食物アレルギー
ストレスからのアレルギー
食物アレルギー
食物アレルギーは、人為的につくられたものであると考えます。飢餓状態の子どもには生じなくて、豊かな国、食べるものが豊富にある国で生ずるからです。
私は、食物アレルギーは乳幼児の母親または保育者によって生まれると考えています。それは、乳幼児への食事の強制が主因であるようです。
最近、クルミアレルギーが増えてきたと聞きますが、クルミの入った食品、ケーキなどを母親が好んで食べているのではないでしょうか。それを子どもには与えてはいけません。必須食品ではないですから。
そして最大の根拠は、説得療法、自己暗示法、催眠療法で治すことができるからです。また、成長と共に自然に治ることもあります。現代医学では、それを説明できません。
☆食物アレルギーを予防するには
第一は、アレルギーを起こしやすい食べ物を3歳までは与えてはいけないことです。
親の好みで、食べているものを与えたりします。また無理に食べさせようとします。これらが食べ物アレルギーの原因です。
皆さんは、嫌いな食品や食べられない物はありませんか。私は、食べられないものはありませんが、好きでないものはあります。それは昔、私の子ども時代に、そればっかり食べさせられて嫌になったり、その後若い時にやはり家の都合で沢山食べさせられたりして、その後に嫌になったものです。蛇の生血とか、マムシなどは食べられませんが、少しなら、一般的な食べ物は何でも食べられます。絶対食べられないものは殆どありません。
つまり、子どもに食べ物を強制するから好き嫌いが生じるし、無理に食べさせようとすると、アレルギー反応が起きるのです。これが精神神経免疫学です。
嫌がったら、すぐやめれば、嫌いな物にはなるかも知れませんが、アレルギー反応は起こしません。
だから子ども時代にあった食べ物アレルギーも、成長と共に、単なる嫌いな物へと変化することが多いものです。
☆よくある食物アレルギー対策
〇卵アレルギーは、鶏卵の白身によって起きます。特に、加熱していない「生」または「半生」で与えられた時に生じることが多いです。しかも二回目に与えた時に症状が発生することから、一回目で嫌な思いをし、それを体が覚えていて、二回目に拒否反応を起こすと考えられます。
〇大体、乳幼児に生の蛋白質を与えることがおかしいのです。しかも欲しがらないのに食べさせようとすることに問題があります。
〇乳幼児で多い食物アレルギーの原因の卵と牛乳や乳製品は、元々人間の自然な食べ物ではなかったのです。さらに特に生の蛋白質が原因であることが多く、完全に加熱したものでは少ない。
〇実際に、混じっていることを知らずに食べると起きないこともあります。
催眠実験でも、暗示効果が強く出て、入っていると暗示をかけると、実際には入っていなくてもほとんどの人が反応します。
また、血液検査でも、皮膚のスクラッチテストやパッチテストでも、100% の相関は得られません。そこには心と免疫の関連があるからで、精神神経免疫学では説明できます。
〇実際に私の診た幼児で、母親から離れて養護施設に入ったら、アレルギーの出る食べ物が沢山あったはずなのに、何でも食べている子どもがいました。
〇また私が若い時に16年間、国立病院に勤務していましたが、当時はわざわざアレルギーの調査もしなかったし、アレルギー食も作ってはいなかったのです。ただ好き嫌いはありましたが、入院した子どもたちに「嫌いなものは食べなくて良い」としていましたが、外から食べ物をもち込めなかったので、おなかが空くので、その内に嫌いなものでもみんな食べてしまいました。しかし、家に帰るとまた食べなくなったと言います。
〇子どもの「好き嫌い」を治そうとすることはありません。何でも食べさせようとすることには無理があります。動物は片寄ったものしか食べない種類もいますし、体に不足するものを美味しく感じるようです。プランクトンしか食べない鯨、蟻しか食べない蟻食いなどが典型です。内陸の動物たちは、塩が不足し、岩塩のあるところへ食べに行ったりします。
