ではないのです。
それが私の提唱する病原環境論または適応説(ルネ・デュボス著「人間と適応」)を提唱したのです。しかし、命名は私です。

人には、生物の長として、最高の免疫システムを構築して持っています。それは、自然に働かせれば、一億の抗体を作る能力(つまり一億の病原微生物や毒物に対応する能力)をもっていることを、利根川進さんが証明しました(私の同世代だからこう呼ばせてもらいます。慶応義塾では「先生」は福沢諭吉先生一人です。今はどうか知りませんが、私の在学時代は、大学の掲示板に「○○君休講」と教授の休講の知らせが貼られていました)。

しかし、前にこのブログに載せた、「自然免疫」の第一段階は、1970年代にイギリスで出された「見えざる同盟軍」に書かれていますが、人間の外界と接触するすべての場所に微生物が住み、外界からの病原微生物の侵入をはばんでいるのです。
皮膚とすべての粘膜(目、耳、鼻、口、唇、のど、胃腸管、気管、肛門、泌尿器、性器)には、微生物とそれを助けて働く仕組み(皮膚の垢、涙、鼻汁、鼻水、耳垢、唾液、痰、腸粘液、多数の消化液、性腺の液)があります。それによって、自然免疫の第一段階が働くのです。
生ワクチン(生きたウイルス)を接種しても免疫ができないことを、ワクチン学者たちはVactin Failure として、ごまかして説明をしません。私は、注射や採血の時に注射針を血管に刺すと、一時的ですが、菌血症(血液中に細菌がまわる)が起き、一瞬にして消える、つまり対処され処理されてしまっているのです。だから、生きたウイルスも同じ運命にあっているのです。その為、免疫(血液中の抗体の産生)ができないのです。

次に自然免疫の第二段階になります。それは、皮膚や粘膜での戦いです。ここで初めて細胞免疫が働きますが、細胞免疫は重要なものなのに、それを測定する方法はツベルクリン反応しかないのです。ツベルクリン反応は、結核菌に対する細胞免疫の検査なのです。
そんなことは、大学では教えてくれませんでした。ワクチンの中で細胞免疫を作るのは、ポリオの生ワクチンです。不活化ワクチンではできません。それで、私は「不活化ワクチンは効果の証明がない」と言います。
私が大学一年の時に、日本でのポリオの大流行(1960年に5000人ものポリオ患者が発生。この考察は別にしたいです)が、当時既にポリオの不活化ワクチンがあったのに、流行を阻止できず、母親たちの運動で、緊急事態として厚生大臣がソ連とカナダからポリオ生ワクチンを輸入し、3年後に子どもたちのポリオ発生は100人以下になったのです。

そしていよいよからだの自然免疫の登場です。それは既に、ブログに載せました。
続いて、適応免疫です。ここで、免疫が獲得され、このシステムがワクチンによる免疫形成に関わるのです。
「免疫学要説」、「近代医学の壁」、「病気と免疫の社会学」、「医療人類学」、などに書かれていますが、現代医学はここからの理論構築に失敗し、ワクチンも抗生物質も抗がん剤も限界になり、壁にぶつかっています。

いま、私は言いたいのです。現代医学は、失敗していますが、それに気づいていません。

そしてワクチンを批判的に見る皆さん、放射能の汚染に心配されている皆さん、どちらも同じ免疫システムをしっかり働かせれば、心配することは無いのです。
しかし、そう育児すると、子どもたちは自立し、親離れをし、親の言うことを聞かなくなります。
親の言うなりに育った子どもたちは、発達障害や、引きこもり、不登校、そしていろいろな感染症の重症患者になります。アレルギーも子どもの反旗のしるしと思います。食べさせたいと思わないで下さい。蜂蜜を乳児に与える失敗をおかすことになります。
アレルギーの話も別にします。今多い食物アレルギーは、飢えた私の子ども時代にはありませんでした。今世界でも、飢えに悩む国にはないと思います。生きていくことが第一ですから。