廃校利用 山里の美術館「共星の里」

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人と自然の共生。その「音」を共星で聞く。

2006-11-04 21:04:41 | 9.山里の四季・風土

たしか5月、この頃あたりだったと思うけど、
共星で早朝5~6時頃、初めて聞く不思議な音で目が覚めました。

西の方角に連なる山々の遠くの方から、
口笛とも掛け声ともつかぬ一定のリズムで鳴る(?)高音と、
それに呼応するタイミングで吠える複数の犬の声。

それがずっと続きながら、だんだんと近づいてくる。

フトンの中で「いったいナンだ?ナンだ?」としばらく耳を傾けていました。
窓から見える側の山からたしかに聞こえる位近くなってきた時、
私はハッ!と気づきました。
「猟師さんが猟犬を使って何かを追っている?」んだと。

そう思って聞くと不思議な一連の音は納得できました。
掛け声のような高音と、吠える犬の声が一体となって、網を張るように、
山肌を向こうから、ずっーと、なめ尽くすように移動してきた。
時々、少し音が小さくなったりしながらなのは、
山肌の谷部分に入っている時に、こちらに届く音が少し遮られるからか?
実際には犬と人がどのような動きをしているのかはわかりませんが、
決してランダムに吠え続けるのではなく、
はっきりと人の合図に応えながら
2匹の犬が激しく吠えたり止んだりを繰り返す。
その、山に響く不思議な「音」は
なぜかとても、私の心を揺さぶりました。

人と犬、そして野生の生き物。
山の中での、人と自然の関係。
山や海や川に、人間は生かしてもらっているということ。

なにかそんないろんな事を考えてしまい、
大昔から続く自然との共生が、
今もこうして残る「里山」の素晴らしさを改めて感じて、
ひとりで感動してしまいました。


後でKAZUさんが、追っていたのは「たぶん鹿やろ」と教えてくれました。

その日の昼間、屋上でKAZUさんとフラッグを下ろす作業中に、
2度「キューーーンッ」という高い声が山に響きました。
「今のは鹿?」と聞くと同時に早朝の出来事をとっさに思い出して
KAZUさんに伝えると、
いつも共星に鹿肉をもってきてくださる方の名前を言い、
たぶんその方だろう、とのことでした。

その「鹿の声」は、朝の鹿追の音がしていた正にその山の方から
聞こえたのでした。
という事は、
逃げきった鹿が雄叫びをあげていたのかしら?
それとも、罠とかを仕掛けてて、それに捕まったとか?

人と自然の営みは続く.........。

そして私は、
半凍りの鹿肉刺しを肴に、また裏部屋でみんなで飲みたい。と思うのであった。

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