〇人間でも体に不足するものを美味しく感じるようです。私は栄養学に疑問を持っていましたが、特にアメリカ主導の栄養学、国際基準の必要栄養量にも本当にそうか疑問に思っています。これは昔、神奈川大教授の故中山茂先生の科学史研究会に2年ほど参加していました。その時に教えられたことです。
〇嗜好食品は3歳を過ぎるまでは味を教えてはいけません(与えてはいけません)。
☆もっと自然体で生きていきましょう。「栄養があるから」とか「体に良いから」と食べたり飲んだりすることはよしましょう。基本的に必要な食品の中から、欲しがるものを食べさせていれば良いです。 フィリピンの山中で一人、30年間も戦争していた小野田さんが帰国後に語ったことは、「体のことは、体が知っていると思っていたから、何を食べるかは体に聞いてみた。それで30年間病気をしなかったのだと思う。」と言っていました。現代でもそうですが、ストレスがあるとそれが狂ってきますし、思い込みもありますから、100%そうとは言えませんが。
食べたい時に、食べたいだけ与えることが基本です。ある程度の満足感が得られたら、それこそ「腹八分目」でやめましょう。
☆アレルギーを避ける実践的な方法
〇早期の離乳食はアレルギーを作るということは、間違いです。昔のアメリカでの小児科医の実験では、果汁を始めるのは生後2週間では早過ぎて、生後2か月過ぎからとなりました。穀類は生後4カ月からです。
アレルギーの家系では、卵は与えてはいけません。1歳から固ゆでの黄身だけ与えます。成長しても、卵アレルギーの出やすい人は、白身を美味しいとは感じないようです。
牛乳は完全に加熱して冷ましたものを与えます。刺身類やイクラなどの生の食品を3歳までは与えないことです。ヨーグルトやチーズなどは嗜好食品です。ピーナッツは誤嚥すると危険な食品ですから、乳児がいる家では食べないようにしましょう。そばも子どもが食べる食品ではありません。
以上を守れば、小麦アレルギー以外は避けられます。小麦アレルギーも、小麦製品の強制が疑われます。必須食品では、小麦だけですし、乳幼児では食べなくてはいけない食品ではありません。
牛乳は、しばしば乳糖不耐症で飲めない人がいます。哺乳類の多くは、離乳期になると乳糖分解酵素の産生が出来なくなり、母乳が飲めなくなるので離乳します。人間と一部の動物たちでは、母乳を飲み続けたり、牛乳を飲めるようになったりしますが、それは適応と考えられています。しかし、人間でも遺伝子の働きが止まってしまい、乳糖分解酵素が産生できず、乳糖を分解できなくなるので牛乳を飲むとそのまま出て下痢状になる人がいます。世界的に農耕民族に多いと言います。これはアレルギーではありません。
☆実際に、食物アレルギーはどのくらいあるのか。
〇厚労省科学研究報告書2005全国調査(国立医薬品食品衛生研 穐山)
鶏卵40%、牛乳、乳製品18%、小麦9%、いくら5%、落花生4%、えび3%、そば3%、キウイフルーツ2%。
〇2002年4月省令、7品目表示 卵、牛乳、小麦、そば、落花生、えび、かに。
準ずる18品目 あわび、いか、いくら、オレンジ、牛肉、くるみ、さけ、さば、大豆、キウイフルーツ、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、桃、山芋、リンゴ、ゼラチン。
鶏卵の60%OVA 加熱で低下。鶏卵、牛乳(ベータ・ラクトグロブリン)も年齢依存。ベータ・ラクトグロブリンは、牛、羊、ヤギ、犬、豚、鹿、馬、いるかの母乳中にあり。人の胃液に分解されない。
小麦ー 成人に多い。食物依存性運動誘発性アナフィラキシーで最も頻度が高い。
落花生ー 米国の煎ることで上昇、中国のゆでる、揚げることで下がる。
そばー 微量でも危険あり、(アナフィラキシー)、えんどう、大豆と相同性あり。
- 大豆(豆乳) クルミ、ピーカン、ヘーゼルナッツ、ブラジルナッツ、ごま
- 果実ー キウイ(口腔アレルギー重篤、多い)、
バラ科果物 リンゴ、桃、サクランボ、梨、いちご
