廃校利用 山里の美術館「共星の里」

福岡県朝倉市黒川の「共星の里」のイベント情報や楽しい体験記を掲載。
左下のお好きなカテゴリー(1~16)毎にどうぞ!

「不動富士」渡辺康さんコメントご紹介

2005-07-11 15:11:51 | 3.05~24年の企画展告知&展示
「不動富士」

 私が「風の丘」と呼んで暮らすココは、一年中風が吹いて、
冬以外は濃霧(実は雲)の中ということが多く、太平洋戦争後に開拓された入植地で、
現在は山梨県下最大の酪農地帯の直中にあります。
ここから100mでも暮らす場所が違っていたのなら、屹度、私は富士山に向かい
カメラを構えることはなかったと思います。なので、
会場に並べられた富士山は全て「風の丘」から、日々の暮らしの中で撮られたものです。
そして、シャッターを切ろうが切るまいが、富士山に向かい、(向かうからこそ)
いつも思い感じることがあります。

「今、踏みつけている小さな草も、ミミズ一匹も、全宇宙そのもの。」
私たちは溢れる奇跡のただ中に在る。
只 在る だけでパーフェクト!
何をクヨクヨ…… 何を偉そうに……。
しがみつき、抱え込んだ「それ」を手離しさえすればイイ!
そうすれば、奇跡として在る自分に、全宇宙が、
いつだってそっと寄り添う。

機会があればお立ち寄りください。
見えても見えなくても
富士山は 只 そこに在ります。          
                 風の丘にて 2005年5月 渡辺 康

「畏友」平澤寛さんコメントご紹介。

2005-07-11 15:01:24 | 3.05~24年の企画展告知&展示
「畏友(いゆう)」

 体温を感じる友人がいた。
その人間たちの存在を明確なかたちで残しておきたいと思った。
ひとりひとりを口説いて素っ裸になってもらった。
同様に私自身もカメラの前に座った。
おもしろい発見があった。
内部に潜んでいたものがにょきにょきと表面に現れた。

 私は、この8枚のポートレートを「畏友たちの肖像」と名付け、
1996年の秋に東京の小さなギャラリーで短い個展をやった。

 その後、9年という時間が流れ、私は2年半前に東京を離れ
山梨県の上九一色村に拠点を移した。この地にはかつての「畏友たち…」の
やっさんと神田さんとその家族がいて楽しい付き合いをさせてもらっている。
 皆との距離はそれぞれ変化しつつも、かれらの、劣らずに放つ光は相変わらず
熱くたくましく、私自身を「生きる」衝動にかりたてる。

 そして今、この九州の福岡という地で、「共星の里」のスタッフの方々の力によって
再びこの「畏友」が日の目を見ることが出来たということは大いなる喜びです。
まして、やっさん(渡辺康)との2人展などということは夢にも思わなかったことで、
実現したことはうれしいことです。
「共星の里」の皆様に、そしてこの2人展を見に来てくださった方々に、深く感謝します。
                            2005年5月 平澤 寛