カバノキ花粉
○魚介類 魚ー タラ類、スケトウタラ、コイ、タイセイヨウサケ、まあじ、うなぎ、めばち、まさば も同じアレルゲン
甲殻類ー えび、かに、(ブラウンシュリンプ、ブラックタイガー)
軟体動物、するめいか、いくら(日本特有)、(タラコは相動性があるがみられない)
その他 コキニール色素(雌のエンジムシ)赤色色素の含有成分、はちと相同性あり、
☆アレルギー症状から見た交差反応(宇理須)
大豆アレルギーに醤油、味噌は安全。
交差反応性
ピーナッツ 他の豆科 5% 桃 リンゴ、梅、サクランボ、梨、いちご 55%
牛乳 牛肉 10% えび かに、ロブスター75%いか、たこ、貝類20~30%
小麦 他の穀類 20%
魚 他の魚 50% メロン スイカ、バナナ、アボガド 92%
牛乳 山羊乳 92%
即時型アレルギーⅠ 60分以内に症状出現、かつ医療機関を受診したもの
2歳まで60%、3歳までに66%、8歳までに80%(20歳以上で9%)が出現する。5歳以前に出ることが多く、5歳以降は初めて出るという出現率は低下する。
皮膚症状 88.6%
呼吸器症状 26.8% くしゃみ、鼻水、咳、喘鳴、呼吸困難
粘膜症状 23.8% 口唇、眼瞼、球結膜、はれ、かゆみ
気道粘膜症状、嗄声、犬吠様咳嗽、閉塞感、嚥下困難、胸がつかえる、口腔・咽頭・喉頭の違和感
消化器症状 13.4% 腹痛、嘔気、嘔吐、下痢
ショック症状 10.9% アナフィラキシー
☆即時型アレルギーⅡ(2時間以内) (今井による)
0歳で30%、1歳で20%、2~6歳で30%発症。
鶏卵(30%)、乳製品、小麦(以上3種で60%)、甲殻類、果実類、そば各5%、魚類4%、イクラ3%、ピーナッツ、大豆、木の実類が各2%、
6歳までは、鶏卵、乳製品が主。乳児では鶏卵、乳製品、小麦で89%。
7歳以上は甲殻類が第一、次いで果実類、そば、魚類。
1~3歳にイクラが多い。
☆食物依存性運動誘発性アナフィラキシー
運動誘発性 アスピリン、NSAIDs(解熱剤)の吸収上昇で 15%が関与、男女比1.5:1、
初発年齢 10~20代
皮膚症状 全身のじんましん、血管性浮腫、紅斑、 ほぼ全例
呼吸器症状 咳、喘鳴、呼吸困難 約70%
ショック症状 血圧低下、意識レベル低下 約50%
回数 2回以上、70%にアレルギー疾患の既往または有病
小麦製品60%、エビ、カニ、甲殻類 30%
種目 サッカーなど球技やランニング、
食後から運動開始まで120分未満約90%、運動開始後発症まで60分未満80%以上。 80%が昼食後、
☆食物依存性運動誘発アナフィラキシー (相原による)
1万2千人に一人、男女比4:1、発症10歳で喘息、花粉症などの有病者。
小麦製品、エビ、カニなどの甲殻類が大部分、野菜、果物もある。
食後2時間以内の運動をさける。
じんましん、アナフィラキシー (海老沢による)
乳幼児 鶏卵、牛乳、小麦、そば、魚類、大豆、 鶏卵、牛乳、小麦、大豆は治る。
学童~ 成人 甲殻類(エビ、イカ)、魚類、小麦、果物類、そば、ピーナッツで治りにくい。
3歳頃までに50~60%、6歳までに70~80%が治る。(山口による)
☆仮性アレルゲン(直接の原因ではないが、アレルギーが起きている時に食べると長引く原因になることがある) (中村、飯倉らによる)
ヒスタミン なす、ほうれん草、トマト、エノキ茸、鶏肉、牛肉、馬肉、サバ、パン酵母、塩づけニシン、ドライソーセージ、キャベツの酢づけ。
ヒスチジン チーズ類、鹿肉、ピーナッツ、アボガド。
チラミン チーズ類、ニシン塩づけ、パン酵母。
フェニルチラミン チョコレート、チーズ類。
セロトニン トマト、キウイ、バナナ、パイナップル。
ドパミン 豆類、長いも。
アセチルコリン なす、トマト、たけのこ、さといも、山いも、くわい、松茸、そば、ピーナッツ。
ノイリン さんま、冷凍タラ、塩サケ。
トリメチルアミンオキサイド カレイ、タラ、スズキ、たこ、あさり、はまぐり、カニ、エビ。